人形と人類最強
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
なんで....なんで....
私の視界は赤で染められている。なぜ、そうなってしまったのか、答えは簡単だ。
”私が選択を間違えたから”
かつて、私の両親だったもの、兄であったものが部屋に転がっている。それは、まるで人形のようにぴくりとも動かない。
目の前で大柄の男が不気味に笑う。
”俺じゃないぞ、お前がこいつらを殺したんだ。”
あぁ...そうだ...私が殺したんだ。優しくしてくれた母も、大きな手で撫でてくれた父も...大好きだった兄も....みんな....
”ああああああ!!!!!!!!!!!”
私は叫ぶ。とにかくこの感情をどこかにやりたかった。
急に叫ぶと男は驚いたのか一瞬隙が生まれた。
私はその隙を決して逃さなかった。男を突き飛ばし、素足のまま家を飛び出した。
草に足を取られ、転んでも。小石を踏んで足から血が出ても走り続けた。止まってしまえば、もう2度と歩き出すことはできないと、そう感じていたからだ。
走って....走って....とにかく走り続けた。足の感覚なんてない。疲れたなど思う余裕もない。
気がつくと、よく家族と買い物に出かけた街にたどり着いていた。
まだ、明け方にもなっておらず人などほとんどいない。
曲角を曲がったところで私は壁に当たって、体勢を崩し尻餅をついた。
すぐに立ち上がろうとした....が
「っ!!」
今まで感じていなかった疲労と足の痛みが一気に押し寄せてきて立ち上がることが出来ない。足が焼けたように熱い...もう歩けない。
日も登ってきた。いく当てのない私はこのままここでのたれ死ぬのかな...
そしたら私も家族の元へ.....
そう考えた時だ。
「大丈夫かい?」
頭上から優しい男の人の声がした。
私はすぐに見上げた。だが、ちょうど日の逆光でその人の顔を認識できない。
どうやら、私が壁にぶつかったと思っていた物は実は壁ではなく人だったようだ。
突然のことに私は答えることも出来ず茫然とその人を見た。
「足、ひどい怪我をしているじゃないか」
その人が心配そうに私の足に手を伸ばす。
その時、家での不気味な笑いをした男とその人が重なった。
「っ!!触らないで!!!」
その人は驚いたように手を止めた。
すぐに逃げたいけど、身体が動かない。ただ下を向いて震えることしか出来なかった。
「君、家族は?お家はどうしたんだい??」
「もう..いない...なにもない」
震える声で私は言った。
その人は何かを思案しているような仕草をして
「ならば、私の所へこないかい?」
「え...?」
驚きで思わず顔をあげた。
今、なんて.....
その瞬間、逆光が収まってきて、その人がよくわかるようになった。
金髪の大柄な男性だ。だが、顔つきはとても優しく、私を真っ直ぐに見る空のように綺麗な碧眼。
そして、兵士の証である服。その胸には......
「自由の.....翼.......」
男は少し驚いたように目を見開き、そしてすぐ優しい目に戻った。
「私の名前は、エルヴィン・スミス。調査兵団だ。
君の名前を教えてくれないかい?」
いつの間にか、さっきの震えは収まっていた。なんの引力なのかこの人から目が離せない。
「私はカナ...カナ:ラルク...」
私の名前を聞いた瞬間、エルヴィンが少し悲しい目をした気がした...が、すぐに優しい目に戻った。
気のせい...かな。
「とにかく、君の事情を駐屯兵団で聞かなければならない。悪いようにはしない、私もついてる」
「....わかった」
身寄りがない上に、今なにをするべきか分からない以上エルヴィンのいうことを聞くほかない。それに、この人が兵団の人だというのならば少なからず信用できるはずだ。
「その足では歩けないだろう。私がおぶって行こう。触れても、大丈夫かい?」
さっきのことを気にしているのだろう。心配そうにエルヴィンは聞いてきた。
「...大丈夫」
私はそういうと、エルヴィンに両手を伸ばした。
もう、怖くない。大丈夫。あいつはここにはいない。私は心の中で何回もそう繰り返した。
エルヴィンの背中は大きく、そして暖かかった。まるでお父さんにおぶられているみたいに。
そうして、カナはエルヴィンと共に駐屯兵団まで行き、事情聴取を受けた。その間、エルヴィンは方時も離れず私の手を握っていてくれた。
私を養子にすると言い出した時は驚いたが、この人ならと承諾した。
足の治療も終わり、カナはエルヴィンにおぶられながら晴天の空の元歩き出した。
こんな日でも世界はいつも通り過ぎ去る。まるで、私だけが取り残されたみたいだ。カナは自嘲気味に笑った。
こうしてカナの新しい家族との生活が始まった。
だが、カナに根付いてしまった闇は深かった。私の選択のせいで家族が死んだ。その事実はどうやっても変わらないもの。
だから、私は、もう2度と選択を誤らないように、感情を殺した。
感情を持つ分だけ判断を鈍らせる。結果、大事な人を失う事になる。
もう、そんな経験2度としたくはなかった。
それが子供ながらに考えた結論だった。
そして、私はエルヴィンの力になりたくて、兵士を目指した。
15になった私は今、調査兵団にいる。
私は壁の中の公の為とか、王様の為とか微塵も考えていなかった。
ただ、エルヴィンのために、この心臓を捧げると誓った。
私の命が尽きるその日まで.......
後書き
ひゃ〜〜一発目でしたが、さっそくのシリアスから入らせていただきましたwリヴァイとの絡みは次の話からかな。。。
過去編の詳しい内容についてはまた別のお話でやるつもりです!
最後少し駆け足になってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます!
