短編(FFシリーズ)
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「なあナマエ!今晩、飯食いにいかねえか?」
「……だそうだ、ルード。」
「なぜ俺に言う…。」
淡々と事務作業をこなすナマエは、視線を外す事なく、レノからの誘いをルードへとパスを回す。
「私と食事などしてもつまらんぞ。」
「そんなコトねぇだろ?な、いいだろ?ナマエ。」
『いいじゃねえかー!減るもんでもねえし!』と隣で騒ぐレノを一瞥し、ナマエは深い溜め息をついた。
これは頷くまでしつこく誘ってくるやつだと。
「………はぁ…。分かった。今回だけだ。」
「マジ!?よっしゃ!なら早速、店を予約するぞ、と!」
「ただし。」
「なんだよ?」
「お前のデスク上にある山のような書類を定時までに終わらせられたらの話だがな。」
鼻で笑うように、ナマエはレノのデスクの上に視線を送るとレノとルードもそれに釣られて、そちらを向いた。見たくない、認めたくない現実なのだろうか…。レノがナマエの方に顔を向き直した。
「……あのぉ…ナマエ、さん?もしかしてですけど…手伝ってくれたり───」
「するわけなかろう。レノ、私と食事をしたいんだろう?なら、無駄口を叩く暇はないんじゃないのか?ほら、定時まで残り二時間だ。さっさとやらんと終わらんぞ?」
「だああああっ!!鬼!悪魔!鬼畜!!おい、ルード!手伝え!」
「嫌だ。」
ルードの即答にレノが発狂し始めた。
『仲間だろ!?助け合うのが仲間だろ!!』と喚いていた。その様子を見ていたツォンが、冷たい視線のままで溜め息を吐いた。
「……レノ。期限が昨日までの書類がまだ提出されていないんだが?」
「……今からやりますっ!!」
その返答にツォンは頭を押さえた。
ナマエはというと、既に処理し終えた書類の束をひとまとめにして、立ち上がりツォンの元へと運んだ。
「…頼まれていたものは全て処理し終えた。」
「ご苦労、ナマエ。」
「ナマエ様ーっ!!頼むーー!!」
後ろから聞こえてくる、悲鳴のような叫びにナマエも頭を押さえた。くるりと振り返れば、泣きそうな顔をしながらペンを握るレノがこちらを向いていた。
「……そうだな。上司様が、とても上手い食事と酒を奢ってくれるなら…手伝わんこともないな?」
「なっ…!?ナマエ!」
「ツォンさん!頼みます!オレ、ナマエとメシ食いたいです!!な!ルード!」
「お、俺を巻き込むな…!」
「さあ、どうする。ツォン。人手が増えれば、あの書類の山も定時までには片付くと思うが?」
口の端を少し上げて微笑むナマエにツォンは『…元からそのつもりで、レノを揶揄っていたな?』とナマエに問えばナマエは『さあ?私には何のことかさっぱりだな?』と綺麗な顔で微笑んだ。
「……分かった。ナマエ。レノを手伝ってやれ。」
「了解。……ツォン、約束は違えるなよ?」
「ナマエ様ー!ツォンさんー!!」
コツコツ、と革靴の音を鳴らしながらレノのデスクに近づき書類の山に手を出した。
「さあ、レノ。残りはお前がやるんだ。出来るな?」
「おうよ!任せろっ、と!」
書類の山を抱えたナマエは自分のデスクに戻り、手早く作業を始めた。レノはレノで自分がやる分が大幅に減ったことに喜び、浮かれた様子でペンを滑らせている。
「───ツォン、お前も確認作業をさっさと済ませてしまえ。」
「あ、ああ…。」
ツォンを見たナマエは、『お前が終わらんと、上手い飯も酒も飲めんだろう』と笑って言えば、また視線をデスクの上に戻して作業に取り掛かった。
フロアが静まり返る。ペンが紙を滑る音、キーボードを叩く軽快な音。不本意だが、目的は同じ。
共に食事をすること。
それが叶うかはレノ次第─────。
fin
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後書き(08.05.16)
なんとなく閃いて書きました。
夢主のナマエが何故古臭い喋り方をするのか、それもいつか書けたらいいなあ、と思っています(元々FF7原作沿いの夢小説の夢主でした)
そして公開していたつもりでした…(寝ぼけながら書いてた)
すみません…。内容はpixivにあげているものと同じです。
