籠の鳥【キルア夢】
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籠の鳥…
私にはぴったりの言葉…
私がこんな家柄に生まれなければ…。
あれは3ヶ月前。
私はお母様と喧嘩をして、家を飛び出した。
行くあてもなく、ただ歩いていると目の前にいた男の子が私に声を掛けた。
「お前、何してんだ?」
「…何もしてない…。ただ、歩いてるだけ…。」
私は無表情で答えた。
「ふ~ん…。じゃあ名前は?」
「…名無しさん…。あなたは?」
「俺?キルア!」
キルアと名乗った男の子。
―私、その名前どこかで聞いたことがある―
「キルアって、あなたもしかして…」
恐れはないけど驚きの混ざった声で言った。
「あっ!聞いたことある?…俺、ゾルディック家だぜ?」
あっさりと言ったキルア。
「やっぱり…。ねぇ、今時間ある?」
「時間?ありすぎて困る位あるぜ!」
「だったら…話さない?」
「いいぜ!」
笑顔で言ったキルア。
その笑顔を見て、少し安心した。
大きな石に2人で座って、私は自分の家柄や、お母様と喧嘩したことなど、いろんな事を話した。
「ふ~ん…名無しさんんちも大変なんだな~…。」
「…うん…」
私の暗い表情を見て、キルアは気づかってくれたのか、明るい話をしてくれた。
「…あ!俺のお袋なんかさ、いっつも派手な服着て、ミステリアスな声で近づいて来るんだぜ?もう、ウゼーよ!」
「…プッ…そうなの?はははははっ!キルアのお母さんって面白いのね!」
キルアの話を聞いていると、自然と私の顔に笑顔があった。
「…キルア、ありがとう!」
「な…俺…別に何もしてないぜ?」
照れながら言うキルア。
その顔がすごく可愛かった。
2人で笑っていると、後ろから聞き覚えのある声が聞こえた。
「名無しさん!こんな所にいたの?さぁ、早く帰るわよ!」
「…っ!お母様!!」
そこにいたのは紛れもなくお母様だった。
「…あんた、名無しさんの母親?」
いきなりキルアがお母様に言った。
「?そうですけど、あなたは?」
「俺はキルア。名無しさんの友達。」
キルアは自分の名前を名乗った。
「キルア?…!あなた、あのゾルディック家の!!」
お母様はびっくりした後、険しい顔をした。
「名無しさん!!こんな殺し屋の子と友達になってはいけません!!さぁ早くいらっしゃい!!あなたも殺されるわよ!!!」
お母様は私の手を思いっきり引っぱった。
「きゃ!っ…!離して!」
「おい名無しさん!!」
「キルア~!!」
私達の叫びも虚しく、お母様は私をつれて家に帰った。
家に帰るなりお母様は私を部屋に閉じこめた。
「いい?もう二度とあの子と会ってはダメよ!!あの子は友達と偽って、あなたを殺そうとしたに違いないんだから!」
「!!キルアはそんな事絶対にしない!!」
お母様にキルアを貶されて、思わずカッとなった。
「いいえ!そんなことないわ!!…とにかく、二度と会わないこと!いいわね!!」
お母様はそれだけ言うと、去ってしまった。
「…そんな……せっかく出来た友達なのに…こんなのって……」
私はその日、一日中泣いた。
あれから3ヶ月…
キルアはどうしているだろうか…
もう私のことなんて忘れているかもしれない…
たとえそうだとしても、私はキルアが迎えに来てくれる事を信じてる…
いつまでも…
いつまでも……
END