短編(FFX)
ナマエ
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旅の途中、突然の大雨。
ミヘン街道にある遺跡の中へ駆け込んだけど、中に入れる数人が限られていて、私たちは数人ずつに別れて雨宿りする事にした。雨に濡れた髪や服を湿り気を帯びた遺跡の中で軽く絞りながら、雨が降り続ける外を見た。
「雨、酷いね。」
「そうだな。」
「………。」
「……………。」
会話が続かない。ちらりと彼を見ると静かに降り続く雨を見ている。
元々彼はあまり話す人ではないのを知っているから苦ではない。
まあ、無理に話す必要も無いか…。
そう思った瞬間、濡れた身体が震え、思わず腕をさする。
不意に背中に温もりを感じた───驚いて振り向けばアーロンが私を抱き締めている。
「えっと、アーロン…?」
「……。」
アーロンに抱き締められた…。名前を呼んでも返事はない…。ふぅ…、とひとつ息を吐けば抱き締めている腕に少し力が入ったのを感じた。
「…ナマエ。」
「なあに?」
「………。」
また無言。だけど、私の肩に顔を埋めて頬を擦り寄せているのが、まるで甘える小さな子どもみたいでつい頬が緩んだ。
「ふふ…、アーロン。くすぐったいよ。」
笑ってそう言っても、アーロンが離れることはなかった。
「…ずっと、こうしていたいなぁ…。」
ザアザアと降りしきる雨の音が、私の呟いた言葉を掻き消すように強くなる。でも、彼には届いていた。
「───ああ。このまま…。」
息が触れそうな距離で───
そのあとの言葉は、アーロンが教えてくれた。
甘く、溶かすような口付け。アーロンの手が私の耳を塞いで何もかもを聞こえないようにして…。まるで、世界に2人だけだと錯覚してしまう。
「は、ぁ…っ。…雨が止むまで…このままでいて…。」
返事は聞こえない。でも、深くなる口付けが─────アーロンがくれた確かな答えだった。
fin.
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後書き(09.11.20)
唐突シリーズです(???)
前から雨が降った時のお話を書きたかったのですが、中々手が出せず…。ちょっと頑張ってみました。甘く出来たかな…?
