重要人物設定


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【ダグラス・ワードナー】

年齢:44歳(享年)
種族:人間
背:172cm
1人称:『俺』
「オマエ、アイツ」

好き:酒
嫌い:オルディシオ フェルナンド王国
得意:剣
苦手:地図を読むこと(極度の方向音痴)
通称:【ダグラス】
髪色:黒髪短髪


かつては剣神と呼ばれた凄腕の剣士
クロイツの剣の師匠(実際は師弟というような間柄ではなかった)
クロイツの事は小僧と呼ぶ
(当時クロイツは9歳)

両親を奪われ憎しみだらけだったクロイツの心境を変えるきっかけとなった人物。



『憎しみで心が溢れても
失わずにいられたお前の優しさがあれば別の道を選ぶ事だって出来るんじゃねえかと俺は思ってる

お前なら…きっと』



これ以降はクロイツの設定とイアンネタバレ設定を見てから見る事をおすすめします。

クロイツ【猫族?】

仮面の組織隊長


【イアンとダグラス】


元ルトリア国近衛兵団団長でイアン(ルトリア国国王であり現仮面の組織団長でありクロイツの父を殺した男)の幼馴染

ワードナー家は代々ルトリアに仕える剣士の家系でそれ故ダグラスも幼き頃からイアンの護衛を務める

とはいっても関係性は対等で
イアンが国王になったあとも表面上は主君と家来だが二人になれば変わらず対等の立ち位置
(イアンの妻のハンナとも対等)

ダグラスはイアンがレンを救ったときにもそばにおり、レンとも交友関係が深く レンを弟の様に可愛がっていて彼に何度か剣の稽古を付けた事もある
のちに人間大陸が死者達の巣窟となった際に心を壊し復讐に身をもやすイアンをなんとか止めようとしていたが、イアンの憎しみは止まらずついにはレンを殺してしまった事により彼の元を去る 以降さすらい人と化す


【ダグラスとクロイツ】

亜人の奴隷の街オルディシオにてクロイツが9歳時に二人は出会います。

世界観
↑↑オルディシオがなんなのかは世界観設定参照してください。

亜人の奴隷の街オルディシオにてクロイツが9 歳時に二人は出会います。
母が居るかもしれないとオルディシオの街に潜入したクロイツと、とある探し人を求めてオルディシオに潜入したダグラス。
オルディシオの街に潜入するまでは良かったのですが、方向音痴であるダグラスは街の中で迷子に。

そんな中たまたまクロイツに出会います。
クロイツを一目見て驚愕するダグラス。
かつて親交がありとても可愛がっていただけでなく、親友であるイアンにその命を奪われてしまったレンと似たクロイツの姿。
そしてその左目の下にはオラン国王(レンの父)と同じ封印の紋章である黒星。

間違いない…こいつはレンの息子だ。

しかし、イアンはこいつも殺したと言っていた…、
なのになぜ今こいつがここに居る?
かろうじて生き延びたのか?

と困惑するダグラス。
そんなダグラスに怪訝な目を向けつつもすぐさまその場を去ってしまうクロイツ。

慌てて追いかけるも子供が通れるような狭い通路を行ってしまった為追う事も出来ず、またも困惑します。

一体これはどういう状況だ
なぜレンの息子がここに居るのか・・

ただひたすらにダグラスは困惑します。
なによりひときわダグラスが困惑したのはクロイツの目から滲み出す尋常ではない殺気と憎悪でした。

あれが本当に子供なのか?

