アンスリウム〜恋のもどかしさ〜【桃城夢】
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お願い……
私に………優しくしないで…
「よ!おはよう名無しさん!」
「っ…おはよ。」
隣の席の桃城くんがいつものように元気良く教室に入って席に座る。
でも、私はすぐに席を立って教室を出た。
桃城くんは誰にだって優しい。
そんな彼に惹かれ始めたのはもう随分前のこと。
それなのに私はいつも桃城くんに冷たくしてしまう。
この気持ちを認めたくなかった
だって
桃城くんが…
私のこと…見ていないことがわかるから……
自分が傷つくのが怖いから…
冷たくする…
休憩時間、次の授業の準備をしていると、名無しさんが私の席に来て言い出した。
「ねぇ名無しさん!最近名無しさんと桃城くん、仲良いと思わない!?」
「…え?」
名無しさんの言葉に内心ドキッとする。
チラッと桃城くんと名無しさんの方を見た。
そこには楽しそうに話している二人がいた。
「時々良い雰囲気だよね~!もしかしたら二人、近いうちに付き合っちゃうかもね!」
楽しそうに言う名無しさんの話は全く耳に入らない。
「?名無しさん?どうしたの?」
「あ…ごめん。…あいつには全く興味無いけど、名無しさんがあいつのこと好きなんだし、仲良いんだから付き合えばいいのにね~!」
…何言ってんの…?
「あ、この間あの二人一緒に帰っててさ~、端から見たらただのカップルにしか見えなかったんだよね~!」
何言ってんのよ私!!
自分の気持ちを誤魔化すために二人の仲良さげな話をしだす。
「え~!ホントに!?もうカップル決定じゃん!あ、桃城くんも名無しさんのこと好きなのかな!?」
「…っ!……さぁ?好きなんじゃない…?」
「うわ~!両想いの予感!!」
はしゃぐ名無しさんに被せてチャイムが鳴り、みんな一斉に席に着きだした。
桃城くんも席に座る。
私は気づかれないように桃城くんを見た。
本当は私の気持ちに気づいて欲しい。
他の子なんか見ないで…
そう言えたらどんなに楽だろう。
もうこんなに辛い思いしなくていいのかな…?
―私も…桃城くんが好きなんだよ…?―
END