綺麗な心【不二夢】
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私は所謂、お嬢様。
私のパパは有名実業家。
ママは教育委員会の会長。
そして私はその一人娘。
私はいつでもみんなの注目の的でいなきゃいけない存在なの。
そういう運命に生まれてきたの。
…でも……あの子がいるから…
名無しさん名無しさん。
一般人のくせに妙にみんなに人気がある。
「何なのよ…」
見てるだけでもムカついて、ある提案を思いついた。
名無しさんさんがいないとき、その提案をみんなに伝えた。
しばらくして名無しさんさんが登校してきた。
「おはよう。」
『………』
名無しさんさんがあいさつしてもみんな無視。
「え…どうしたの?」
『………』
いくら話しかけても誰も何も答えない。
「(いい気味…)」
そう心の中で思っていると、私の大好きな不二くんが教室に入ってきた。
「おはよう。」
「あ、あぁ。…おはよう…。」
「…どうしたの?みんな暗いよ?」
「そ…それがな…名無しさんが名無しさんさんを無視しろって言ってきたんだ…。あいつの母さん教育委員会の会長だろう?逆らったらどうなるか…。」
すると不二くんがチラッと私を見た。
「おはよう不二くん!」
手を振っても不二くんは私の横を通り過ぎてしまった。
「え?」
すると不二くんは名無しさんさんの方へ行き、話しかけた。
「名無しさんさんおはよう。」
「え…お、おはよう…。」
…どうして!?
さっき名無しさんさんを無視してるって聞いたはずなのに…!
そう思っていると、他のみんなも不二くんに続くように名無しさんさんに話しかけ始める。
「やっぱり無視はダメだよな!」
「ごめんね名無しさんちゃん!」
「嘘でしょ…?」
私は無意識に名無しさんさんの方へ行き、名無しさんさんの頬に思いっきりビンタした。
バシンッ!!
「……ッ!」
教室中に響き渡る乾いた音。
「おい!何すんだよ名無しさん!」
「うるさい!!……どうしてただ地味なだけのアンタが注目されるのよ!?このクラスで一番可愛いのは私!!一番注目されるのは私なの!!」
力いっぱいそう叫ぶ。
「……クスッ…」
急に不二くんが笑い出した。
「お、おい…何笑ってんだよ不二…。」
菊丸くんが聞く。
「…名無しさんさん、権力で人に注目されるのって、悲しくない?」
「…え?」
ニッコリと笑顔で不二くんが言った。
「権力で人気になる名無しさんさんより、優しさで人気になる名無しさんさんの方がよっぽどいいと思うけどね。」
冷たい声音でそう言われ、涙が止まらない。
とうとう堪えきれなくなり、涙を流しながら教室から出た。
~名無しさんside~
普段は優しい不二くんが珍しく怒った。
そして私を庇ってくれた。
「ありがとう、不二くん。」
名無しさんさんが教室を去った後、私は不二くんにお礼を言った。
「どういたしまして。名無しさんさんこそ、辛かったね。もう大丈夫だから安心して。」
「うん。」
確かに私は名無しさんさんみたいにお金持ちでもないし権力も無い。
だけどみんなが私と仲良くしてくれる。
いつか名無しさんさんとも仲良くなれたらいいな。
END