強引ing my way【赤也夢】
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「名無しさんさんちょーかっこいい!!!」
暇さえあればこの言葉を発する赤也の彼女の名無しさん。
赤也は何度その言葉を聞いて溜息を吐いたことか…。
そんな赤也の気持ちは名無しさんには全く届かず、今日も名無しさんさんへの愛を叫ぶのだった。
久々の部活が休みの日、名無しさんは赤也の家に遊びに来ていた。
特にすることもなく、平穏な一日を過ごしていた。
陽も西に傾きかけた午後、その平穏な一時がピタリと止まった。
「うっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
壁にもたれかけて携帯を弄っていた名無しさんが急に叫びだした。
「な、何だ!?」
ベッドに寝転がって漫画を読んでいた赤也がすぐさま起き上がる。
何かあったんじゃないかと赤也は名無しさんを見る。
「名無しさんさんがライブやるんだって~!!行きたいな~!!!!」
キラキラした瞳で赤也を見つめる名無しさんに赤也は溜息を吐く。
「はぁ~…。またそれかよ…。」
「だってライブだよ!?行きたいじゃん!!…うわ~チケットいつ発売だろう…え、もうすぐじゃん!!キャーーー!!絶対行かなきゃ!!」
一人ではしゃぐ名無しさんに痺れを切らし、赤也はベッドから立ち上がり、名無しさんに近づいた。
「ん?どうしたの?」
その言葉と同時に、名無しさんの視界は天井になっていた。
「名無しさん、いい加減にしろよ…。俺がいるのわかってんのか?」
今にも襲い掛かりそうな目つきに名無しさんは初めて赤也に恐怖を覚えた。
「え…ちょっと、赤也…?離して…」
必死に赤也を押し退けようとするが、男と女の力の差を思い知らされる。
「離さねぇよ…!」
「痛ッ…!」
赤也は名無しさんの首筋に顔を近づけ、キスマークを付けた。
チクリとした独特の痛みに名無しさんの表情が歪む。
「赤也…ごめんなさい…だから、もう離して…?」
涙目で赤也を見上げると、赤也も頭が冷えたのか、ハッとして名無しさんから離れた。
「わ、悪ぃ…。大丈夫か?」
我に返って名無しさんを心配する赤也を見て安心する。
「う、うん…」
そっと起き上がる名無しさんを赤也はぎゅっと抱きしめた。
「ホント悪ぃ…。名無しさんが俺を見てねぇ気がして…不安になっちまった…」
不安げな表情で赤也は抱き締める腕を強める。
それに答えるように名無しさんは赤也の身体に腕をそっと回した。
「 私こそごめんね。赤也の気持ち全然考えてなくて…。…これからは赤也のことちゃんと見るから。」
赤也を安心させるような声音で言うと、赤也は満足そうに笑った。
「あぁ。…名無しさん、愛してるぜ!」
「うん、私も。」
名無しさんに襲いかかった狼は、いつの間にか飼われた犬になった。
名無しさんはその犬のような赤也の頭をよしよしと撫でた。
END