短編(FFX)
ナマエ
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「…アーロン?」
春。淡い桜の花びらが舞い散る木の下で読みかけの本を膝に置き、瞼を閉じる黒髪の隻眼の人の名前を呼んでみた。けれども返事は返ってこない。
「…珍しい。アーロンが外でうたた寝するなんて…。……まぁ、今日は暖かいもんね。」
そよぐ風と春を告げる鳥の囀り…。
眠たくもなるのも分かる。
「アーロン…?」
「…ん…。」
ぷにぷにと頬をつついてみると少し反応があったけど目覚める様子は無い…。
……ほんの出来心だった。
屈んで彼の唇に軽く口付けた…。
「───……っ。」
意外と柔らかい唇に驚いたのと、自分がした事に恥ずかしさが込み上げてその場から逃げるように立ち去った。
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「………っ。」
ナマエが立ち去った後、片手で顔を隠した…。
…俺は今、ナマエに口付け、されたのか…?
柔らかかったな…。それに、甘くて…いい匂いがした…。
「アーロン、顔真っ赤ー。」
「うわあぁっ!!あ、碧人!?いつからそこにっ…!?」
「んー?キミが狸寝入りしてナマエを脅かそうとしてた時から?」
「ずっとじゃないか!!……いるなら声を掛けてくれ…。」
桜の花びらを散らす木の上から、この家の主の碧人がにやにやしながら話しかけて来た…。
……見られていたのか…全部…。
「声掛けようとしたんだけどさ…。すっごい甘い雰囲気だったから。」
「だからと言って自分の娘の、く…口付けを…盗み見る様な真似を…っ…。」
「キミだって『このまま狸寝入りしてたらどうなるかな?』とか考えてただろ?」
「……うっ……。」
…考えていない訳じゃなかった。下心は確かにあったが…。
するりと木の上から降りて来た碧人に頭を撫でられた。その顔を見上げればただただ笑顔だった。
「僕はキミとナマエが幸せならそれでいい。だけど、ナマエはまだ中学生だからね。あの子を傷付ける事は許さないよ。じゃ、頑張ってね。」
ひらひらと手を振り室内へと入っていく背を見送った。
この胸を締め付ける淡い想いは口に出しても良いのだろうか…。
あどけない少女を己の腕の中に閉じ込めたいという歪んだ愛を…。
「……ナマエ…。」
少女の唇が触れた己の唇にそっと指を滑らせた。
fin
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後書き(07.09.20)
若ロr……若ロン夢でした。
甘酸っぱい…?(聞くんじゃ無い)
