短編 (FF以外)
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「あれ……?瀬人?瀬人だよね?
昔の知り合いにあった。
知り合いと言っても同じ孤児院で、短い間だけの付き合い。
モクバがやたらと懐いていた女。
「モクバくんは元気にしてる?」
「ああ。」
「そっか。良かった。」
笑い、俺を見る。
その笑顔は昔のまま。
「……瀬人?」
手を伸ばし、その白い肌に触れた。青い瞳を真っ直ぐに俺に向ける。嫌な顔をひとつせずに受け入れる。
……抵抗のひとつくらいしろ、と言いたくなる。
「……貴様は、相変わらずだな。」
「そういう瀬人はすごく変わったね。」
『テレビで良く瀬人のこと観るよ』などと、暢気に笑う。
「……じゃあ、そろそろ行かなきゃ。」
「そうか。」
「忙しい瀬人をいつまでも独り占めしてたら、秘書さんに怒られちゃうもの。」
クスクス笑って、後方で待機をしている磯野を見やる。磯野は少し居心地が悪いのか、顔を背けた。
「……放っておけ。」
「あ。瀬人、ひどい。」
「次は───。」
「ん?」
『次に会えるのはいつだ』
柄にもないことを口にしそうになる。
こいつに恋愛感情はない。ないはずなのに、手離すのが惜しくなる……。
「あ。そうだ。」
カバンからメモを取り出し何かを書いて千切った。
「瀬人。これ私の電話番号とメッセージアプリのID。アプリ入れてなかったら、ショートメールでもいいから送ってね。」
「おい。」
「モクバくんにも会いたいから!連絡ちょうだいね!絶対だよ!」
そう言って車に乗り込み、見えなくなるまで俺に手を振り続けていた。
「……社長。そろそろお時間です。」
「───分かった。」
新しいアトラクション計画の会議へと向かう。
その車中。
手渡されたメモ書きに目を落とす。
『昔みたいにたくさんお話ししたいな!』と走り書きだが、綺麗な文字で書かれていた。
スマホを取り出し、番号を打ち込むが、途中で手を止めた。
いやに、あいつの顔が思い浮かぶ……。
何故、俺はあいつを手離したくないと思った……?
10年近く会わなかった。声を掛けられるまで、存在を忘れていたほどだった。
……理解できん……。
「……社長?」
「途中でモクバと合流する。」
「かしこまりました。」
モクバにあいつに会ったと伝えたらどう反応するのだろうか。
覚えているのかも定かではない。
覚えていたのならば、会うかと聞いてみるか。
覚えていなければ───ふたりだけで……。
fin.
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後書き(08.06.24)
遊戯王で海馬くん夢(夢??)でした。
海馬くんはうちの子(囚われ夢主)が生まれたきっかけのキャラです(笑)そして私が夢女子になるきっかけでもあります(笑)
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