オーラで伝える感情【シャルナーク夢】
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“幻影旅団”
それは、暗殺者でも手のかかる史上最悪の盗賊集団。
でも私がそれを知ったのはつい最近のこと…
強い雨が降りしきる中、私は家出をして路地裏でうずくまっていた。
私の父は念能力を教える師範。
長女の私は後継者になるため、幼い頃から厳しい修行を行ってきた。
でも後継者になるのにプレッシャーを感じ、ついに家を飛び出した。
「…強い雨……」
それはまるで、今の私みたい。
もうすっかり濡れてしまった身体を小さくしてまたうずくまった。
すると誰かが私の前に立ち、話しかけた。
「こんなところで何してるんだい?」
「…え?」
見上げると、傘を差した好青年が立っていた。
「そんなところにいると風邪引くよ?」
そう言って彼は私に傘を差し出した。
私が警戒してオーラを出していると、彼は私の隣に来て言った。
「キミの親は?」
「…私、家出したの。」
私は彼に自分のことを話した。
真剣に聞いている彼の表情が、急に険しくなる。
「ねぇ、オレたちのアジトに来なよ。」
「え…でも…」
「いいから!ほら!行こう!」
私の言葉を遮って、彼は私の手を引いて歩き出した。
しばらく歩くと、古びた建物の中に入っていった。
「ただいま。」
「遅かったね。」
入った先には、髪を上に上げた女の人を始め、いろんな人たちが集まっていた。
「シャル、誰だそいつ…。」
ジャージを着た男が私を睨みつけ、思わず身が縮む。
「あぁ。この子、雨の中家出したらしいんだけど、オレ、この子を蜘蛛に推薦するよ。」
「えっ!?」
急なことにびっくりして彼を見上げる。
すると真ん中にいるオールバックの男が言い出した。
「そいつに特別な能力があるのか?」
「うん。オーラの量がすごいんだ。ねぇ、もう一度念を使ってみてくれないかな?」
そう言いながら私を見た。
「え…は、はい…。」
意味もわからずとりあえず念を使う。
「…」
『…っ!』
心を静めてゆっくりと息を吐き、オーラを出す。
すると周りの空気が変わった。
「ね?彼女のオーラは量だけじゃなく、そのオーラに感情が篭もってるんだ。」
「ほぅ、こりゃすげーや。」
袴姿の男が口笛を吹いた。
するとオールバックの男が立ち上がって私に歩み寄った。
「名前は?」
「え…ひまわりです…。」
怯えながらその人を見上げる。
「…よし。ひまわり、お前は今日から蜘蛛の一員だ。」
わけがわからない間にも、話は次々進んでいく。
「ちょ…ちょっと待ってください!…いきなりそんなこと言われても…。第一“蜘蛛”って何なんですか…?」
聞きそびれたことを聞くと、口元を隠した背の小さい男が説明してくれた。
「お前蜘蛛を知らないあるか?…蜘蛛て言うのは“幻影旅団”のことね。」
それに続いて今度は大男が言う。
「仕事は主に盗賊だ。」
その言葉を聞いた瞬間、私は怖くなって叫んだ。
「そんな…!盗賊って泥棒じゃないですか!…私そんなことしたくない!」
「大丈夫。ひまわりが嫌ならここの見張りをすればいい。…団長もそれでいいだろう?」
私の気持ちを察してか、あの優しい彼がそう言ってくれた。
その言葉に拒めず、私はついに首を縦に振った。
それから彼、シャルナークは、不安がる私をいつも励ましてくれた。
団長や他の団員が仕事に行っても、シャルナークだけは私といてくれた。
いつしか“好き”という感情が芽生え始めた。
でも初めての感情で、どうやって気持ちを伝えたらいいのかわからない。
ずっと悩んでると、シャルナークの言葉を思い出した。
“オーラに感情が篭もってるんだ”
「(これだ!)」
思いついたように目を見開くと、早速シャルナークを呼んだ。
「ねぇ、私とオーラでクイズしよう!」
「オーラでクイズ?」
「そう!私がどんな気持ちでオーラを出しているかをシャルナークが当てるの!」
「へ~。いいよ。」
ニコッと笑ってOKしてくれた。
「…」
「ん~…楽しそうだね。」
「正解!」
弾んだ声で言うと、次のオーラを出す。
「…」
「お腹空いた?」
「正解!」
次は……
「…」
―気づいて…私の気持ち…!―
「…オレが好き?」
びっくりしたようにシャルナークが言った。
「うん。正解//////」
シャルナークを見つめながら小さく言う。
「驚いたな。まさか両想いなんて。」
「え…?」
シャルナークから信じられない言葉が聞こえる。
「オレもひまわりが好きだよ。」
「…ホント?」
「うん。」
笑顔でそう言われ、嬉しくて泣きそうになりながら抱きついた。
「ありがとう…!」
シャルナークも私をしっかりと受け止め、抱きしめてくれた。
END