短編(FFX)
ナマエ
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「…このままスピラに居たら、今年のハロウィンは回避出来るかなぁ…。」
「ナマエ、はろうぃん…てなに?」
私の何気ない一言が気になったリュックが聞いてきた。
「ハロウィンっていうのはね、私のいた国以外が発祥の収穫祭で……まあ、とりあえず仮装して『お菓子をくれないとイタズラしちゃうぞ』って言ってお菓子を貰うお祭りだよ。」
ハロウィンの本来の説明をしようとしたけど、若干リュックの頭に『???』が浮かび始めて、分かりやすい方の説明に切り替えた。
『お菓子とイタズラ』と言う単語にリュックの緑色の瞳がキラキラし始めた。
「ナマエ!あたし、ハロウィンやりたい!」
「じゃあ、衣装買わないとね。」
「ナマエ、リュック!なんのお話してるの?」
リュックと何処で衣装を買うかと言う話をしているとユウナとルールーがやって来た。
ふたりに説明すると面白そうだと言って一緒にやる事になった。
「ルカにね!リンの親戚がやってる服屋があるんだ!そこならハロウィンの衣装にピッタリなのがあるかも!オヤジとアニキに言ってルカに飛んでもらうようにあたし、言ってくる!」
リュックはそう言うとニコニコの笑顔で走って行った。
「本当、あの子賑やかね。」
「ふふっ、そだね。」
「それがリュックの良いところ、でしょ?」
残ったメンバーで笑った。
──────
飛空艇であっという間にルカへと着いた。
男性陣はなんだなんだとなっていたけど、リュックが『お菓子いーーっぱい買ってきて!!』と言うと、アーロンが『…そういうことか』とため息をつきながら飛空艇を降りて行ったのを残りのメンバーが追いかけて行った。
「アーロンさん、ハロウィン知ってるの?」
「あー、うん。私の父がね、そういう催し物が好きでよくアーロンが巻き込まれてて…。」
実際はアーロンだけじゃなくて、家族全員、会社の社員さんたちも巻き込まれてた。双子の兄たちは上手いこと避けていたけど、私は毎回毎年だった。ゾンビナースに血塗れの花嫁…。全て父のチョイスで本気度が高過ぎた。
でもアーロンは…スーツ姿で…。
父に『なんで?』と聞いたら『だって顔怖いし?本職に見えるじゃん?』とケラケラ笑いながら答えたら本気で怒ったアーロンが父を追いかけ回して捕まった父がアーロンに背負い投げされていたのを思い出した。
ユウナとルールーに『私達も買い物に行こう』と声を掛けて飛空艇を降りた。リュックはというと先に降りてリンさんの親戚のお店に声を掛けてくると言って楽しそうにしていた。
──────
事前にリュックにお店のある場所を教えてもらっていて、3人でその場所を目指した。店先で誰かと話をしているリュックを見つけた。私たちに気付いたリュックが『こっちこっちー!』と両手を振って呼んでいる。
「ここだよー!ほらほら!入って入って!」
「わあ…!すごいね…!」
「本当…。すごい数の衣装ね。」
以前ルカで自分の服を買ったところのお店よりもたくさんの服が所狭しと飾られている。
露出過多な物からゴスロリチックな物まで、種類が豊富だ。
「じゃあ各自解散!何買ったかは飛空艇に戻ってからのお楽しみにしよーねー!」
リュックの号令で各自買い物を楽しむことになった。ユウナもルールーも楽しそうに服を見始めた。…私も自分が着るのを選びましょうか。
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「ナマエ、わたし先に戻るね。」
「あ、うん!分かったよ!」
リュック、ルールー、ユウナは先に飛空艇に帰って行った。……本当に色々あって見るだけでも楽しい…。だけど早く選ばないと…。
「あ…。これ、可愛い。これにしよ!」
自分の中でピンと来た物を取って会計を済ませた。その時に『この服に似合うから良かったら合わせてみて。プレゼントよ。』と何かが入った紙袋を渡された。ありがとうとお店の人にお礼をして飛空艇へと足早に戻った。
自分の部屋へと戻り、買った服へと着替える。
手渡された紙袋を開けると中には──────
「…猫耳と鈴の付いたチョーカー、ニーハイと…しっぽの飾り…?」