と、クロイツからあふれ出す激しい憎悪に
かつての親友イアンを思い出します。

イアンと同じ目をしていた。

その事からクロイツをとても放ってはおけず
クロイツを探すことに致します。

そうしてようやくクロイツを見つけ出し声をかけようとしますが、何かを鋭い目つきで見つめているクロイツの姿に気付きます。

一体何を?とその目線の先を見ればそこには見るに堪えない暴力を受けている多くの亜人の奴隷の姿が。なんてひどいありさまだと目をそむけるダグラス。

しかしそんな中クロイツは動き出します。
オルディシオの兵に向けてなにやら手をかざすクロイツ
その姿に瞬時にダグラスはクロイツが魔法を放とうとしていると悟ります。
そうして慌ててクロイツをかつぎあげるとその場を勢いよく去るダグラス。
クロイツは必死に抵抗して暴れますが、それを抑え込みその場を去り人気のない
建物の中に入る事に成功。

そしてその勢いのままその建物奥の壁に
クロイツを投げつけました。

『何をするんだ!!』
『お前は今自分が何をしようとしたのか分かってんのかっ!!』

抗議の声をあげるクロイツの声をさえぎるように更に大きな声で叫ぶダグラス。

そのダグラスの気迫に思わず声を失うクロイツにダグラスは尚も続けます。

『いいかッ!お前はあの奴隷たちを助けようとしたのかもしれねえっ!でもなっそれが更にあいつらを苦しめる事になるんだぞ!!あの場で騒ぎなんか起こしてみろっ!
他の兵がすぐにやってきてあいつらはすぐに捕らえられちまうっ!
そうしたらもっとひどい目に合わされるんだッ
いや、ヘタしたら全員殺されるかもしれねえっ…
状況の判断もまともに出来ねえ奴が、感情だけで身勝手に動いてんじゃねえぞッ!!!』
『…ッ!!』

そのダグラスの言葉に青ざめ俯くクロイツ。
その様子にハッとするダグラス。

『!……悪い、つい声を荒げちまった。
まだガキのお前にそんな判断なんて…っ』

『……いや、アンタの言う通りだ。
俺の行動は明らかに感情で突っ走った物で完全に間違ってた。
あのまま行動していたらたくさんの被害者出していた。…とめてくれてありがとう』

そのクロイツの言葉にこれが本当に子供なのかとまたも驚く。
一体こいつは今までどんな生活をしてきたんだと。

しかしそれとは別にどこか年相応に落ち込んだように俯く姿も見せるクロイツ。
そんなクロイツの姿にどこか少しほっとし言葉を続けます

『…お前の行動のすべてが間違っている訳じゃねえんだ。
誰かを助けたいって思う事はけして間違っちゃいねえ。
…ただ、時と場合と状況をちゃんと見極めねえとその思いは無駄になっちまう。』

そう言いつつクロイツの頭をそっと撫でます。
されるがままに頭を撫でられるクロイツ。

『俺の名前はダグラスってんだ。お前…名前は?』
『…クロイツ』
『そうかクロイツ…お前はなんでここにいるんだ?』

その言葉に母を探しに来たことと
自身の生い立ちについて語るクロイツ。

その内容にダグラスは胸を痛めます。
自分がイアンを止めていられればこの子にこんな思いはさせずに済んだだろうに…。


『そうか…、しかしこの街はあらかた見たが、お前の母さんらしき人物は見かけなかったぞ。』
『…ああ俺も見つけられなかった。』

その落ち込んだ様子に胸を痛めつつもそういえばクロイツはこの街をどうやって探索していたのかと疑問をもちます。
あちこちに兵はおり、とても子供が動き回れるような街ではない。

そんなダグラスの疑問に、自分には瞬間記憶能力があり地図をすべて覚えて抜け道を使って探索してたと説明するクロイツ。

そのクロイツの説明に驚きそしてダグラスは歓喜します。

『なら俺の探し人の救出を
手伝ってくれねえか?』

ダグラスはとある街の町長の息子(3歳)の救出にてこの街に潜入しておりました。

その町長はとても極悪非道で自身の息子がオルディシオの売人に攫われた際にその場に居合わせた町民が息子を守れなかったとしてその罪を死をもって償わせるという横暴を働こうとしておりました。

その町民をダグラスは助けようとしたのですが人質に町民が既に捕まっており、下手に手をだし町民に何かあったらという事で自身が息子救出に出向くとかって出ました。

その話の流れでオルディシオの街に潜入していたダグラス。
クロイツが抜け道を熟知しているならなんとか息子を助け出せるかもしれないという事で手伝ってほしいとお願いします。
了承するクロイツ。

