純真【クラピカ夢】
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「ねぇ、ちょっとお願いがあるんだけど。」
ネオンが急にクラピカに話しかけた。
「はい。」
「あなたにボディーガードを頼みたいの!」
「ボディーガード…ですか?」
急に言われたことに、クラピカは少し驚く。
「そう!実はね、明日私の友達がお父さんと初めてヨークシンに来るのよ!」
ネオンの淡々とした説明をクラピカは黙って聞く。
「彼女のお父さんは、世界的大企業のトップでお金持ちなの。でもそれを妬んでる人たちもたくさんいるみたいなの。」
「家柄で命を狙われるなら、ボディーガードくらいあるのでは?」
少し疑問に思ったことを聞いてみた。
「いるわ!…でもね、明日はお父さんの仕事でヨークシンに来るみたいで、自分の所にボディーガードをつけたら、お父さんのボディーガードが少なくなっちゃうって言って一人で過ごすらしいのよ。」
「それで私を?」
「そう!私明日は顧客が多いから外に出られないのよね~…。だから頼んだわよ!」
「わかりました。」
ネオンがニコッと笑って頼むと、クラピカは肯いて承知した。
次の日、ネオンの紹介で会うことになったクラピカと名無しさんは、気まずながらもヨークシンの街を歩いていた。
「なんかごめんなさい…ネオンちゃんにはいいって言ったんだけど…。」
「いえ。女性一人で知らない街を歩くのは危険ですから。」
名無しさんの隣を歩きながら静かに言った。
~名無しさんside~
一人じゃ危ないと言うことで、ネオンちゃんにつけてもらったボディーガードのクラピカさん。
彼はとても真面目で優しい。
街のことは何も知らない私に、クラピカさんは丁寧に案内してくれる。
そんな彼に、私は一気に惹かれていった。
クラピカさんはネオンちゃんに頼まれて私といるだけ。
叶うはずのない恋心を抱きながら一日を過ごしていった。
街を歩いていると、お父さんから電話がかかった。
仕事が終わったという知らせの電話…
「仕事が終わったという知らせですか?」
「あ…は、はい……。」
元気をなくして肯くと、クラピカさんは待ち合わせ場所に戻ろうと私を促した。
クラピカさんの隣をゆっくり歩きながらいろんな事を考えた。
―このまま何も告げずにクラピカさんと別れてもいいの…?
―でも好きと言ったところで受け入れてくれるはずがない。
―そんなことわからないじゃない!
自分じゃない誰かが私の中で語りかけるように言う。
「着きましたよ。…もうお父様が到着しているようですので、私はこれで失礼します。」
クラピカさんが去ろうとした瞬間、私は無意識にクラピカさんの裾を掴んでいた。
「…行かないで…あなたと離れたくない…!」
「名無しさんさん…?」
そして気が付いたらそんなことを言っていた。
「私、あなたのことが好き…。叶わない恋だとわかっていても…どうしようもないくらい好きなんです…!」
裾をギュッと強く握って、震える声で告げる。
すると、クラピカさんは裾を掴んでいる私の手をそっと包みこむように握った。
「私でいいのですか?」
「…え?/////」
優しい瞳で見つめられ、思わず顔が赤くなる。
「私はあなたの正式なボディーガードではないから、あなたの側にはいられない。私を好きになることで、あなたを悲しませたくない。」
クラピカさんの表情から悲しみの表情が見え隠れする。
「それでもいいです!あなたを失うことの方がずっと…悲しい…から…」
自然と私の目から零れてくる涙を拭いながら訴える。
すると、クラピカさんは私をギュッと抱きしめた。
「…ありがとう。私もあなたが好きだ。」
抱きしめられたままでそう告げられ、混乱する。
「本当…ですか…?」
ゆっくりと口を開いて聞くと、『ああ』と一言、クラピカさんが肯いた。
お父さんが近くにいるということも忘れて、クラピカさんの体に腕を回す。
「嬉しいです…。」
嬉し涙を流しながら腕に力を入れる。
「…名無しさん。」
小さく呟いたクラピカさんはチュ…と私に口づけをした。
END