短編(FFシリーズ)
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タークスを辞めて、殺されずに平々凡々と暮らしていた。なのに、ズカズカと人の領域に踏み込んでくるこの馬鹿どもを殴りたくなった。
いや、殴ったけど。
「──で?」
「いや、久しぶりにナマエに会いたいなーって、ルードと話しててだな…。」
「いや、レノが言い出したんだ。『今頃、何してるか』…とだな…。」
固い床の上に正座をさせ、木刀を構えてふたりを見下ろしている。
慣れない正座で足が痺れてきているのか、レノの身体が左右に動き始めた。
「だからと言って、タークスのスーツをそのまま着て来る馬鹿が何処にいる。スラムの人間が警戒して家に籠ってしまっただろうが。」
「だああああああっ!!!!」
明らかに痺れているであろうレノの足を木刀で軽く突けば、可愛くもない悲鳴をあげてのたうち回る。
捨て置くように一瞥し、ルードに向かい直せば視線をズラすようにされた。
「……ほう?ルード。お前もそういう態度を取るのか?」
「い、いや!ナマエ!待っ────」
───ちょん。
「ぐおおおおっ!!!」
遊ぶようにルードの足も突いてやれば、レノと同じ反応になる。……楽しいな。
「それで、本当のところはどうなんだ?どうせおおかた『私を抹殺してこい』だろう?」
私の言葉にレノとルードは悲鳴をあげていたのをやめた。
……全く、分かりやす過ぎる奴らだ。
「いつまで経っても殺しに来ないとは思っていたが、ようやっとか。……誰の指示だ?」
「「………。」」
「ふたりともだんまりか…。今更、誰に言われても驚かないさ。どうせ、プレジデントあたりだろう?」
そう面白おかしく笑って言えば、ふたりは顔を見合わせている。そして、ルードが口を開いた。
「……戻ってくれば、殺しはしない…だそうだ。」
「今更、私を欲するのか?化け物になり損なった私を。」
右目を隠していた眼帯をずらして、外気に触れさせる。
魔晄を浴びた者の瞳を。
「……オレたちは、お前を殺したくないんだよ…。」
「それはお前たちの都合だろう?そして私は死ぬ気もないし、殺される気もない。」
「……やるのか?」
「それしかないだろう?」
「───ツォンさんが、ずっとお前のことを待ってるんだぞ…。」
久しぶりに聞いた名前。
幼い私を妹として可愛がっていてくれた存在。
そして──────
私の兄を殺した張本人。
殺した理由も、殺された理由も分かっている。
分かっていて私はタークスに入った。
「レノ、ルード。帰れ。そしてツォンに伝えろ。『私は二度と神羅の犬にはならない』とな。次に来る時は全員殺す。」
「……本気か?」
「ああ、本気だとも。」
真っ直ぐにふたりを見つめて笑ってやった。
たとえ、殺されたらそれまでの人生だと割り切っている。しかし、抗わないほど弱いつもりはない。
ならば、抗い続けるだけだ。
ふたりを追い返し、静まり返る部屋にひとり立ち尽くした。
「……ツォン。どうせ死ぬならあんたの手で殺してよ…。」
そう小さな声で呟いた言葉は誰にも拾われることなく消えていった。
fin
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後書き(08.05.12)
レノ・ルード(??)夢でした。
どちらかと言うと、ツォン夢ですかね…出てきてないけど…。
実はこの話は、20年くらい前にフォレストページで書いていたFF7の原作沿い長編の一部です。ナマエに怒られて、正座させられ、痺れた足を突かれてのたうち回るふたりが可愛く書けてたなぁとなんとなく思い出したので、前後も分からない短編になりましたが…。
熱しやすく冷めやすい性格なので、完結させられませんでした…(笑)箸休め程度に読んで頂けたら幸いです。
