離さない【リョーマ夢】
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嫌がらせの件が解決してから数ヵ月。
今では誰からも嫌がらせを受けなくなり、むしろリョーマと杏菜が付き合っているという事実は学校中が知り、応援する人が増えていった。
そんなある日の帰り道、杏菜はリョーマにあるお願いをした。
「リョーマくん、お願いがあるんだけど…いいかな?」
「ん?何?」
「私、リョーマくんにもっとテニスを教えてほしいの!」
「ん。いいよ。」
「ホント!?」
「うん。」
「ありがとう!!」
リョーマの返事に杏菜はパッと明るくなって笑った。
「じゃあ、明日とかどう?」
「うん!大丈夫!」
「んじゃ明日、13時に俺ん家で。」
そう言ってリョーマは杏菜に手を振って曲がり角を曲がった。
「うん、また明日!」
杏菜も笑って手を振った。
次の日、杏菜はドキドキしながらリョーマの家のチャイムを鳴らした。
するとリョーマの母親が歓迎するように杏菜を家に招き入れた。
「すぐリョーマ呼んでくるから、ちょっと待っててね。」
「ありがとうございます。」
ペコリと頭を下げると、母親はリョーマを呼びに二階に上がっていった。
しばらくしてリョーマがラケットを持って二階から下りてきた。
「お待たせ。じゃ、やろうか。」
「うん!よろしくお願いします…!」
二人は庭にあるテニスコートに行き、早速練習を始めた。
「まず軽く素振りしてみて。」
「うん!」
ラケットを持って杏菜は思い切り素振りをする。
すると見ていたリョーマが言った。
「もうちょっと肘伸ばして。」
リョーマの指示に従って少しずつ態勢を変えていく。
「うん、その調子。」
しばらく素振りを続けていると、リョーマにとって最悪な人物の声が聞こえてきた。
「よっ!お前ガキのくせに彼女とテニスデートか?しかも家で見せびらかしやがって~!」
「ゲッ…親父…」
杏菜は初めて見るリョーマの父親に緊張して素振りを止めてすぐにお辞儀をする。
「は、初めまして!竜崎杏菜です!お邪魔してます…!」
「おう、よろしくな。…お前、竜崎のババアのお孫さんだろ?」
ニヤリと笑う南次郎に杏菜は不思議そうな顔をする。
「?おばあちゃんを知ってるんですか?」
「ちょっとした知り合いでな。ま、ゆっくりして行きな!」
ニヤニヤしたまま南次郎は寺の方へ向かった。
南次郎の後ろ姿を見て杏菜が言った。
「リョーマくんのお父さん、優しそうな人だね!」
「変人なだけ。」
ピシャリと言うリョーマに苦笑する杏菜。
「そんなことより、打ち合いしてみる?」
「えっ!?いいの!?」
「大分素振りも良くなってきたし、実践ってことで。」
言いながらリョーマはラケットを持って杏菜とは反対側のコートに立つ。
思いがけないことに杏菜は驚きながらも、喜びを隠せなかった。
「んじゃ、杏菜からサーブね。」
「うん…!」
少し緊張しながらも、なるべく肩の力を抜いて思いっきりサーブを打った。
杏菜の打ったボールは吸い込まれるかのようにリョーマの所へ向かった。
それをリョーマが綺麗なフォームで打ち返した。
緊張していた杏菜も、だんだんと楽しそうな表情になり、時間を忘れてテニスを楽しんだ。
「リョーマ!杏菜ちゃん!ちょっと休憩しなさい。」
リョーマの母親が二人を呼びに来た。
「はーい!」
リョーマの母親の呼び掛けに答えると、二人はテニスを一端止めて家に上がった。
「お菓子があるから、部屋に持っていって食べて。」
お菓子とジュースの入ったお盆をリョーマに渡すと、リョーマの母親はニコッと笑った。
「ありがとうございます!」
リョーマの後に続いて階段を上り、リョーマの部屋に行った。
リョーマの部屋でお菓子を食べながらくつろぐ二人。
先程のテニスの感想を言い合っていると、ふとリョーマとの距離がたんだん近くなっていることに気づいた。
「リョーマくん…?」
「ねぇ、キスしていい?」
「えっ!?////////」
唐突な言葉に杏菜は顔を真っ赤にしてリョーマを見つめる。
「しばらくしてなかったじゃん?」
「そ、そうだけど…//////」
どうしていいかわからずあたふたしていると、痺れを切らしたリョーマがこれ以上何も言わせないかのように杏菜にキスをした。
「…!?////////」
柔らかいリョーマの唇が杏菜の脳裏を刺激する。
「ふっ…んん…」
少し息苦しくなって酸素を求める杏菜を、さらにリョーマが深くキスをする。
「ん…」
ようやく唇が離れた頃、杏菜は真っ赤な顔で肩で息をしていた。
目がトロンとして力が入らない。
それをリョーマが支えるように杏菜を抱き締めた。
「杏菜はずっと俺のだし、離してって言っても離さないから。覚悟しといてよ。」
挑発的な言葉だけど、とても優しく杏菜の耳に届く。
「うん…。」
ボーッとする中で、リョーマの言葉はしっかりと頭に入る。
杏菜は幸せそうな表情でリョーマに体を預けた。
END