短編(FFX)
ナマエ
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「リュックー!見つけたよー!」
「ナイス〜!ユウナん〜!」
幻光河のほとりで川底に沈んでいたスフィアを見つけた。…彼が映ってると良いな…。
「ユウナん!見てみよ!」
「…う、うん!」
リュックに急かされてスフィアを起動させた。
《ねえ、アーロン。》
《なんだ。》
《アーロンは夜の幻光河って見たことあるの?》
《ああ、10年前に来た時にな。》
「これって…おっちゃんじゃん!」
「…アーロンさん…!」
そこに映っていたのは、2年前一緒に旅をしてくれたアーロンさんだった。
…誰か女の人と話してる…?
《いいなぁ。凄く綺麗なんだよね?観てみたいなぁ…。》
《…あいつにも言ったが夜まで待たんぞ。》
《やっぱりダメかあ…。まあ、ユウナの旅が最優先だもんね。我慢我慢!》
自分の名前が出てきて、どきりとした。
この声の人は私を知っているの?
《…いつか、観れるのかな。》
《さあな。》
《そこはちょっとロマンチックに誘ってくれても良いんじゃないんですか?先輩?》
《ふ…。お前がもう少し大人になったら考えてやる。》
《アーロンさん!ナマエ!行きましょう!》
《ナマエ〜!何撮ってるの〜?》
《んー…旅の思い出?》
「あたしの声だ…。」
ナマエ……?誰だろう。知らない。……でも知っている気がする…。
《ならナマエも映んなきゃダメ〜!ほら、交代交代!》
《わっわっ…!スフィア落ちちゃう…!》
《だいじょーぶ!ほら、ナマエ!おっちゃんも一緒に映んなよ〜!》
《…いや、俺は…。》
《はいダメで〜す!映ってくださ〜い!》
映し出されたのは、深海の様な深い青の髪と晴れ渡るような空の瞳の少女だった。
少女の顔を見ると胸が締め付けられるように苦しくなる。
《もう…リュックは本当、元気いっぱいだね。》
《…やかましいくらいにな。》
《おっちゃんヒド〜!ナマエもなんか言ってやってよ〜!》
《私はリュックの賑やかなところ、大好きだよ?》
髪を耳に掛けながら、柔らかく微笑む少女。
わたしは、あたしは……この笑顔を知っている筈なのに…思い出せない。
《おーい!女子3人とおっさんー!行くッスよー!》
《はーい!ほら、ユウナ、リュック、アーロン。行こう!》
彼の声が聞こえた。
彼の声に少女は笑顔でその声に応え、笑顔で歩き始める。
そこでスフィアの再生は終わった。
「ユウナん…。」
「リュック…。」
あの戦いから2年が過ぎた。
わたし達は、あたし達は何を忘れているの…?
どうしてあの子の事を覚えていないの?
「…あの子は…?わたし、どうして何も覚えていないの?」
「あたしも思い出せないの…。あの子見てると、胸がぎゅーーって苦しくなるの…っ……なん、で…涙、出てくるの…?」
ふたりの少女が河のほとりで静かに涙を流す。
確かに一緒に旅をしていた筈の少女を思った涙。
「…探そう。リュック。」
「ユウナん…。」
「きっと、忘れちゃいけないのに忘れてるの、ヘンだよ…っ!ルールーやワッカさん、キマリにも聞きに行ってみよう!きっと何か分かるかもしれないから…!」
「…でも、みんな忘れてたら?あたしもユウナんも覚えてないんだよ?」
「…異界に行く。異界に行ってアーロンさんと話が出来たら聞いてみる…!」
「…ユウナん…!」
「だから、スフィアを探そう!まだ、きっとある筈だから!」
「うん!」
ふたりの少女は立ち上がる。新たな目的を胸に。
ひとりの少女を見つけるために。
fin.
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後書き(2025.07.05)
みんなの記憶から消えてしまったナマエを探すという新たな目的を持ったユウナとリュックのお話(夢なのか?)
ユウナはXー2では、(確か)異界に行けばティーダに会えるかもと思ってはいるけど行かないので、ナマエの情報を得る為に異界に行ってアーロンと話すという選択を取るのにどう表現しようかなって思ったけど、行くことにしました(投げやり)
いつかみんなと再会出来る話も書きたいです。
