短編(FFX)
ナマエ
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「……アーロン……?」
気が付いたらアーロンに押し倒されていた。
名前を呼べば熱い眼差しを向けられ、いつもの低い声で私の名前を呼ぶ……。その声にさえも熱が込められていて、私の耳元で何度も囁かれる。
「……っ、アーロン…!あ、や…っ!」
「……ナマエ。」
いつの間に脱いだのか…。いつもは服で隠されている厚い胸板が曝け出されていた。私の身体の上へと覆いかぶさり、服越しに感じるアーロンの身体の熱が、私の身体に移るように熱を帯びていく。
「待って、アーロン…っ…。」
「待たん。」
「あっ…!」
アーロンの手であっという間に着ていた服を剥ぎ取られてしまった。手で胸を隠そうとしても、それも許さないと言わんばかりに頭の上で一纏めにされる。
「や…!アーロン、恥ずかしい…っ!手、離して…っ。」
「何も恥ずかしがることはないだろ?……綺麗だ。」
薄く笑って、肩口に顔を埋められる。
アーロンの髭と、結えられた髪の先が首筋をくすぐる。
「んっ…!」
「……いい声で鳴くな。」
「…っ!」
「もっと聴かせてくれ。」
そう言ったアーロンは片手でベルトに手を掛ける。
金属の擦れる音が耳に届く。
「ま、待って…!アーロン…っ、私、初めて…だから…っ!」
「ああ。俺がお前の初めての男になる……。これほどまでに嬉しいことはないな…。」
「…っ!?待って…!そんなおっきいの…入らない…!」
「出来る限り優しくする……。」
「待ってって言ってるじゃないっ!!………あ、あれ……?」
手を伸ばしてアーロンを押し留めようとしたけど、そこには誰もいなくて……。
月明かりがぼんやりと入る部屋のベッドの上で、自分の身体を見たが、きっちりと服を着ている。
「へ……あ、アーロン…?え、もしかして……夢…??」
途端に夢の内容を思い出しベッドの上で、のたうちまわった。
恥ずかしい……っ!なんていう夢見てるのよ、私……っ!!しかも、めちゃくちゃ生々しい…っ…。
熱くなる頬を手で煽いで熱を取ろうとしても、全然効果はなかった。
その後、寝ようとして目を閉じても、夢の内容を思い出してしまい寝れるわけもなく、気が付けば窓から朝日が登り始めてきているのが見えた。
***
「……おはよう。」
「ナマエ、おはよう。……?顔色、あんまり良くないね?寝れなかった?」
「……ん。ちょっとだけ。大丈夫だよ。」
寝ていた部屋から出て、宿の食堂に行けばユウナがいた。クマが出ているのか、目の下に細い指でそっと撫でてきた。
「どうした?」
「……っ!!」
「あ。アーロンさん。おはようございます。」
後ろから聞こえてきた声に肩が跳ねる。
振り向けば、夢に出てきた人物が私を見下ろしている。
「ナマエの顔色が少し良くなくて…。」
「……大丈夫なのか?」
「へ、平気…!私、朝ごはん食べるから……っ。」
目が合わせられなくて慌ててそばを離れた。
……サングラス越しに目が一瞬だけあったけど、それすらも恥ずかしくてそっぽを向くようにしてしまった……。
食堂のスタッフさんから受け取ったサンドイッチを持って、隅にあるテーブルに座る。
けど、私を追いかけるように目の前に赤色が見えた。
「おい。」
「……なに?」
「“なに?”じゃない。こっちを見ろ。」
目線を合わせないように下を向きながらサンドイッチを頬張っていると『目線を合わせろ』と強い口調で言われた。
……まだ、夢の中の方が優しかっ───
「───っ!!」
私の馬鹿!!なんで思い出したのよ…っ!!
「おい、ナマエ。」
「……っ!?」
「顔が赤い。熱があるのか?」
向かいから伸ばされた手が私の頬に触れ、強制的に目線を重ねるようされる……。自分の顔が熱くなるのが嫌でも分かる。
真っ直ぐに、私を見つめる琥珀色。
逸らしたいのに、逸せない……。
「───ナマエ?」
「…っ、大丈夫だから…!………ごひほうはま…っ!」
手にしたサンドイッチを無理矢理口に入れて、空にした食器を返す為に席を立ってそのまま食堂を出た。
その日はずっとアーロンに追いかけられる日になった。
逃げても、走ってもすぐに追いつかれる。
「なんでもないってば!」
「嘘をつけ。」
「あー!もー!アーロンのばかーっ!!」
透き通った空に私の悲鳴が吸い込まれて消えていった。
fin.
おまけ。
「なあ、ナマエ。アーロンとケンカでもしてんのか?」
「してないっ!」
「じゃあなんでそんなに逃げてんだ?」
「ゔぅ……。」
「俺も知りたいんだがな?」
「もう…やだぁ…っ…!」
完
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後書き(08.06.19)
久しぶりのアーロン夢です。
夢オチなので、裏には置きません(笑)
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