パウリー:メリークリスマス

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水の都、ウォーターセブン。

清らかな水が島のてっぺんから流れ、人々はその水と共にウォーターセブンでの生活を満喫している。

そんなウォーターセブンの街の様子は、クリスマスだということもあり、電飾されてあたりは赤や黄色、緑に光り輝く。

もちろん、ガレーラの職人たちは年がら年中船を作っているわけであり、そんなイベントごとには構っていられない。

はずだった。

「おはようございます!」

元気に響くその挨拶にガレーラの職人たちが振り向けば、歓声と一人の男の怒鳴り声が一番ドッグに響いた。

「お、おい名無しさん!!!!てめぇなんて格好してんだぁぁぁぁぁ!!!」

最近このガレーラの社長、アイスバーグの秘書としてこの職場にやってきた名無しさん

ガレーラの多くの男を虜にし、男臭いガレーラカンパニーのアイドルとなった。

そんな名無しさんが今目の前にいるわけだが、何があったのか、赤い帽子に赤い服、そして赤いミニスカート。

ミニスカサンタである。

そんな名無しさんに最も反応するのが、一番ドッグ職長、パウリーである。

「あ、おはようございますパウリーさん!」

「おはようございますじゃねぇ!なんだその、その、短い丈のスカート!ここは男の職場だぞ!ハレンチ娘が!」

ずかずかと名無しさんに歩み寄るパウリーを男たちは必死に止める。

「まぁいいじゃないかパウリー。せっかくのクリスマスだもんな!」

「そうなんですよ、アイスバーグさんが今日はこれを着て仕事をしろって!」

そうかそうか、と鼻の下を伸ばすルルの興奮具合と言ったら、今にも鼻血が出そうな勢いである。

「いくらアイスバーグさんに着ろって言われたからってなぁ!素直に着るやつがあるか!」

「え?だってこれかわいくないですか?確かにちょっとスカートが短い気もするけど、たまには、ねっ」

花のような笑顔を向けるとさらに顔を赤くする職長ともあろう男パウリー。

「だっ…!お前なぁ…!」

「お!なんだパウリー照れてるのか!それともあれか!色気づいたのか!」

すかさずそう発するタイルストンに殴りかかろうとするパウリーを小さな体で必死に止めようとするが、体格差でパウリーに勝てるわけがない。

横からルルが助けに入ったから良かったものの、もうすぐ喧嘩が始まるところだった。

「ンマー、落ち着いたか。」

後ろからかけられた声に一同が反応すると、そこにはガレーラカンパニーの社長、アイスバーグ。

「あ!アイスバーグさん!この衣装みんな気に入ってくれたんですけど、パウリーさんだけ怒るんです」

未だ赤面するパウリーを指さしアイスバーグに訴える。

「ンマー、名無しさん。まだまだパウリーは子供なんだ。サンタさんなのに、プレゼントをあげていないんじゃないのか?」

「あ、そうか!」

手をパチンとうってそう発すれば、パウリーに手渡された赤い小さな袋。

「…なんだこれ」

「クリスマスプレゼントです!」

いつの間にかほかの職人達にも配りながら笑顔を向ける。

「これは名無しさんの手作りか?」

ルルが中身を見るとおいしそうなガトーショコラ。

「はい、これから皆さんにはお世話になるので頑張って作りました!」

自慢げに言う名無しさんだが、横からパウリーが茶々を入れる。

名無しさんがこんなもの作れるなんてなぁ!誰かに作ってもらったんじゃねぇのか?」

ハッハッハと大きな声で笑うと、

「あ、もしかしてパウリーそれだけじゃ足りないんじゃないのか?」

とルル。

「愛ももらっとけ!」

とタイルストン。

「!」

そしてすかさずパウリーのほっぺにキスをする名無しさん

「だっ!な、なにすんだ名無しさん!!!」

あっかんべーをしながら逃げていく名無しさんを追いかける余裕もない。

「ンマー、名無しさんも、パウリーで遊ぶのがうまくなってきたな。」

一同が一斉に笑い声をあげたかと思えば、ちらほらと仕事に戻っていく。

ガレーラカンパニーでのクリスマスイブの賑わいは、名無しさんがいないと続かないようで。

倉庫の裏で赤面して丸まっている名無しさんには、そんなこと知る由もなかった。
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