ミステリアス・ラブ【ヒソカ夢】
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ハンター試験の第1次試験。
私たち受験生は2次試験会場に行くため、1次試験監督のサトツさんについて行き、ヌメーレ湿原までたどり着いた。
地下道でのマラソンの後、すぐにまた走らされる私たち。
正直言って、疲れたと言うより面倒くさい。
…でも、衝撃的なのはこれだけじゃない。
濃い霧のなか、少し後ろを走っていた私は迷ってしまった。
他の受験者たちも私と同じように迷っている。
そこで私の見たものは……。
「試験官ごっこ◆僕が君たちの素質を見てあげるよ★」
そう言って奇術師ヒソカは、気味悪く笑う。
「う、うるせー!何が“試験官ごっこ”だ!!お前なんかこの俺が倒してやる!」
何人か受験生たちがヒソカに向かって刃物を持って走り出した。
「…クククク…君たちにはこのトランプ一枚で十分か…。」
言いながらヒソカは一枚のトランプを歯向かってくる受験生たちに投げつけた。
すると、次々に受験生たちが血飛沫をあげながら倒れていく。
たったトランプ一枚で、数名の受験生をためらい無く殺していく。
「…ひどい…。」
そばで見ていた私は、血をふき出して倒れている受験生を見下ろした。
―これじゃ“奇術師”と言うより“人殺師”じゃない…!―
そう思いながらヒソカの行動を目で追っている。
すると、私の視線に気がついたのかヒソカは私の方へと視線を寄こし、一歩ずつ私に近づいてきた。
「…な、何よ…!」
ヒソカを目の前にして、怖さが声になって現れる。
私の声は僅かに震えている。
「………」
私が問いかけたけど、ヒソカは一言も口にせず、私をジッと見つめていた。
一秒一秒がとても長く感じる。
…目を反らしたいけど、怖さで体が固まって、目すら話せない。
だが、ようやくヒソカの視線から解放された。
そしてヒソカが私に…
「君、合格◆」
…と言った。
合格…?一体どうしたんだろう?
そう疑問に思ったのもつかの間、今度は地下道で知り合ったレオリオがヒソカに歯向かう。
「うぉぉおおおぉぉ!!」
だがヒソカにパンチを食らったレオリオは、すぐにふき飛ばされた。
ヒソカがレオリオに近づこうとすると、つりざおの重りがヒソカのこめかみに当たった。
「えっ!」
びっくりしてつりざおの方を見ると、同じく地下道で知り合ったゴンが息を切らして、そしてその横にはクラピカも立っていた。
「ゴン!クラピカ!」
二人に近寄ろうとすると、私の横をスーッとヒソカがすりぬけ、ゴンの方へ歩み寄る。
「………っぐ!」
突然ゴンのうなり声が聞こえた。
…ゴンがヒソカに首をしめられている。
そして、ゴンをジッと見つめたまま何も言わない。
(ゴンがやられちゃう!!どうしよう!)
そう思っていると、ヒソカが言い出した。
「…うん、合格◆…ゴン、名無しさん、いいハンターになりなよ★」
そう言って、ゴンの首から手を離し、その場から去っていく。
ヒソカの姿が完全に消えた瞬間、一気に脱力した。
「はあ~~~~…」
安堵のため息をつきながら、地面に座り込む。
「ゴン、名無しさん!大丈夫か?」
クラピカが私とゴンへ駆け寄る。
「…うん、何とか…。」
私は苦笑いを浮かべた。
だが、ゴンは怖かったのか、荒い息をしながら、しばらくヒソカの去った方向を見つめていた。
そして第4次試験のゼビル島のサバイバル試験。
プレートを6点分集めるために、夜の森の中を歩いていた。
突然草むらの方からガサッと音がした。
「っ!誰!?」
目を鋭くして、辺りを見回す。
すると前後から刃物を持った男が私に向かって来た。
「きゃっ!!」
さすがの私でも刃物を持った男二人では適うはずがない。
…殺される!
そう覚悟した瞬間―
「「ぐあっ…!」」
私を攻撃する男たちでは無く、腕にトランプを刺して血をふき出しながら倒れていく男の姿があった。
―このトランプは、まさか!―
すぐにトランプが飛んできた方向を見る。
そこには予想通り、ヒソカが含み笑いを見せながら私の方へ歩み寄る。
「大丈夫かい?」
いつもの不気味な声に、ビクッとしながら必死にヒソカを見る。
「え、ええ……ありがとう…。」
お礼を言った後に気づいた。
(もしかして、私がヒソカのターゲット!?)
私が警戒していると、ヒソカは口元を緩ませ、くるりと向きを変えると暗い森の中へ姿を消した。
「な、何だったの…?」
私はずっとこのことが頭から離れなかった。
それからと言うもの、ヒソカは私が危険な目にあうと必ず助けてくれるようになった。
何で私を助けるのかわからないけど…。
そして今日もまた、ヒソカに助けられた。
(今日こそ聞かなきゃ!)
意を決して、ヒソカに尋ねた。
「ま、待って!……どうしていつも私を助けてくれるの…?」
去ろうとしたヒソカの足がピタッと止まり、私の方をふり返った。
「……好きな子を守るのは当然じゃないか…?」
…え?
今、ヒソカ…私を…
「好…き?」
突然過ぎて、頭がついていかない。
「…ていう理由かもよ…僕、気まぐれで嘘つきだから、あんまり信用しない方がいいよ◆」
それだけ言うと、ヒソカは姿を消した。
ヒソカはああ言ったけど、彼の目は嘘をついている目ではなかった。
そのことに、妙に嬉しくなる自分がここにいた…。
END