最後のお願い【クラピカ夢】
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「幻影旅団は人数も多く、戦闘能力も高い。そこで単独行動を避けるために、二人一組になって行動してもらう。」
リーダーのダルツォルネがみんなに指示を出す。
それをクラピカとキャットは真剣に聞いていた。
「これからメンバーを発表する。リンセンとバショウ、スクワラとトチーノ、ヴェーゼとセンリツ、クラピカとキャットの組み合わせで行動してくれ。俺は車で待機する。」
組み合わせを発表され、みんなは互いに顔を見合わせる。
「よかったじゃないのキャット。大好きな彼氏とペアよ。」
センリツがニッコリと笑ってキャットに言う。
「ちょ…センリツ…!やめてよ~/////」
照れながらチラッとクラピカの方を見ると、クラピカも少し顔を赤くしてキャットの視線に答える。
「かなり危険だが、キャットは私が必ず守る。」
微笑みながらクラピカが言う。
「あ…ありがとう///////」
クラピカの顔がまともに見ることができず、キャットは俯く。
「ゴッホン!!我々には時間ない。すぐにでも出るぞ!/////」
二人の間を割るようにダルツォルネが大きな声で言った。
それを合図にみんなは一斉に動き出した。
車で10分ほど移動した後、大きな銃声が聞こえた。
「ここか…」
スクワラが緊張しながら呟く。
「さっき言ったペアで行動してくれ。くれぐれも気をつけるように!」
ダルツォルネの指示でそれぞれ車を降りて銃声のする方へ駆けていった。
「キャット、大丈夫か?」
後ろを振り返りながらクラピカがキャットに言う。
クラピカの後ろを走るキャットはその問いに答えた。
「うん!大丈夫!」
ダダダダダダダダダダンッ!!!!
「キャッ!!」
二人の走る所に銃弾が連発して鳴り響いた。
旅団の一人が撃ったものだ。
するとクラピカの後ろで何かが倒れる音がした。
「っ…!?」
勢いよく振り返ると、ついて来ているはずのキャットの姿がなかった。
「!?…キャット!!」
クラピカのいる何メートルか後ろに、倒れているキャットを発見した。
クラピカはすぐに駆け寄り、安全なところまでキャットを抱えて運んだ。
「キャット、しっかりしろ!!」
岩陰に隠れて必死に声を掛ける。
「…ん……ク、クラピ…カ…?」
「っ!キャット!!」
うっすらと目を開けるキャットの声は、今にも死にそうなか細い声だった。
「大…丈夫……?怪我…してない?」
「私は大丈夫だ。しかしキャットが…」
キャットの傷口を見て辛そうな顔をする。
「えへへ……。やらかしちゃった…。…バカだね………」
微笑を浮かべてゆっくりと言う。
「…すぐに止血するぞ…」
「…いいの。」
自分の服の裾を破ろうとするクラピカの手を止めた。
「…クラピカ……今までありがとう…。大好きだよ。」
途切れ途切れに言うキャットの言葉を、クラピカは黙って聞いた。
「ああ。私も大好きだ。…すまない。必ず守ると言ったのに……」
キャットの手を強く握って謝罪する。
「謝らないで……?クラピカの所為じゃ、ないよ……。」
「しかし……」
「それより、一つだけ…お願いしていい……?」
クラピカの言葉を遮ってキャットが言った。
「何だ?」
「………キス……して…?」
「ああ。わかった。」
弱々しい声で告げる口に、クラピカはゆっくりと唇を重ねた。
しばらく重ねた後、ゆっくりと離した。
キャットは目に涙を溜めて笑顔で……
「ありがとう。」
と言って静かに目を閉じて、それきり動かなくなった。
閉じられた目からはツーッと涙が流れた。
クラピカはしばらくキャットを抱きしめたままだった。
END