敵同士【クラピカ夢】
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ヨークシンシティでオークションが開催されるということで、その品物を盗むために初めてこの街にやってきた幻影旅団のメンバーの幽姫。
幽姫は放浪癖があり、ヨークシンの街に着くなりメンバーに黙って一人で街をフラフラと歩き出した。
「うわ~!ビルが大きいな~!」
入団して初めての仕事で訪れた街は、幽姫をかなり興奮させた。
すると前から歩いてくる人物に気づけず、見事にぶつかってしまった。
「あ…!」
「申し訳ない。大丈夫ですか?」
ぶつかった衝撃で倒れそうなところを、綺麗な金髪の青年、クラピカが支えた。
「す、すみません!」
クラピカを見上げて幽姫は謝る。
「いえ。では。」
そう言って幽姫の体から手を離し、人だかりへ消えていった。
「…………」
幽姫はその背中をいつまでも見つめていた。
幽姫がアジトへ戻ると、メンバーは幽姫に駆け寄り口々に言った。
「ったく!一人でフラフラ歩くなっつったろ!?」
「あんたがいなくなって、どんだけ心配したと思ってんの?」
フィンクスの後にマチが続けて言う。
「うん。ごめん。」
幽姫は2人の言葉など耳に入っていない様子で生返事をした。
「何かあったの?」
読んでいた本から目線を変えてシズクが聞いた。
「あ…ううん。なんでもない!」
誤魔化すように言ってその場から逃げた。
夜になり、旅団たちは行動に出た。
しかし品物はすでに盗まれていた。
仕方なく引き上げる途中、マフィアや護衛たちが旅団を襲った。
「チッ!マフィアの連中か…」
ノブナガが刀を鞘から抜きながら呟いた。
するとマフィアたちがこちらに向かってきた。
「やれ。」
団長のクロロが指示を出すと、みんな一斉にマフィアたちへ駆け寄り殺し合いを始めた。
幽姫の方にも一人襲ってくる人物がいた。
「っ!」
幽姫はその人物が誰なのか、一瞬でわかってしまった。
わかった途端、幽姫は信じられないという思いで必死に逃げた。
「待て!!」
幽姫を追いかける人物が声を上げる。
そして幽姫は観念したようにその場に止まった。
そしてゆっくりと振り返った。
「…!」
振り返った途端追いかけていた人物、クラピカも驚いた表情になった。
「あなたは…」
「敵だったのね…。」
幽姫の言葉は悲しみに包まれていた。
「…旅団だったとはな……気づくべきだった。」
クラピカの表情や声色は、さっきとは違って厳しいものになった。
「ええ。私もさっき驚いたわ。…まさか好きな人が敵だなんて……」
「何?」
幽姫に自虐的な表情が見え隠れする。
すると他の旅団のメンバーが幽姫のところに駆け寄った。
「帰るわよ、幽姫。……?」
パクノダはクラピカの方を見た。
「まだ生き残ってたの?」
「っ旅団の仲間か!?」
パクノダが言うと、クラピカは鎖を構えた。
今にもやりそうな雰囲気に、幽姫はパクノダを止めた。
「止めてパクノダ!!この人は殺さないで!」
「え?」
幽姫の言葉に、パクノダは殺気を抑えた。
「…ほら、みんな待ってるし…帰ろう!」
幽姫は無理やりパクノダの腕を引っ張って帰ろうとする。
「待て!」
その様子にクラピカはそう叫ぶ。
幽姫は一瞬クラピカの方を悲しげに振り返った後、すぐに向き直って歩いた。
~幽姫side~
敵同士じゃ恋なんて実るわけない
そうとわかっていても、脳裏に浮かぶのはあの人
恋なんて…しなきゃ良かった……
私は一人になった部屋でずっと泣いていた。
END