こうしてクロイツの手伝いもあって無事町長の息子(メル)救出に成功しなんとかオルディシオの街から無事脱出致しました。

そんな中、なんと脱出後すぐ運悪くも強大な魔獣に出くわしてしまう三人。

魔獣はダグラスには目もくれずクロイツへと向かいます。
その事に慌てて剣を抜くも同じく剣を抜いたクロイツが魔獣に攻撃を繰り出します。

その剣さばきに驚愕するダグラス。
幼さゆえにまだ色々と甘いところはあれどとても子供の物とは思えないその剣さばきにクロイツに剣の才能を感じ取ります。

そうしてあっけに取られていると今度はダグラスの方へと魔獣が向かってきた為すぐさま剣で攻撃を繰り出すダグラス。
その素晴らしい剣さばきに今度はクロイツが驚愕します。

そうして自分に剣を教えてほしいと
頼み込むクロイツ。

『……まだ小僧のお前に果たして俺の剣術が使いこなせるかな?』

ちょっとおどけつつもクロイツの願いをダグラスは了承します。
それがよほど嬉しかったのか、ダグラスに初めて笑顔を見せるクロイツ。
その子供らしいクロイツの笑顔にかつて自分が可愛がっていた幼きレンの姿を重ね合わせます。

そうして三人でメルの住む街へとクロイツに
少しずつ剣術を教えながら向かう事に。

しかしその間もクロイツの目に宿る殺意と憎悪は消える事はなくその様子にメルは怯えてしまいます。

しかしどんなに憎悪を消せずにいてもメルには優しくしてくれるクロイツ。
そんなクロイツにメルは少しづつ慣れていき懐いていきます。

その姿とオルディシオの街で奴隷達を救おうとした行動を思い出し、憎しみに心を完全に
蝕まれてしまったかつての親友イアンとは違うものをクロイツに感じるダグラスでした。

そんな風に過ごす事数日、メルの居た街へと無事メルを送り届ける事に成功し捕らえられていた町民は無事釈放されました。
町民はとても感謝しており是非うちへ泊まっていってほしいとお礼がしたいとダグラスに願います。

その言葉に有難く申し入れを受け入れ、一晩町民の家にクロイツと二人泊めてもらう事に。

しかし、その晩事件がおきました。
大きな悲鳴と何かの焼ける匂いに慌てて目を覚ますダグラスとクロイツ。

窓から外をみれば街は一面火の海に。

その光景に驚き家から飛び出すが、あまりの火のすさまじさに村の外へと非難するクロイツとダグラス。


『ダグラス・ワードナーっっ!!!』

そんな中突如ダグラスの名を叫ぶ声。
振り返ればそこには一人の女性が。
その姿にダグラスは驚愕します。

『……メオラッ!』
『憎らしい…焼け死ねば良かったものを…っ!』
『待ってくれ!!
君が…君がこれをやったのか?』
『そうよ!私よっ私がすべてやったわ!』
『なんて事を……っ!』
『いい人ぶってんじゃないわよっ!!!私からあの人を奪っておきながらっ……
絶対に許さないっ!
その為なら誰が犠牲になろうが
構わないっ!!
殺してやる…っ殺してやるッ!!!』
『メオラ……君はそこまで…っ』

