17.快楽の異変
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「なにやってんですかこの変態!!」
反射的に咲耶はラビの上から飛び退いた。
頭上から鬼神、もといアレンの拳がラビの顔面に撃ち込まれ、「ぐぇっ」と蛙の潰れたような声が兎の口から吐き出る。
「ざっけんな!! 今のは俺のせいじゃねぇだろ!」
「死のうとしたこともひっくるめてですよ!!」
アレンは下唇を噛んだ。あの時、ラビが自我を取り戻さなければ、自分は恐らく死んでいたかもしれない。
彼が命をかけて戦い抜いたその精神に、救われたのだ。神は、半身にも似た使途達を愛ですぎて、時折世界からいたずらに連れ去ろうとする。
地面に転がるラビの乱れた呼吸音の間から、ころりと小さな笑い声が零れてきた。
「……は……ははっ、生きてら……」
遠く虚空に視点をゆだねて、彼は呟いた。思わずアレンが強めに問う。
「なんか文句あるんですか」
「ムチャすんなぁアレンは」
「そのセリフのし付けて返してやるバカラビッ」
いつもの軽い声色で、また一つラビが笑った。ぼろぼろになった団服。傷だらけの身体。心だけが、透明だった
「気づいたら火ぃつけてた……なんでか必要なことだったって思うし、今はすこし気分がいい……」
濃いアイメイクを施された師の目が、鋭くなるのを想像する。この場にいれば、きっと怒鳴りつけられていただろう。
それでも後悔はないと、はっきり言いきれる。
ロードの結界から開放されたリナリーとチャオジーが三人の無事を目にしたのは、それからすぐのこと。ラビの姿を見るや否や、仲間の身を誰よりも案じていたリナリーが安堵の涙を流しながら、愛の鉄拳をくらわせた。
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