短編(FFX)
ナマエ
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「…お腹すいたあ〜…。」
「ハラ減ったッス…。」
「ふたりとも…。さっき食堂でご飯食べてなかった…?」
リュックとティーダ。つい2時間前にご飯を一緒に飛空艇の食堂で食べていた筈なのに、お腹が空いたと子どもの様に駄々を捏ねている。
「食ったけど足りねぇよー…。」
「こう…もっとガツン!と来るの食べたい〜。みんなと一緒に食べたら美味しい〜っ!てやつ!」
「…みんなで食べたら美味しい…。あ。」
「「なになに!?なんかあるの!?」」
ティーダとリュックに食い気味に迫られた…。
若干怖いって思ったのは内緒…。
「材料さえ、似たものがあればなんだけど。私の世界の料理…食べてみる?」
「「ナマエの世界の料理!?食べたい!!」」
「じ、じゃあ、作ろうか…。まずは材料とか調味料確保しなきゃだから…。リンさんの所に行ってみよ?」
「「おおー!!」」
……リュックとティーダに何故か担がれながらリンさんの所まですごいスピードで向かった。
途中でユウナと会って事情を説明するとユウナも一緒に行く事になった。
「リンさん、こんにちは。」
「おや、皆様。お揃いで。今日はどの様なご用件で?」
「私の世界の料理を作る事になって…。それで調味料とか材料が欲しくて…。」
「なるほど、それは興味深い。調味料ならこちらに。食材はあちらにありますよ。」
「ありがとうございます!」
リンさんにお礼を行って並べてある調味料や食材を見てみる。…似た様な野菜はあるけど必ずしも同じような調理方法にして良いものか……、と悩んでいると良いタイミングで通りがかった人物を捕まえた。
「アーロン!」
「なんだ?」
「ちょっと来て!」
アーロンの手を引っ張って商品が並んでる棚の前に連れてきた。
「何をしている?」
「リュックとティーダがお腹すいたって言うから、じゃあ私の世界の料理食べてみる?って話になってね。材料と調味料を買いに来たんだけど、同じなのか代用出来るのか分からなくて…。ちょうどアーロンが通りがかったから、聞きたくて!」
「…なるほど、そういう事か。何を作るんだ?」
「カレーを作ろうかなって思ってるの。リュックがガツンとしたものが食べたいって言ったから。」
「カレーか…。なら、スパイスはこの辺りだろうな。」
アーロンはそういうとぽいぽい…と私の手にスパイスを手渡してくる。どちらの世界にもいた彼だからとても助かる。
「あと、食材なんだけど、同じような物はあるけど、調理方法って一緒で大丈夫かな?」
「いや。これとこれはじゃが芋と人参と同じで大丈夫だが、この玉ねぎみたいなやつは加熱すると辛味が強くなる。基本は生食だ。代用するなら…これだ。肉は…これなんかは食感が鶏肉に近いな。」
「おお…。さすが伝説のガード様…。良く作ってたの?」
「それもあるが、俺は元々寺院に仕えていた僧兵だからな。料理は当番制だったから嫌でも料理はしていた。」
いつの間にか、ユウナとティーダ、リュックも一緒に聞いていたみたいで『へぇ〜』と感心していた。
「ナマエはともかく。ユウナとリュックは料理のひとつやふたつくらい出来んと嫁の貰い手がつかんぞ?」
「なにを〜っ!?あたしだって料理くらい出来るし!……ゆで卵とか…。」
「が、頑張ります…っ。」
ふたりを見てにやりと笑ったアーロンは大袈裟にやれやれと首を振っていた。
「ナマエ。主食は米か?パンのような物にするのか?」
「出来ればご飯が良いかな。食べ盛りの息子と娘がいるから…。」
「「誰が息子/娘がだぁ〜っ!」」
ふたりを揶揄って、アーロンにご飯の代わりになる物を教えて貰った。
欲しかった物はアーロンのお陰で無事に買えた。
さすがに大量に買ったので、ティーダたち3人が先に買った物を運んで行ってくれた。
「ナマエ。」
「ん?どうしたの、アーロン。」
「…出来たらで良い。ひとつ、作って貰いたい物がある。」
「私が作れるのだったら大丈夫だけど…。」
そう言ってアーロンが食べたいと言った物を聞いて、また一緒に食材と調味料を買い足した。
***
「ナマエ、おっそーい!」
「ごめんごめん!ちょっと追加で欲しい物あったから。じゃあ、早速作っていくよー!」
買った野菜たちを取り出しているとユウナが『何か手伝う?』と聞いてくれた。嬉しかったけど断った。
「…嬉しいんだけど、ごめん…。私、料理作り始めると優しくしてあげられなくて…。だから、見てるのも料理覚えるコツになるから。」
「うん、分かった!見て覚える!」
同年代組は大人しく見守って事にしたようだったので助かる。
「今から作るのか?」
「うん。アーロンも見てる?」
「…いや、出来上がるのを楽しみにしておこう。」
アーロンはそういうと少し離れた所でさっき買っていたお酒を飲み始めた。