二人の壮絶なやりとりに言葉を発することができずにただただ交互にクロイツはただ二人を見つめます。

そんな中メオラが動き出します。持っていたナイフでダグラスに切りかかったのです。

その様子にとっさにダグラスを守ろうとするクロイツ。

しかし、容赦なくメオラはクロイツにナイフを向けます。

『邪魔をするなっ!!!!』

メオラの容赦のない攻撃に急いでクロイツをかばうダグラス。

そうしてメオラに背を向け、体を倒した状態で
クロイツをかばったダグラスはメオラの
ナイフを背中から受けてしまいます。

『ダグラスッ!!』

その後も何度もメオラのナイフをダグラスは背中に受け続けます。
その様子に慌てて動こうとするクロイツを必死に力づくでダグラスは止めます。

『ダグラスッ!なんで!!?』

ダグラスの実力ならすぐに体制を整えていくらでも反撃が行える。
しかしなぜかそれを行おうとしないダグラスに困惑するクロイツ。

そうしてついにはクロイツの上に倒れこみます。

『やった…!!ついに私やったよ……
あなたのカタキをとれたよ…っ!』

そう言いながら涙を流しながらその場を去ってしまうメオラ。

その様子にようやくクロイツを
ダグラスは離します。
慌ててダグラスの下から這い出てダグラスの体の血をなんとかとめようとするクロイツ。

『ダグラスッ…なんで…なんでだよッ!』

訳が分からず涙をただひたすら流すクロイツにダグラスは語ります。


『クロイツ…俺はな、あの子の婚約者を
この手で殺しちまったんだ』
『……っ!?』
『殺したくなんてなかった…
殺す気なんかなかった…、それでもあの子にとって俺はカタキでしかない。』
『……』
『いつか諦めてくれると思ってたんだ…。
話し合おうとしても耳を傾けてはくれなくて…
だからせめて逃げていればいつか…。
でもあの子はどこまでも追いかけてきた。
俺があの子から逃げれば逃げるほどあの子の憎悪はどんどん膨らんでいって…っ
あの手を汚したくなんかなかったのに…
俺のせいであの子はこんな事を…っ!』

そう言い涙を流すダグラス。

俺は知っていたはずなのにっ
憎悪にむしばまれたその先を…
イアンがレンを殺した結末を俺は知っていたはずなのに…っ

『もっと早くこうなるべきだったんだ…。
メオラはもう戻れなかった…
俺が間違ってた…
俺がもっと早く気づけてれば…っ』
『ダグラス…』
『でもな、クロイツ…
お前には違う道を歩んでほしいんだ』
『……っ!』
『お前に初めて会った時、お前の目を見て思ったよ…、
俺の親友やメオラと同じ目をしてるって…でもお前は違った。
クロイツ…俺はな、憎しみで心が溢れても失わずにいられたお前の優しさがあれば別の道を選ぶ事だって出来るんじゃねえかとお前を見ていて思ったんだ。
お前なら…きっと。…うっ…げほげほっ』
『ダグラス!』
『まだだ…まだ俺は…っ』

そう言いよろけながらもダグラスは立ち上がります
そうして近くに落ちていた自身の剣を拾い鞘を抜き双剣をかまえるダグラス。

『ダグラスッ!何を!?』
『…よく見ておいてくれクロイツ。』

そう言い放つと同時に剣技を次々に見せるダグラス。
その技は先ほどまで血を流し倒れていたとは思えない程見事な物でその剣技のすごさに言葉を失いただただ黙ってみている事しか出来ないクロイツ。
そうして次々とあまたの剣技を繰り出し最後の剣技を繰り出したと同時にその場にダグラスは倒れこんでしまいました。


『ッ!!ダグラスッ!何やってんだ!
なんであんな無茶な事ッ!?』
『………全部見たか?』
『!……あっああ…』
『そうか、ならいい…。お前の能力なら全部覚えていられるだろ。
今はまだちっちぇから…
できねえだろうけど、お前の才能なら鍛錬すればいずれすべて習得できるはずだ。
……この剣もおまえにやる。
今は無理でもかならずいつかお前に答えてくれるはずだ…』

そう言いクロイツに剣を託すダグラス

『……この街をずーっと北に行った先にハイネという街がある。
その街の墓場に行ってほしい。
お前に見てもらいたいものがあるんだ。』
『……』
『…大切な人を奪われたなら相手を憎んじまうのは仕方がない事だ…。
メオラが俺を憎むのも、お前が父親のカタキを憎むのも…。でも、憎しみに縛られちまったら、本当に大切な物を見失っちまう。お前には憎んだ先の結末を歩んでほしくねえ…。』
『…ダグラス』
『俺の身勝手なわがままだ…。
でもっ…憎しみに捕らわれないでくれ…
お前には、幸せになってほしいっ…
じゃなきゃ俺は…っ!』

