お兄ちゃんと一緒【ゴン夢】
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「ミトさーん!俺達、絶対にハンターになって帰ってくるからねー!」
「それまで待っててねー!」
「ゴン、名無しさん…」
私とお兄ちゃんは、ハンターになる為、くじら島を離れた。
私達の育ての親のミトさんが私達を哀しそうに見ていた。
どうして私達がハンターになるのかと言うと…。
―あれは12年前―。
「…ふざけないでよ!!!」
ミトさんの大声で叫ぶ声で目が覚めた。
でも隣にいるお兄ちゃんは起きなかった。
泣くまではいかないけど、ミトさんが私が起きたことに気がついた。
するとミトさんが私とお兄ちゃんを今まで私達を抱いていた人から奪いとった。
そしてその人にミトさんがこう叫んだ。
「二度と島に戻って来ないで!!!!」
…と―。
しばらくして、私はまた眠りについた。
そして何年かたって、私とお兄ちゃんは9歳になった。
「ミトさん俺達、森に行って来るね!」
「暗くなる前に帰って来なさいよ!」
「「はーい」」
ミトさんに注意されて元気よく返事をした。
「名無しさん!行こ!」
「うん。」
お兄ちゃんと手をつないで無邪気に走った。
森に着き、小鳥のさえずりが聞こえた。
「先に進んでみる?」
「うん!」
お兄ちゃんに手をひかれて森の奥へと進んだ。
う゛おぉぉぉぉぉぉっ!
森の奥から怖いうなり声が聞こえた。
「…!な、何?」
私は驚いてお兄ちゃんの手をギュッと強く握った。
すると森の奥から大きな影が見えてきた。
………巨大な『キツネグマ』だ………。
「うわぁー!!」「きゃー!!」
「こ、怖いよー…お兄ちゃん…。」
私はお兄ちゃんの後ろに隠れた。
キツネグマが、私達を見て怖い顔をする。
私はキツネグマを怖々と見つめながら、前にミトさんに言われた事を思い出した。
『―森に行くのはいいけど、森の中にはキツネグマがいるの。
でもキツネグマには近づいちゃダメよ。
キツネグマはめったに人間になつかないから―」
と、ミトさんに何度も言われた。
「…名無しさん、怖がらなくても大丈夫。」
いつの間にかお兄ちゃんが私を安心させてくれていた。
確かにさっきまでのキツネグマとは少し違う。
「ほら。もう怖い目はしてないよ。」
お兄ちゃんは私の方を向いて、ニッコリと微笑んだ。
「…うん。」
私も笑顔でキツネグマに寄った。
バーン!!!!!
突然森の茂みから鋭い銃声が鳴り響いた。
「キツネグマから離れろっ!」
銃声と共に見知らぬ男が現れた。
「「…………。」」
「怪我をしていないか?」
私達に男が聞いた。
「えっ!?…あ、えっと…う、うん…」
バシンッ
言いかけたお兄ちゃんに男がビンタをした。
「…っ!」
「あ…っ!お兄ちゃん!!」
私は慌ててお兄ちゃんにかけ寄った。
「キツネグマのなわ張りに入るヤツがどこにいる!!キツネグマはめったに人間になつかないんだぞ!!
お前達の親父はそんなことも教えてくれなかったのか!!!」
「…………っ!!」
男が私達に怒鳴った。
少しいら立ったが、そんなことよりも、お父さんの事を言われた事が一番いら立った。
「…お「…っ!父さんは…俺達が小さいころに死んだよ…。」
私が言おうとした所に、お兄ちゃんが言い出した。
「お兄ちゃん…大丈夫?」
「うん…、大丈夫。」
「……そいつぁ悪かったな」
男が私達に謝った。
「いいよ。」
私は素っ気なく返した。
「俺の名はカイト。お前達の親父は何をしてたんだ?」
「私達のお父さんはね、ジン=フリークスって言う名前の“ハンター”だったんだって…。」
「……………っ!」
お父さんの名前を言った途端、カイトさんが目を大きく見開いた。
「……お前達の親父は…生きてる…。」
一瞬カイトさんが何を言っているのか理解するのに数分かかった。それはお兄ちゃんも同じ。
「…そんな……お父さんが生きてるなんて…!」
「…ちょっと待って…!じゃぁなんでミトさんは俺達にうそついたの!?」
お兄ちゃんに言われて初めて気づいた。
なんでミトさんはうそをついたんだろう?
「きっとその【ミトさん】って人にとってジンさんはお前達にあまり知らされたくないひとなんだろう…ハンター試験は12歳になれば受けれる…」
そう言いながら、カイトさんは立ち上がり、森の奥へと姿を消した。
「名無しさん、帰ってミトさんに父さんの事聞いてみよう!」
「うん!」
私達は家に帰ってさっきカイトさんに言われた事を話した。
バリンッ!!!
ミトさんは持っていたお皿を落とした。
「な、何言ってるの?そんなわけ…「私達知ってんだよ!!」
ミトさんに被せる様に私は言った。
「…今日はもう寝なさい。」
「ミトさん!」
「名無しさん、今日はもう寝よう。」
「…うん…。」
私達は部屋に戻って眠りについた。
―そしてとうとう、ハンター試験の受けれる12歳になった。―
私達はカイトさんのあの言葉をずっと忘れないで居た。
勇気を振り絞ってミトさんに聞いてみた。
「あの…さぁ…ミトさん…。」
「ん?何?ゴン。」
「…俺達、ハンター試験を受けたいんだ。」
ミトさんが一瞬止まった。
「えっ………!今、何て…?」
「お父さんと同じハンターになりたいの!」
段々とミトさんの目に涙があふれた。
「……ぅ…っんぅ…」
そしてついには泣き出した。
「ミト、わかっておやり。お前もいつかはこう言うんじゃないかって思っていたんだろう?」
おばあちゃんがミトさんを励ました。
「……いいわ…好きにしなさい…」
それだけ言うとミトさんは部屋に戻って行った。
今、私達はお父さんに一歩、近づこうとしている。
ハンター試験で新たに仲間となった
―キルア、クラピカ、レオリオと共に―
END
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