Believe【クラピカ夢】
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私の恋人は、いつも死と隣り合わせ。
同胞を皆殺しにした幻影旅団を捕まえるために、賞金首ハンターになったらしい。
そして、同胞の奪われた“緋の目”を回収するため、ノストラード家に雇われた。
そこで私と出会い、恋人同士になった。
…一緒にいることが多くなったからこそ、クラピカの辛さが伝わってくる。
緋の目の話や、幻影旅団の話を聞くたびに、僅かだけどクラピカが反応する。
何れか怒りに任せて、敵討ちに行くんじゃないかといつもビクビクしていた。
そしてある日、ビクビクしていたことが本当になった。
オークションに出品されるはずの品が全て盗まれたという情報を聞いて、私たちは幻影旅団の一人、ウボォーギンという大男を捕まえた。
「………」
ウボォーを目の前にしたクラピカの目は凄まじかった。
でも、品を盗んだのは旅団ではないという。
誰もが嘘だと思ったが、センリツが否定するのだから間違いはない。
その後はウボォーを鎖に繋いだまま一人にした。
陰獣の一人が毒ヒルをウボォーの体内に入れたから、動けないと判断した。
でも、その判断が間違いだった。
コミュニティーに化けた旅団の仲間が、ウボォーの体内のヒルを取り除き、逃がしてしまった。
それを聞いたクラピカは、何も告げずに部屋を出ていこうとする。
「クラピカ…!…どこ行くの?」
とっさにクラピカを止めるけど、クラピカは私の声を無視して出ていった。
「クラピカ!行っちゃダメ!!死んじゃうかもしれないんだよ!?…クラピカー!!」
何度叫んでもクラピカは戻ってくる気配はない。
クラピカが何も言わなくても、彼が何をしようとしているのかがわかるから、無性に悲しくなる。
「…名無しさん、彼を止めないであげて。」
すると、後ろからセンリツが優しく言った。
「でも…!」
「名無しさんはクラピカのことを大切に想っているんでしょう?なら、まず名無しさんがクラピカのことを信じなきゃ…ね?」
私の言葉を遮って、センリツが最もらしく言った。
「…そうよね。…私がクラピカのことを信じて、支えてあげなくちゃいけないのに…。センリツ、ありがとう。」
センリツの言葉に冷静さを取り戻し、センリツにお礼を言った。
センリツは微笑んで肯いた。
それから何時間か経った頃、クラピカが帰ってきた。
「…クラピカ!」
頬や服には返り血を浴び、精気がない。
本当は一人にした方がいいんだろうけど、心配で一人に出来なかった。
私はクラピカの入っていった部屋に入った。
「…クラピカ…?大丈夫?」
「………」
私が話しかけても返事がない。
「…クラピカ…!」
一人で思いつめているクラピカがいたたまれなくて、私は後ろから抱きついた。
「…名無しさん?」
やっと私の存在に気づいたクラピカが私を見た。
「一人で思いつめないで…。…もっと私を頼って…。」
「名無しさん…。…すまない。」
小さな声でクラピカが呟く。
それに安心して、私はクラピカに微笑みかけて言った。
「…おかえりなさい。クラピカ。」
「ああ。ただいま。」
クラピカも私に微笑んで、静かに言った。
私はクラピカの側にいるだけで、クラピカの役に立たないかもしれない。
でも私がクラピカの側にいることで、少しでもクラピカの気持ちが和らぐなら、私はいつまでも彼の側にいようと思う。
クラピカが辛いときは、私が彼を信じて、支えてあげられるように…強くなる!
……そう誓った。
END