Ever love【ブン太夢】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
~ブン太side~
…ったく、あんなやつ知らねぇ!!
些細なことで喧嘩した俺と名無しさん。
俺はイラつきながら打ち合いをした。
「今日の丸井先輩、様子おかしくないっスか?」
「さぁ?何かあったんだろ?」
赤也とジャッカルが素振りをしながら何やら言っているのが聞こえる。
…知らねぇ!
怒りに任せるように俺はひたすらボールを打った。
~仁王side~
ブン太の様子がいつもとおかしい。
そんなことは誰だって見たらわかる。
俺が気になったのは、その原因がもしかしたら……
と思い部活が終わって教室に行って見ると…
「やっぱりここにおったんか。」
「…仁王くん…」
ブン太の彼女の名無しさんは、机に突っ伏して寝とった。
「また喧嘩したんか?」
「…悪い?」
「まぁ、そう邪険にしなさんな。今度は何が原因なんじゃ?」
俺は苦笑しながら名無しさんから喧嘩の原因を聞いた。
前にもブン太と喧嘩した名無しさんは、夜になっても家に帰らんかった。
心配した名無しさんの親御さんがブン太に連絡し、何故か俺も一緒に名無しさんを探すことになった。
…で、見つけたところが学校の教室だった。
暗い教室の中で電気も点けずに小さく蹲る名無しさんを見つけたときには驚いた。
こんなこと思ったらいけんのんじゃろうけど…連れ去りたいほど可愛かった。
そのときから俺は名無しさんを…一人の女として見るようになった。
もちろん、ブン太の彼女ということは知っとる。
じゃが…抑えられんのんよ……
一通り名無しさんの話を聞き終え、俺は溜息を吐く。
「…ほんまに些細なことじゃな…」
「些細じゃないよ!…もうブン太なんて知らない!」
膨れる名無しさんの目には涙が溜まっていた。
「その涙は何なん?」
俺に言われて今頃気づいたのか、名無しさんは自分の目に指を這わせた。
「こ…これは違う!目にゴミが……あれ…?何で?」
必死に涙を拭うが一度溢れた涙は止まりそうもなかった。
「泣くんなら思いっきり泣きんしゃい。」
「うわああぁぁぁん!!」
俺の言葉で名無しさんは思いっきり泣き始めた。
俺は名無しさんの頭を優しく撫でた。
それから数分が経ち、名無しさんは泣きつかれて寝てしもうた。
俺がどんな気持ちで名無しさんと接しとるのかも知らず、スヤスヤと眠る。
「………」
俺は…名無しさんが好きじゃ…
そう思って名無しさんにキスをしようと顔を近づけた瞬間…
「…ブン太……」
この言葉を聞いた瞬間、わかった。
「俺じゃ…ブン太の代わりにはなれんのやね…。」
そういい残し、俺は鞄の中から携帯を取り出してブン太にメールした。
To 丸井 ブン太
名無しさんが教室で寝とる。
早く迎えに行ってやりんしゃい。
~ブン太side~
仁王からメールがあったのはもうすぐ家に着く頃だった。
「…ったくしょうがねぇな~…」
俺は引き返してまた学校へ向かった。
教室を覗くと、仁王の言った通り名無しさんが机に突っ伏して寝ていた。
「はぁ~…」
このまま寝かせているわけにもいかず、仕方なく名無しさんを起こした。
「おい、名無しさん、起きろよぃ。」
名無しさんの肩を揺さぶって名前を呼ぶ。
「んん…」
ゆっくりと目を開ける名無しさん。
そして俺の姿を見てビックリした。
「ぶ…ブン太…!?…何でここに…」
「仁王からメールがあったんだよ。名無しさんが教室にいるから迎えに行ってやれって…。」
名無しさんから目を逸らして説明する。
「仁王くんが…。」
名無しさんの顔が少しだけ笑う。
「あ…あのさ…さっきは…その……悪かった…。」
自然と顔が熱くなるのを感じながら名無しさんに謝った。
「…私こそ、ごめんね。」
申し訳なさそうな表情で俺を見つめる。
「は、早く帰ろうぜ!門が閉まっちまう!」
「うん。」
見つめる眼差しが可愛すぎて耐えられなくなり無理矢理話を逸らして、名無しさんの手を取って教室を出た。
帰り道、仁王からのメール文を思い出した。
From 仁王 雅治
P.S 大事な彼女を泣かせる彼氏は嫌われるぜよ?
「…ったく、大きなお世話だっつーの!」
名無しさんに聞こえないようにボソッと呟いた。
~仁王side~
今頃は二人仲良く下校中か…
そう思いながらまたブン太にメールを送った。
To 丸井 ブン太
P.SのP.S 次に名無しさんを泣かせたら俺が名無しさんをもらうぜよ。
END