短編(FFX)
ナマエ
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「あ。アーロン。」
「なんだ?」
「髪紐、解け掛けてるよ。」
「…む。」
ナマエの言葉にアーロンは取れ掛けた髪紐を取り、乱雑に髪を束ね適当に結ぼうとした。
「ちょっとちょっと。いくらなんでも雑過ぎだよ。ユウナー。ごめん、ちょっとだけ止まってー。」
自分たちより先に進むユウナたちに声を掛けて止まってもらった。
「ナマエ、そこまでせんでいい。」
「だーめっ!また解けてきたら、また雑にしてその繰り返しになるんだから。ほら、そこの岩の上に座って?このままじゃ、私届かないよ。」
“ほら、早く早く!”とナマエに手を引かれ腰掛けられる岩の上に座らされる。
「この首に巻いてるの取るよー?」
「…ああ。」
そう言うとナマエはアーロンの首に巻かれている布をすぽん、と上から取った。
“えーと…”と自分の腰のポーチを漁ってルカの街で買ったべっ甲色の櫛を取り出して、アーロンの髪に触れ梳いていく。
「………アーロンってさ、髪の毛サラサラだよね。」
「…そうか?」
「うん。父さんもサラサラだけど、私、アーロンの髪の方が好き。父さんと違う感じなんだよね。」
“子どもの頃から好きなんだよ”と妃は昔を思い出すようにクスクス笑った。
「…俺は。」
「ん?」
「俺はお前の髪の方が好きだ。」
「───へ?あ、ありがとう………?」
「…出来たか?」
「う、うん!」
綺麗に束ねられた髪に少し触れて口元をいつも隠している布を被り立ち上がった。
「行くぞ。」
「あ、うん…っ。」
歩き始めるアーロンをナマエは追いかけた。
「………また。」
「?」
「また解けたらお前が結ってくれ。」
「り、了解です…っ。」
布で表情が見えないアーロンのなんとも思ってない言葉がナマエの胸にとん、と落ちた。
「(…髪が好きって…言われると結構恥ずかしい、んだ…。)──────顔、熱いや…。」
頬を押さえるナマエの呟きは誰にも拾われる事なく風にさらわれていった。
fin.
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後書き(08.02.09)
ぱぱっと読める甘めのお話を書いてみました。
長編の時系列で例えるとミヘン街道の途中をイメージしました。
ふたり的に恋心、というよりは互いに大事な存在(まだ家族愛)だから、自然と任せられる・任せてもらえる…みたいな感じに仕上げてみました。
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