スパンダム:愛
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「ったく、ジャブラのやつまた報告書出してねぇ。」
我がCP9の諜報員達に言い渡した任務の数とは異なる書類の数。
ジャブラは任務から帰るとすぐさま自室に行きおやすみタイムに入るため、すぐに報告書が手元に届かない。
そんなジャブラにイライラしていると、トントン、と指令室の扉が叩かれる。
「失礼します」
「おい返事してねぇだろ」
返事を待たずに静かに部屋に入ってきたのは、スパンダムお気に入りの給仕の名無しさん。
疲れた時にはすぐにコーヒーを出し、溜まっている愚痴も全て聞いてくれて、さらにアドバイスまでしてくれる。時には自分の仕事など放っておいて。
実はそんな献身的な名無しさんに恋心をいだいている。
「今コーヒーお入れしますね」
そんなスパンダムだからこそ気づいたこと。
今日の名無しさんは暗い。声のトーン、表情、彼女を取り巻くオーラ、すべてが暗い。
「な、なんだ?元気ねぇぞ?」
コーヒーを入れる彼女の手がぴたりと止まる。
そしてその綺麗な手に落ちたのは、涙。
「あ?泣いて…んのか…?」
徐々に嗚咽が漏れ、涙が溢れ出す。
コーヒーカップから手を離し、両手で顔を覆う。
「ご、ごめんなさい…」
その場をさろうとした名無しさんの腕を咄嗟に掴む。
「なんで泣いてんだよ」
コイツを泣かしたやつ…ルッチか?前から給仕には厳しいと聞いていたが、泣かすことねぇだろ…
「ま、まぁよ、そこ座れよ」
と、長いソファに二人で並んで座り、名無しさんが泣き止むのを待った。