私が買った衣装は一度着てみたかったメイド服っぽい物だった…。……猫耳メイド…。
……とりあえず、全部付けてみた…。しっぽは付け方が分からなかったので、腰のリボンに絡ませて付けてみる。まあまあ、それっぽく見える…。
「んで…。見られないように、シーツを被って…と。」
部屋に置いてあった予備のシーツを頭から被って部屋を出た。『着替えたらあたしの部屋に集合!見せ合いっこしたらお菓子貰いに行こう!』と一番先に飛空艇に戻っていくリュックが言っていたのでリュックの部屋を目指した。
「リュックー。開けても良いー?」
「いいよー!入って来てー!」
リュックの部屋を訪ねて中に入るとユウナとルールーも来ていた。
「わっ!みんな可愛い!似合ってるよー!」
ルールーは黒いドレスで胸元が思いっきり空いてる。それに黒の帽子。黒魔道士らしく魔女にしたみたいで、ユウナは全身白の布に巻かれている。ミイラなんだけど、チラチラとお腹と太ももが見えててちょっとえっちな感じなんだけど可愛い。
リュックは小悪魔がモチーフなのかな、背中に黒い小さな羽が付いている服で、ミニのスカートを履いている。角のカチューシャにスパンコールが付いていて可愛い。
「ねえねえ!ナマエのも見せてよ!」
「う、うん…。」
頭から被っていたシーツを取るとため息を吐かれた。
「え…。どこか、変…だった?」
「…ナマエ、すごく可愛い…!」
「いつものナマエと違うから、見たらきっと驚くと思うわ。」
「猫耳〜!ナマエ、ちょー似合ってる!可愛いー!」
良かった…変なとこ無くて…。なんて考えていたらリュックが『早速お菓子貰いに行くぞー!』と部屋を飛び出して行った。ルールーとユウナは?と聞くとワッカとティーダに衣装を見せに行くそうでそれぞれの部屋に向かっていった。
「……私も、見せに行こうかな…。」
お菓子を用意してくれているであろう赤い服の彼がいる部屋へと向かった。
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「(……来たは良いけど…、緊張…する…。)」
部屋の前まで来たものの中々扉をノック出来ないでいた。
「………やっぱり、戻ろう…。」
そうぽつりと言った時、目の前の扉が開いた。
「───へ、あ、…アーロン…。」
「………………。」
無言で見つめられた。……いや、ちょっとだけ怖い…。せめて何か言って欲しい…。
……あ、違う。これ、待ってくれてるんだ…。
「あ…えっと…。と、トリックオアトリート…っ。……お菓子をくれないと、イタズラしちゃ、うぞ……っ…。」
「………ふむ。」
『ふむ』ってなにっ!?…自分で言っておいてなんだけど物凄く恥ずかしいのに…っ!
……そう思っていると、アーロンはテーブルの上にあるカゴを手に取って私の前に来た。
カゴの中には、たくさんのお菓子…。
あ、お菓子用意してくれたんだ。
そう思って両手を差し出したけど、お菓子はひとつも手の上には乗らずに、カゴごと部屋の外へと置かれた。
「………え────?」
考える余裕もなくアーロンに手を掴まれ部屋の中に入れられた。……何故か扉の鍵を掛けられて…。
「あ、あのぉ……。アーロン、さん?」
「悪いな。菓子は無い。」
「いやいやいや、今カゴ一杯にありましたよね???」
「無い。だから、お前から悪戯を受けるしか無いな。」
嵌められた。その言葉が一番しっくりくる。
慌てて部屋を出ようと鍵と扉に手を掛けるけど、それを許すはずもなくアーロンに後ろから抱き締められた。
「──っ…!!」
「菓子を貰えなければ悪戯をするんだろ?……さて、この子猫からどんな悪戯をされることやら…、楽しみだな?」
クスクスと笑う赤い人は、顎を持ち上げてどんなお菓子よりも甘い口付けを私の唇に落としてきた。
「…もう、ハロウィンなんかキライ…っ。」
「そうか?俺は好きだがな?」
チリン…と楽しそうに首の鈴を鳴らすこの人には一生勝てない気がする…。
happy.Halloween!!
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後書き(07.10.31)
アーロン夢でハロウィンネタ。
甘ーいのを目指した結果よく分からないものが出来あがりました…。……甘い…?(聞くな)
