青氷立合同合宿!【リョーマ夢】
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『青学・氷帝・立海合同テニス強化合宿スケジュール』
部活終わりのミーティングで手塚に渡された一枚の紙。
紙の一番上に書かれた文字にみんなは驚いた。
「合同合宿!?」
いち早く反応したのは桃城。
それに手塚はコクリと頷いた。
「場所は跡部が所有する合宿所で行う。参加するのはレギュラーの者だけだが、サポートとして竜崎にもこの合宿に参加してもらう。」
「よろしくお願いします…!」
手塚の隣でペコリと頭を下げる名無しさん。
それを密かに嬉しがっていたのは先輩たちの後ろで話を聞いていたリョーマだった。
合宿当日、青学一行は校門の前で跡部が手配したバスが迎えに来るのを待っていた。
それから数分後、遠くから金色の派手なバスがこっちに向かって走ってきた。
「…あれのようだな…。」
「うっわ!!派手すぎるにゃ…」
「あの人のやりそうなことだね…」
「ははは…」
手塚、菊丸、リョーマ、河村が次々に言うと、バスはみんなの前で停まった。
「待たせたな!」
ドアが開いた瞬間現れたのは誇らしげな跡部だった。
手塚が一歩前に出て跡部を見上げた。
「迎えのバス含め、合宿所提供まですまないな、跡部。」
「礼には及ばねぇよ。さ、早く乗れ。」
跡部に促されて青学メンバーはバスに乗り込んだ。
一番後ろにいたリョーマと名無しさんは二人がけのイスに座った。
ドアが閉まりバスが発車すると、中はまるで修学旅行かのような賑わいだった。
「いっちぬっけたー!!」
「また丸井が一番かよ~!」
「丸井先輩強すぎっスよ~!」
「これでブン太が3勝目じゃ。」
一番後ろの席でワイワイ騒いでいるのは立海の仁王、ブン太、赤也、氷帝の向日だった。
どうやらババ抜きをしているようだ。
「お前たち、遊びに来ているわけではないのだぞ!たるんどる!!」
その様子を真田が見て怒鳴る。
後ろから苦笑しながら幸村が行った。
「いいじゃないか真田。あまり他校の人たちと集まる機会はないんだ。」
「幸村の言うとおりだ。合宿所に着いたらしっかり練習するだろうし、バスの中では楽しく過ごしてもいいんじゃないか?」
ジャッカルが幸村に続いて言うと、真田はこれ以上何も言わなかった。
他にも乾と柳が何やらノートを見つめながら話していたり、桃城が後ろのトランプチームに混ざって騒ぎだした。
名無しさんはその様子を楽しそうに見ていた。
合宿所に着き、各部屋に荷物を置いてテニスコートに集まった。
それぞれ軽く打ち合いをしたりストレッチをしたり素振りをするものもいた。
その間名無しさんはドリンクやタオルの準備をしながら練習をするみんなを眺めていた。
特に…
「テニスしてるリョーマくん、やっぱりかっこいいな…」
名無しさんは無意識にリョーマを目で追っていた。
「………」
誰かが見ていることも知らずに…
午前の練習が終わり名無しさんがリョーマの元へ行こうとすると、後ろから声を掛けられた。
「なぁ、アンタ青学のサポートで来たんだろ?」
「え…?」
振り返ると、そこにはニコニコした赤也が立っていた。
「立海の…切原さん…?」
「俺の名前覚えてくれてたんだ!サンキュー!」
嬉しそうに笑う赤也に戸惑いながら名無しさんが聞いた。
「あの、何のご用でしょうか…?」
「ああ、そうだった!アンタさ、ずっと越前のこと見てただろ?アイツのこと好きなのか?」
「え…!//////」
急にそんなこと言われて戸惑う名無しさん。
すると…
「切原くん、女性を困らせるのはいただけませんね。」
「柳生先輩…!」
「うちの部員が失礼しました……っ!」
名無しさんに頭を下げて謝る柳生が急に名無しさんを見つめて固まった。
