好きだから…【キルア夢】
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喧嘩するほど仲が良いってよく言うけれど、私たちはそうなんだろうか…?
幼なじみのキルアとは、よく些細なことで喧嘩する。
これは12歳になった今でも変わらない。
つい一週間前も…
『何で俺より女の月華の方が身長高ぇんだよ!』
『たった1cmじゃない!大して変わんないでしょ!?』
『それでも嫌なんだよ!!』
『じゃあ牛乳飲んで高くなれば?!』
『ああ?!』
私がキルアの身長を1cm超えたからって、いきなり怒りだして口喧嘩になった。
お互いが意地っ張りだから、いつもこうなってしまう。
…私、キルアと喧嘩ばかりしたくないよ…。
もっと普通に遊んで…普通に好きになって……
久しぶりにキルアの家に遊びに来た。
相変わらず大きな屋敷で、小さい頃から来てるのに未だに迷子になる。
キルアの部屋でお菓子を食べながら二人で話していると、ドアの方からノック音と共にキルアのお兄さん、イルミさんが入ってきた。
「…兄貴…何の用だよ?仕事なら今日はしねぇぜ?」
少しムッとした様にキルアが言う。
「いや、ちょっと月華と話がしたくてね。…いいかい?」
私の方を見ながらイルミさんが言う。
「え?私…ですか?…いいですけど…」
立ち上がってイルミさんに着いていく。
「お、おい月華!」
後ろの方でキルアの声がしたけど、振り向く間もなくドアが閉じられた。
それから10分くらい経ち、私はキルアの部屋のドアを開けて中に入った。
「遅かったな。…兄貴と何話してたんだよ?」
キルアが私に問う。
「な、何でもないよ!大したことじゃないから!」
私はイルミさんに言われたことを思い出して必死に誤魔化す。
「大したことなかったら言えるだろ!?何で教えてくれねぇんだよ!」
私の態度にイラッとしたのか、語尾を強くしてキルアが言った。
そのキルアの言い方にイラッとして、私も語尾を強めて言い返した。
「じゃあ逆に聞くけど、なんでそんなに知りたがるの!?言う、言わないは人の勝手でしょ?!」
「好きなやつが兄貴に連れてかれてほっとけるかよ!!……あ。」
………え?今、何て?
キルアは真っ赤になってふてくされたように顔を俯かせる。
しばらくしてキルアが口を開いた。
「……月華のこと……好きなんだよ!だから兄貴と月華が話してる間、不安で堪らなかったんだよ!」
私と目を合わせないまま語っていく。
「そう…だったんだ……嬉しい…!」
「え?」
ニコッと笑って言うと、顔を上げたキルアが私を驚いた様な目で見る。
「キルアが嫉妬してくれたこと………私だけがキルアのこと好きってわけじゃないってこと…///////」
顔を真っ赤にしながらキルアを見つめて言う。
「…ホントか?」
「うん!」
キルアが聞くと、私は大きく頷く。
「そっか。サンキューな!…月華、大好きだぜ。」
「私も、キルアのこと…大好き。」
キルアの腕の中で何度も泣きそうなのを堪える。
「…なぁ、兄貴と何話してたか…教えてくれねぇか?」
私の顔を覗き込みながらキルアが言う。
「……わかった、教えるね。」
私はイルミさんとの話を淡々と語っていった。
小さな部屋に連れて行かれた私は、不安を覚えながらもイルミさんを見上げる。
「あ、あの…話って?」
恐る恐る尋ねると、イルミさんは私と被せて言い出した。
「月華、この家の跡継ぎにならないかい?」
「え?」
イルミさんが何を言っているのか、一瞬理解できなかった。
「将来キルと結婚して、この家を二人で継いでもらいたいんだ。キルは有望だからね。俺よりキルが跡を継いだ方がいいと思うんだ。」
私の様子もお構いなしに次々と話を進めていく。
「え…あの……」
「ま、まだ早いと思うけど考えておいてね。じゃ。」
そう言ってイルミさんは部屋から出ていった。
「…てことがあって……/////」
私が言い終わると、キルアは顔を真っ赤にして唸った。
「あ、兄貴のやつ~~~!!!!//////」
枕を殴りながら照れを必死に隠す。
そんなキルアが可愛くて、思わず笑いが零れる。
「ふふ。」
「わ、笑うなよな!……で?お前どうすんのさ…跡継ぎ……」
「…正直、その時はキルアの気持ちがわからなかったから迷ってたの。…でも決めた!跡継ぎになるつもり/////」
照れたようにハニカム私に、キルアはニッコリ笑って言った。
「そっか…。浮気すんなよ~!」
「…!そっちこそ!」
私たちはお互いをつつき合いながら、その日を楽しく過ごした。
END