そう言い涙を流すダグラス。

じゃなきゃ俺は…レンに顔向けできない…。
お前の息子をこんな目に合わせたのは
俺にも責任がある…
俺が…俺がイアンを止められてれば…ッ

クロイツ…、憎むなとは言わない…
だが分かってほしい…
イアンがなぜそうしたのか
その理由をどうか知ってほしい
俺のわがままだ 身勝手すぎるわがままだ…。

『……ごめんな、クロイツ』

そう言い息をひきとるダグラス。
そんなダグラスの姿にただただ涙を流すクロイツでした。

そうしてダグラスを埋葬後、ダグラスの遺言通りハイネの街へと訪れるクロイツ。
ダグラスが言うように墓場へと訪れればそこにはダグラスにナイフを向けたメオラの姿が。

『私…やったよ…。あの男を…
あなたのカタキを殺したの!偉いでしょっ…
長かったけど…ついに…ついに私やったのよ!
やっと…やっとこの手で殺せたのっ!!
夢にまで見たあの男をっ!!!
……なのに…なのになんで…
っなんでこんなに…空しいの?
なんでこんなに苦しいのっ!!?
全然心が晴れないの…っ
なんで……なんで…っ!!?

………
…私…なんて事を…っっ!』

泣き叫びながら自身が起こしてしまった事の
重大さにようやく気付くメオラ。
復讐に捕らわれすぎて関係のない人まで
巻き込んでしまった…
そのあまりの罪深さにただただ泣き叫ぶ。

その姿を見てただただ涙を流すクロイツ
そうしてダグラスが自分に伝えたかった事を胸を引き裂かれるような思いでクロイツは理解します。

人を憎んで憎んで憎み続けた先
その憎しみの先の壮絶さを思い知る
ダグラスは自分にこうなってほしくないと
願ったのか
目の前のあまりの悲しい光景に
自分がたどったであろう
憎しみの先を思い知るクロイツ

『ダグラス…。
俺はもう復讐に捕らわれたりしない。』

そうして自身の父を殺した男の…
イアンの瞳を思い出します。

彼の瞳もあのメオラって人と同じ
深い憎しみと悲しみに溢れていた。
彼にも激しい憎悪を抱くきっかけが
あったのだろうか。

なら……俺はそれを知りたい。

なぜ父は殺されたのか 母は攫われたのか
こんな悲劇が起きてしまった真実を知りたい。

全てを知って それでも許すことは
出来ないかもしれない。
でもなぜそうしてしまったのかそれを理解する
事は出来るかもしれない。
そうしたらこのやり場のない気持ちも
少しは楽になれるかもしれない。

こうしてクロイツは
真実を知る道を歩むことを選びます。

ダグラスの思いをその胸に宿して。





【ダグラスがメオラの婚約者を殺してしまった経緯】

復讐に身を燃やすイアンは、フェルナンド国王の手をとってしまいました。
そんなイアンを何度も止めようとしたダグラスでしたが、けしてダグラスの言葉に耳を傾けないイアン。

イアンの苦しみが痛いほどわかる為あまり強くも言えず…
そんな中フェルナンド国王とあまたのやりとりをするなかその場の中には亜人を奴隷として輸送する売買の場面でのやりとりもございました。
(亜人の売買のやりとりをする売人のその隣でフェルナンド国王とイアンはやりとりをしていたという意味)

そんな中ある時メオラとメオラの婚約者が居る亜人売買の場に訪れるイアン

いつも通りフェルナンド国王と話し合いをしている中突如メオラの婚約者は隠し持っていたダガーナイフで逃走を図ります

そしてそのナイフの矛先はイアンへ

なのでイアンを守る為咄嗟にメオラの婚約者に剣を向けるダグラス

しかしダグラスにはメオラの婚約者を傷つける気はなく、気絶させるだけにとどめようとしておりました。

しかし、その甘さにすぐに気づいたフェルナンド国王がメオラの婚約者へと剣を向けました

ダグラスはすぐさま気づきその剣を止めようとしたのですが、その剣を止めようと先にメオラの婚約者が動き、そのせいでダグラスの剣はフェルナンド国王の刃を止めるのではなく誤ってメオラの婚約者の体を貫いてしまいました。