「…あの、どうかしたんですか…?」
見つめられる名無しさんは何事かと柳生に聞くと、我に返ったように柳生が苦笑した。
「いえ…あまりにも可愛らしい貴女につい見とれてしまいました。 」
「えっ!?///////」
「ちょ!柳生先輩!!横取りっスか!?」
赤也が反論する間、名無しさんは顔を真っ赤にしていた。
そして結局リョーマに会えないまま午後の練習が始まった。
午後の練習中も名無しさんはリョーマを目で追っていた。
するとふと赤也の台詞が頭を過った。
『アイツのこと好きなのか?』
「…好き…というか、彼氏なんだよね…」
そう呟くと、リョーマが名無しさんをチラッと見て小さく微笑んだように見えた。
「…!///////」
まるで自分の言葉が聞こえたかのようなタイミングに、名無しさんは恥ずかしくなってリョーマから目を逸らした。
その日の夜、ようやくリョーマとゆっくり二人で話す時間が出来た。
「練習お疲れ様、リョーマくん。」
「サンキュー、名無しさん。」
ベンチに座って他愛のない言葉を交わす。
「そういえば、午前の練習が終わった後、何で俺のとこに来なかったの?」
唐突に聞かれた質問に名無しさんはビックリして言葉を詰まらせる。
「…!あ、ご、ごめんね…!ちょっと跡部さんの頼まれ事してて…その……」
焦る名無しさんを不思議に思ったけど、リョーマはそれ以上聞かなかった。
一方、食堂で今日の練習についてミーティングしている立海メンバー。
真田が幸村の横に立って腕を組んで幸村の話を聞いていた。
「今日は合宿一日目ということもあって軽い打ち合いだけだったけど、 青学や氷帝に比べて動きが悪い人が多すぎる。」
「集中力が散漫している証拠だ。」
幸村に続いて真田も厳しく言い放つ。
その言葉は誰にでも当てはまるようで、下を向いて反省していた。
だが、真っ先に口を開いたのは柳だった。
「集中力が足りなかったのは皆同じ理由だろうな。かく言う俺もそうだ。」
『えっ!?』
柳の言葉に全員が柳を見る。
「まさか…お前も…?」
ブン太が言葉を詰まらせると、柳が静かに頷いた。
「…『も』ってことは…丸井先輩も…!?」
「俺だけじゃねぇ。ジャッカルと仁王もだ。」
横目で二人を見るとジャッカルが頷き、何故か仁王はほくそ笑んでいた。
「自分達は関係ないように見せかけとるようじゃが、お前さんたちもじゃろ?幸村…真田…?」
「…!」
「フフ…」
この瞬間、立海メンバー全員がライバルだと誰もが思った。
すると…
「面白くなってきたじゃねぇの…」
やってきたのは氷帝メンバーだった。
「跡部、何の用だ。」
真田が言うと、跡部はニヤリとしながら言った。
「俺たちもここでミーティングをしようと思ってな。だが、お前らから興味深いことが聞けてな。」
「興味深いとはどういうことだ?」
「自分ら、青学のサポートとして来とるお嬢ちゃんのこと狙ってんのやろ?実はうちら氷帝メンバーも全員同じこと考えてん。」
忍足が眼鏡を押し上げて言うと、立海メンバーは更に驚く。
「まさかお前らまで狙ってたとは思わなかったぜ!」
向日が敵対心剥き出しで言う。
「チッ…周りは敵だらけってことか…」
全員を睨み付ける宍戸に、赤也が提案した。
「なら、アイツを懸けて勝負しません?」
「あ~ん?勝負だと?」
「丸井先輩が持ってきたトランプで!」
『トランプ!?』
赤也の提案にみんなは目を丸くする。
「トランプって…どうやって勝負つけるんだよぃ…」
「ババ抜きですよ!」
ニッと笑う赤也になるほどと頷くものもいれば苦笑するものもいる。
「こない大勢でババ抜きやるんか?」
「だったら何チームかに分かれて、各チームで一抜けした人が対戦するっていうのはどうですか?」
鳳が言うとみんなは納得した。
続く