短編(FFX)
ナマエ
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
旅の途中にあった遺跡が気になったナマエは、“少し見てみたい”と仲間たちに言ってひとり遺跡を探索しようとしていたが、アーロンから単独行動は好ましくないと言われてアーロンの監視下(?)の元で遺跡内を見て回っていた時だった。
「きゃあ…っ!!」
「ナマエ!!」
ナマエが遺跡の壁に触れた瞬間、ガコンッと音を立てて凹んだその瞬間、足元の床が消えた。
落ちるナマエをアーロンが慌てて抱き寄せ守るように共に穴へと落ちていく。ナマエもアーロンと離れないようにしがみついた。
高さはそこまで深くは無いようでふたりとも無傷の状態で着地した。
「あ、アーロン…ごめん。」
「…無闇に触るな。」
「…ごめんなさい。」
注意され凹むナマエを他所にアーロンは自分たちの今の現状を確認した。
「…上には戻れん、か…。」
アーロンは自分たちが落ちてきた穴を見上げたが、綺麗さっぱりその穴は消えていた。
空間を見渡す。すると鉄製の扉と朽ちかけた木の立て札があった。アーロンはそれに近付き、何かが書かれているのに気がついた。
「掠れているな…。」
掠れている文字を読み取った。
「…ッ…ス…を…しない…と…で、れない…。?」
「なになに?何かあった?」
そこへ空間の中に他にないかと探していたナマエが近づいてきた。
アーロンの目の前にある立て札を見て首を傾げる。
「んー?……スをしないと…出れない…?なあに、これ。掠れててわかんないね…。…あ!ティーダの物真似したら出れるとか?」
「…そんな馬鹿な事があってたまるか。」
「えー?でもお兄ちゃんが持ってたマンガにこんな感じの内容のがあったよ?」
「…なに?」
ナマエの言葉にアーロンが反応した。
「なんかねー、こんな感じで部屋から出られなくなって、男の人と女の子が出る方法を探すの。」
「………それで?」
「多分、次のページでその方法が分かったと思うんだけどね、ページ捲ろうとしたらお兄ちゃんに慌てて取り上げられちゃって分からなかったの。」
「……そ、そうか。」
アーロンはナマエの話でその続きが大体予想出来た。
おおかた如何わしい本をそのまま部屋の中に雑に置いておいたのをナマエが見つけて読んだのだろう、と。
「じゃあ、物は試しで!んー…。『余裕ッス!』…ダメ…?」
「特定の人物の口癖で開いたら、それを知らん人間は全員ここで死んでるぞ。」
「う…。そっか…、それもそうだね…。看板的には──ス…って感じの文字数だよね…。四文字で、──スってなにかな?アーロン、分かる?」
「…。」
アーロンは何故だかじわりと汗をかいた。
いや、そんな馬鹿な事があってたまるか。と心の中で己にツッコミをいれた。
「うーん…サックス…?ソックス……?…ファックス…?あ、五文字だった。」
隣では、なんだろう…と唸るナマエ。
アーロンはもう一度、立て札を良く見て、掠れている部分をそっと人差し指でなぞった。
すると、掠れていたのではなく長い年月放置されていた為、その部分に埃が付着し湿気などでこびりついていただけだった。
そこにはハッキリと書かれていた四文字。
「アーロン?なんか分かっ───」
その瞬間、アーロンは立て札を太刀で粉々にした。
「ちょっ…!?あ、アーロン?!なにして…っ。」
「馬鹿馬鹿しい…っ!」
「なになにっ!なに怒ってるの…?」
ナマエはアーロンの行動に困惑していた。
アーロンはそんなことはお構い無しに、衣を片方はだけさせる。いつもの戦闘スタイルだ。
右手に太刀を持ち、鉄製の扉の前に立った。
強く握っている為に皮の手袋がぐぐっ…と軋む音がした。
「ナマエ。離れていろ。」
「え?アーロン?なにするつもり……。」
アーロンは、ナマエに距離を取らせた。
そして太刀を構え、力を込める。
「はあぁぁっ!!」
「…っ!?」
力を込め扉に叩きつける。そして仕上げと言わんばかりにいつも腰にぶら下げている酒瓶を投げつけた。
いつも以上の力を入れて。
そして起こる爆発。
「…っ、ごほっ…。アーロン…?」
煙が薄くなっていく。鉄製の扉は老朽化していた為か火力に耐えられなく、人がひとり倒れるほどの隙間が出来ていた。
「…行くぞナマエ。」
「う、うん…。てか、アーロン。こんな狭い部屋であんな技やったら最悪ふたりとも死んでたよ…。」
「……生きているからいいだろう。」
「もう…。考え無しなんだから…。でも、ありがとう。これで出れるね。」
ナマエは笑顔でアーロンの手を握る。
アーロンは少し目を見開いたが、サングラスを指先で直し扉へと向かった。
「……これに懲りたら、余り遺跡には立ち入るな。」
「なら、アーロンも一緒に…ね?」
「…苦労が絶えん…。」
「えへへ。探究心をくすぐる遺跡があるのがいけないのっ!」
扉をくぐり、遺跡を出る。
煤だらけのふたり。
アーロンは内心、あれで扉が破壊出来なかったら…と考えてしまった。
「そういえばさ、アーロン、さっき看板に触ってたけど…。なんか他に書いてあったの?その後からあんなことするし…。」
「………なにもない。」
「嘘。アーロンって嘘つく時、目逸らすんだよ。ねえ、なんて書いてあったの?」
「…お前には関係ないだろ。」
「ひっど!そんな言い方しなくても良いじゃない!」
“教えてくれないアーロンなんか知らないっ!”とナマエは膨れてずんずんと先へ歩いていく。
「(…言える訳ないだろ…。)」
そう心の中でアーロンは呟きながら仲間たちのところへと戻って行った。
が。
「ねえー!ティーダー!四文字で、最後に『ス』が付く言葉ってなにー?」
「…っ!?ナマエ…!やめんか!!」
ナマエの言葉にアーロンは慌てて走り、後ろから口を塞いだ。
この後、教えてほしいナマエと教えないアーロンの攻防戦が始まるのはまた別の話。
fin.
─────────────────────────────
後書き(08.02.08)
なんとなく思いつきで書きましたが…。
いかがでしょう…(´・ω・`)
きっと裏の方にもそのうちあげるかと…。
22/28ページ
