初めの感情【イルミ夢】
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俺はこのハンター試験で初めて人を好きになった。
キャットというルーキー受験者で、ヒソカ以外で唯一俺の本当の姿を知っている。
ギタラクルという偽名で姿も偽っているにも関わらず、キャットはまっすぐな瞳で俺に話しかけた。
最初は変なやつだと相手にしなかったけど、そのまっすぐな瞳に惹かれて自然と話すようになった。
俺が本当の姿になるために針を抜いても、一切驚かず、むしろ“すごい”と感激した。
そして俺たちは、気がついたらいつも一緒に行動していた。
第四次試験の内容の説明を受けて、一人ずつ出発した。
俺は木陰に隠れてキャットが来るのを待った。
「ごめんイルミ!」
相変わらずの笑顔で走ってくるキャットに俺は微笑みかける。
「いいよ。じゃ行こうか。」
キャットと手をつないで森の中を進んでいく。
「そういえば、イルミのターゲットは誰?」
「大丈夫。キャットじゃないから。」
「よかった!私もイルミじゃないから安心して!」
上目遣いで聞くキャットに答えると、キャットは笑顔になった。
すると、キャットがいきなり走り出した。
「イルミ、ちょっと待ってて!珍しいお花が咲いてるから摘んでくる!」
「早く戻って来るんだよ。」
走っていくキャットを後ろから見つめた後、木の上に登って少し休むことにした。
それから2時間…
キャットは一向に帰って来る気配がない。
不安になって、木の上から降りてキャットの行った方へ歩いた。
少し歩くと開けた道の奥に綺麗な花畑が見えた。
しかし一面黄色の花でいっぱいなのに、一箇所だけ不釣合いのように赤い箇所があった。
「?」
不思議に思ってそこに近づいてみた。
そこにはさっきまで笑っていたはずのキャットの変わり果てた姿があった。
「…キャット?」
キャットを抱き起こして呼びかけたが返事がない。
傷口から見ると、ナイフで心臓を一突きされていた。
「キャット……」
ポロッ…
「………?」
俺の目から自然に涙が溢れてきた。
急に大切なものを失ったという事実を受け入れられなくて、拭いても拭いても溢れてくる。
「…ごめん。キャット………」
それだけキャットに言って、俺はキャットを殺したやつを探しすために走った。
END