こんな感じで、ストーリーを進めて行きたいと思うので、よければ是非是非goodお願いします!w
私の視界は赤で染められている。なぜ、そうなってしまったのか、答えは簡単だ。
”私が選択を間違えたから”
かつて、私の両親だったもの、兄であったものが部屋に転がっている。それは、まるで人形のようにぴくりとも動かない。
目の前で大柄の男が不気味に笑う。
”俺じゃないぞ、お前がこいつらを殺したんだ。”
あぁ...そうだ...私が殺したんだ。優しくしてくれた母も、大きな手で撫でてくれた父も...大好きだった兄も....みんな....
”ああああああ!!!!!!!!!!!”
私は叫ぶ。とにかくこの感情をどこかにやりたかった。
急に叫ぶと男は驚いたのか一瞬隙が生まれた。
私はその隙を決して逃さなかった。男を突き飛ばし、素足のまま家を飛び出した。
草に足を取られ、転んでも。小石を踏んで足から血が出ても走り続けた。止まってしまえば、もう2度と歩き出すことはできないと、そう感じていたからだ。
走って....走って....とにかく走り続けた。足の感覚なんてない。疲れたなど思う余裕もない。
気がつくと、よく家族と買い物に出かけた街にたどり着いていた。
まだ、明け方にもなっておらず人などほとんどいない。
曲角を曲がったところで私は壁に当たって、体勢を崩し尻餅をついた。
すぐに立ち上がろうとした....が
「っ!!」
今まで感じていなかった疲労と足の痛みが一気に押し寄せてきて立ち上がることが出来ない。足が焼けたように熱い...もう歩けない。
日も登ってきた。いく当てのない私はこのままここでのたれ死ぬのかな...
そしたら私も家族の元へ.....
そう考えた時だ。
「大丈夫かい?」
頭上から優しい男の人の声がした。
私はすぐに見上げた。だが、ちょうど日の逆光でその人の顔を認識できない。
どうやら、私が壁にぶつかったと思っていた物は実は壁ではなく人だったようだ。
突然のことに私は答えることも出来ず茫然とその人を見た。
「足、ひどい怪我をしているじゃないか」
その人が心配そうに私の足に手を伸ばす。
その時、家での不気味な笑いをした男とその人が重なった。
「っ!!触らないで!!!」
その人は驚いたように手を止めた。
すぐに逃げたいけど、身体が動かない。ただ下を向いて震えることしか出来なかった。
「君、家族は?お家はどうしたんだい??」
「もう..いない...なにもない」
震える声で私は言った。
その人は何かを思案しているような仕草をして
「ならば、私の所へこないかい?」
「え...?」
驚きで思わず顔をあげた。
今、なんて.....
その瞬間、逆光が収まってきて、その人がよくわかるようになった。
金髪の大柄な男性だ。だが、顔つきはとても優しく、私を真っ直ぐに見る空のように綺麗な碧眼。
そして、兵士の証である服。その胸には......
「自由の.....翼.......」
男は少し驚いたように目を見開き、そしてすぐ優しい目に戻った。
「私の名前は、エルヴィン・スミス。調査兵団だ。
君の名前を教えてくれないかい?」
いつの間にか、さっきの震えは収まっていた。なんの引力なのかこの人から目が離せない。
「私はカナ...カナ:ラルク...」
私の名前を聞いた瞬間、エルヴィンが少し悲しい目をした気がした...が、すぐに優しい目に戻った。
気のせい...かな。
「とにかく、君の事情を駐屯兵団で聞かなければならない。悪いようにはしない、私もついてる」
「....わかった」
身寄りがない上に、今なにをするべきか分からない以上エルヴィンのいうことを聞くほかない。それに、この人が兵団の人だというのならば少なからず信用できるはずだ。
「その足では歩けないだろう。私がおぶって行こう。触れても、大丈夫かい?」
さっきのことを気にしているのだろう。心配そうにエルヴィンは聞いてきた。
「...大丈夫」
私はそういうと、エルヴィンに両手を伸ばした。
もう、怖くない。大丈夫。あいつはここにはいない。私は心の中で何回もそう繰り返した。
エルヴィンの背中は大きく、そして暖かかった。まるでお父さんにおぶられているみたいに。
そうして、カナはエルヴィンと共に駐屯兵団まで行き、事情聴取を受けた。その間、エルヴィンは方時も離れず私の手を握っていてくれた。
私を養子にすると言い出した時は驚いたが、この人ならと承諾した。
足の治療も終わり、カナはエルヴィンにおぶられながら晴天の空の元歩き出した。
こんな日でも世界はいつも通り過ぎ去る。まるで、私だけが取り残されたみたいだ。カナは自嘲気味に笑った。
こうしてカナの新しい家族との生活が始まった。
だが、カナに根付いてしまった闇は深かった。私の選択のせいで家族が死んだ。その事実はどうやっても変わらないもの。
だから、私は、もう2度と選択を誤らないように、感情を殺した。
感情を持つ分だけ判断を鈍らせる。結果、大事な人を失う事になる。
もう、そんな経験2度としたくはなかった。
それが子供ながらに考えた結論だった。
そして、私はエルヴィンの力になりたくて、兵士を目指した。
15になった私は今、調査兵団にいる。
私は壁の中の公の為とか、王様の為とか微塵も考えていなかった。
ただ、エルヴィンのために、この心臓を捧げると誓った。
私の命が尽きるその日まで.......
後書き
ひゃ〜〜一発目でしたが、さっそくのシリアスから入らせていただきましたwリヴァイとの絡みは次の話からかな。。。
過去編の詳しい内容についてはまた別のお話でやるつもりです!
最後少し駆け足になってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます!
こんな感じで、ストーリーを進めて行きたいと思うので、よければ是非是非goodお願いします!w
2/2ページ