ギャップ【不二夢】
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夏の暑さがなくなり、街の木々がオレンジや黄色に色づき始めた。
季節は秋
本格的に寒くなり始めるこの季節だけど、僕たちは寒さは感じない。
「…周助……?もうすぐ学校に着くから手、離してよ…//////」
「どうして?僕たち付き合ってるんだから、いいじゃない?」
「そ、そうだけど…!何か恥ずかしいし…/////」
登校、下校は必ず手を繋いでいる僕たちだけど、名無しさんは恥ずかしいみたい。
僕たちが付き合い始めたのはつい最近。
同じクラスで元々少し仲は良かったけど、メアドも知らなかったし、学校でしか話さなかった。
たまにクラスの男子グループに女子グループが混ざって一緒に帰ることがあって、そこで話していた程度。
最初の彼女の印象は、『大人っぽい子』
大人っぽい印象なのに、時々見せる子どものような笑顔。
「クス…」
「?何笑ってるの?」
僕が思い出し笑いをしていると、名無しさんが不思議そうに僕を覗きこんだ。
「いや、何でもないよ。」
「変なの~」
眉を歪めて言う名無しさん。
僕はその姿を見てまたクス…と笑った。
それは、僕たちが付き合う少し前。
初めてメアドを交換してメールをしていた時。
他愛のない話で盛り上がっていると、ふと思ったことを言ってみた。
『名無しさんちゃんって、大人っぽい印象だったけど、意外と無邪気だね。』
『え!?何それ!』
『メールって不思議だよね。顔を合わせてないだけで文章だと素直な気持ちが伝えられるから。』
『それって、普段私が無邪気なことを隠してるってこと?』
『そういうわけじゃないけど、何て言うのかな?新たな一面を見れた気がするよ。』
『印象が変わってがっかりした?』
『まさか。むしろ可愛いよ。』
『!…そういうことをストレートに言わないでよ…!』
『あれ?もしかして照れてる?』
『て、照れてないよ…!』
「名無しさん、名無しさんはずっと僕だけを見ててね。…チュ…」
立ち止まって繋いでいた名無しさんの手を自分の方に寄せてキスをする。
すると周りの生徒が少し小さい悲鳴を上げる。
「ちょ…!周助!!!////////////」
名無しさんは真っ赤になって僕を見つめる。
「名無しさんは僕のだって、みんなに見せつけただけだよ。」
またクスっと笑うと、名無しさんは僕の背中をポカポカと叩く。
「周助のバカぁぁぁぁぁ!////////」
僕の彼女は大人な印象
だけど本当は、無邪気で照れ屋
それは、僕だけが知っている名無しさんの姿
「大好きだよ、名無しさん。」
END