そうしてメオラの婚約者はそのまま息を引き取り泣き叫ぶメオラは売人に連れていかれました。

しかし、連れていかれた先で逃走に成功したメオラ
婚約者を殺したダグラスを必ずこの手で殺すと復讐を心に誓いそうしてダグラスを追いに追い続け今回の悲劇を起こしてしまうのでした。



【ダグラスとレン約束】



『ねえダグラス!そろそろ
ダグラスの家の剣技を俺にも教えてよ』
『   言えっ俺の家に代々伝わる大事な
物だぞ。お前に教えるなんて1,000年早い!』
『1000年!?
俺もうとっくに死んでるじゃん!!』
『悔しかったら俺の稽古にどんどん付いてこい!』
『そう言って~教える気ないんだろ~』
『ふふふ…お前に才能があれば
教えてやらんこともない♪』
『俺魔法使いタイプの猫族なんですけど~~
忘れてない?』
『そんなもん根性でなんとかしろ!』
『ちぇ~』
『……まあ正直な事を言うとな。俺の家に
伝わる剣技は体への負荷がかかりすぎるから、
よほどの技術がないと諸刃の刃
になっちまうんだよ』
『諸刃の刃?』
『ああ、中途半端に使うと敵を倒すどころか
一生動かない体になっちまうリスクすらある。』
『……一生』
『そっ!だから今のお前には教えらんねえ。』
『今は…ね。一生教えてもらえない可能性大。』
『ははは』
『…!だったらさっ! ねえこうしない!?
いつか俺に子供が生まれて、その子にもしも
剣の才能があったらその剣技
俺の子供に教えてよ!』
『子供って…いつの話だよ』
『細かい事はいいじゃん!ねっ良いでしょ?』
『…なんでそんなに教えてほしいんだよ』
『ふふっそんなの冒険の為に決まってるじゃん!
いつか絶対国を出て、俺は世界中を旅するんだ。
冒険者ギルドに登録して各地を渡り歩くんだよ。
当然強くないと!
俺が魔法で子供が剣!良いじゃん決まり!』

『勝手に決めるな!しかも奥さんはどうなった!?』
『あー・・お嫁さんは…回復?』
『そんな物語みたいにうまくいくかよ…』
『もーーーダグラスってば夢がない!
そんなんじゃ老けるよ?』
『!?余計なお世話だ!!
…それにお前、国はどうするんだよ。お前は
第一王子だろ。いつかは国王になるんだろ?』
『俺は国王にはならないよ。
国王は弟のテオがなるべきだもん』
『!』
『テオは引っ込み思案で自分の言葉をうまく
口に出せない事も多いけど、それでもこの国を…
民を心から思ってて、父さんみたいな名君になる
事を夢見てる。国と民を守る立派な名君に。
…だから俺が居たら弟の夢の邪魔になる』
『レン…』
『それに父さんやイアンを見ていて思ったんだ、
国を思う事がどれだけ大変な事か……。
それに、俺は外の世界にばかり興味が沸くんだ!
何があってどんな景色があって、どんな人と
出会えるか…それを考えるだけで
胸がわくわくするんだもん!
だから俺は王にはならない。
いつか必ずこの目で世界を見るんだっ
だから…良いでしょ?ダグラス~』
『…まったくしょうがねえな~。でも絶対とは
言えないぞ?お前に似るかもしれないしな?』
『あっひっどーい!そんな事言って~もしかしたら
突然変異でダグラスよりすっごいすっごい子が
生まれるかもしれないよ~?』
『突然変異ってw』
『見てろ!きっとすごい子が生まれるんだから!
約束だからな!!』
『はいはいw』

死のまぎわ 
ふとこの時の会話を走馬灯のように
思い出したダグラス。
ぼろぼろの体で、今にも死に絶えるその身体で必死にクロイツに剣技を見せたのはこの時のレンとの約束を果たしたかったからです。
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