「あんまり飲みすぎないでねー?……さて、と。作りますか…!」
***
「……………。」
「「「……………。」」」
「…ナマエ、喋んないね。」
「…だな。」
「おい。」
ナマエを見守る同年代組がコソコソと話しているとそれを聞いていたアーロンが声を掛けた。
「なんだよ、アーロン。」
「静かに見ていろ。料理中のあいつに話しかけない方が身の為だぞ。」
「な、なんでさ?」
「…昔、ナマエが調理をしている時に何を思ったかこいつの父親が抱きついてな…。一切の手加減無しで頭突きを喰らわしていた。それが綺麗に顎に入ってな…暫く気絶していた。…何が起きるか分からん。出来上がるまで放っておけ。」
命が欲しくば大人しく観ているだけにしろ、と忠告を受けた3人は頷いて静かに見つめていた。
***
「…………出来たー!!」
どうせなら、と大きいお鍋を借りて飛空艇に乗っている全員が食べれるくらいの量を作った。
炊き出しのようで途中から楽しくなっていた。
お米も…うん、良い硬さに炊けた。
「むっちゃ良い匂い〜!」
「ナマエ!早く食べたいッス!」
「わたしもお腹空いてきちゃった…!」
目の前にお腹を空かせた仲間に『お皿持ってきてー!』と声を掛けると、ワッカとルールー、キマリにリンさんが食堂に入ってきた。
「なんだなんだぁ?すげぇ美味そうな匂いがすんぞ?」
「ナマエが料理したの?」
「とても旨そうな匂いがする。」
「これはこれは…。なんとも食欲を唆る香りですね。」
「あ!みんな!ね、お腹空いてたら食べて!私の世界の料理作ったの!」
そういうとみんな食べると言ってくれたので、お皿を取り出して盛り付けて渡していく。
「アーロンも食べようよ!」
「ああ。貰おう。」
アーロンの分を盛り付けていると、お次はシドさんとアニキさん、ダチさんがやって来た。
3人にも聞くと食べると言ってくれたので一緒に食べる事にした。
「みんな、行き渡ったかな?じゃあ…」
「「「いただきます!!」」」
みんながひとくち、カレーをスプーンで掬い口へと運んだ…。
………誰も何も言わない…。味見していつも作ってる味には近かったから、大丈夫だと思ったんだけど……。やっぱりこっちの世界だと受け付けられない味付けだったかな…。
「ご、ごめん…美味しくなか────」
「「うまあぁぁぁっ!!」」
男性陣が興奮気味に叫んだ。特にティーダとワッカ。
「なんだこれ!?めっちゃくちゃウマいぞ!!」
「ナマエの世界ってこんなに旨いもんがあんのか!?狡いぞ!」
すごい勢いで食べてる…。喉、詰まらせないか心配してたら案の定詰まらせてた。
「「ナマエ!おかわり!」」
「わ、わかったから…!まだあるからゆっくり落ち着いて食べて!」
空になったお皿を持って足早にくるふたりを宥めた。
まるで男子高校生みたい。
ふと、アーロンを見るとお皿が空になっていた。
「アーロン、まだ食べる?」
「いや、これで充分だ。……ナマエ。」
「…うん、今、持ってくるから…。ちょっと待ってて…。」
ティーダたちには聞こえない様にコッソリと返事をしてキッチンに戻って、カレーとは違うお鍋の中身を取り出して盛り付ける。あと、氷魔法で冷やしていたボウルの中身を掬ってよそい、小皿に味がお醤油に近い調味料を入れアーロンの所に運んだ。
…よしよし、ティーダたちには気付かれてないね…。
「はい、リクエストの肉じゃが。あと、これはお酒のお供に。」
「これは…なめろうか?」
「うん、さすがにお味噌は無いし代用出来そうなのも無かったから、加熱したら辛くなるお野菜を多めに入れてみたの。」
お箸でひとくち、お醤油をつけて食べた…。
「旨いな。魚の臭みもないし辛味もちょうど良い。……お前は本当に料理が上手いな。」
「本当?美味しく出来て良かった。」
「お前の将来の旦那が羨ましいな…。」
「えっ……。」
アーロンの言葉に顔が赤くなった…。
「あ!アーロンがなんか美味そうなの食ってる!ズルいッス!」
「おっちゃんずるい〜!ナマエ〜!あたしも食べたい〜!」
「あ、アーロンが良いって言ったらね!」
「ふん…。お前らにはやらん。」
意地悪を言うアーロンにティーダとリュックが騒いでいる。
「また今度、違うの作ってあげるから、ね?」
『約束だよ!』とリュックが膨れる。
…次は何を作ろうか…。
…次は、来るのだろうか…。ううん、『次』を作らなきゃ、だよね。
fin
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後書き(07.09.27)(08.02.02加筆)
自分がカレー食べたくて書きました。
すみません_(:3 」∠)_
皆さんはカレーにちょっと変わった食材は入れますか?
我が家はカレーにたけのこを入れます。
母がそれで作っていたので、それが我が家ではデフォルトです。良ければお試しあれ。
