18.紅い髪の神父
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命を狩るか狩られるかの極限の中、突如現れた見知らぬ人物に、チャオジーは傍らにいたリナリーと咲耶に問うた。
「あの、だれっスか……?」
「クロス……元帥」
「どうして、ここに……」
数年ぶりに見た、あまりにも意外な人物の登場にそう呟くほかなく。状況的に救世主と思っていいのだろうか。
紅髪の神父基アレンが師、クロス・マリアンは気だるげに頭をかきながら地上に降りた。
「し、師匠……」
無遠慮に地面に落としたアレンにクロスが焦点をずらし、ふと彼の傍らにある大型の剣を見た。
「やっとまともな発動ができるようになったみたいだな、ホラ」
「へ? あ、はい、すみませ……、ん?」
彼の普段の言動からそれが罠だと察せなかった自分が情けない。彼から出された手はアレンの手をとることはなく、ぼろぼろになった団服を荒っぽく掴み、そのまま空中に投げ飛ばした。無常にも戦いで酷使されたアレンの体はリナリー達の元へと計算されたように叩きつけられた。
「汚ねぇんだよ馬鹿弟子が。オラ貴様もあっちいけ、美しいもんがそばにおいてやるが、汚ねぇのは(女以外)オレに近付くな」
「酷い言われようさ……」
たまたま近くにいたラビにまで火の粉が飛んだ。退散とばかりに皆のいる場所に避難する。
空気が痺れるような黒い殺気をまき散らしながら、クロスの元に降り立った翼を持つ魔物。少し珍しい動物でも見るように、クロスは動揺することもなく。
「正気を失ってるなお前。ノアにのまれたか……。一族の名が泣くぜ?」
クロスの言霊に呼応するよう、゙聖母ノ柩゙の音をたてて開き、そこから女性の姿をした人形が現れ、それが高らかに歌い出す。ラビが耳をすました。
「これ、讃美歌?」
「゙聖母ノ加護゙だ」
攻撃名なのだろう、アレンが答える。ティキの様子が明らかに変わった。回りを落ち着きなく見渡している。咲耶が眉をひそめた。
「あの人、様子が……」
「もしかして、ティキにオレらが見えてねぇのか?」
敵の脳から視覚に幻術をかける技だと、アレンが語った。つまり敵の視界から除外され、意図的に守られているということ。続いてリナリーがアレンに問う。
「あの人形が対アクマ武器なの?」
「……あれは人形じゃなく人の屍ですよ」
聞き違いであってほしい。思わず咲耶とラビが目を見開いた。
「今なんて」
「おいっ、それって禁術じゃ!」
「師匠は魔術で寄生型イノセンスの女性の屍を異例に所持してるんです。マリアは師匠の命令だけをきく」
クロスが懐から光る拳銃を取り出し、向かい来るティキにそれの焦点を当てて、トリガーを引いた。
――装備型対アクマ武器 ゙断罪者゙
異例も異例。二つの対アクマ武器の適合者である紅い神父は、獲物を逃がさんとニヒルに笑むのであった。
2026/04/14.
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