同じ【金ちゃん夢】
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私はあの頃幸せだった。
あんな事がなければ…。
今日私は青学から大阪にある四天宝寺中に転校した。
軽めに自己紹介を終えて席に着いた。
―私はもう誰とも関わらない。
二度とあんな目に合わないために―
だけど…
「なぁ!自分どっから来たん!?…あ、ワイは遠山金太郎や!」
「…青学。」
「えっ!?青学って…コシマエがおるとこやんか~!」
「…コシマエ?…あ。」
確かこの子、全国大会のときにいた…
「なぁオヤコロ!コシマエと知り合いなん!?コシマエ強ぅなっとるか!?」
遠山君は一気に聞く。
「…知らない。リョーマと別れてから連絡してないから。」
「えっ!?オヤコロ、コシマエと付き合ぅとるん!?」
「だから別れたって言ったでしょ!?…それに勝手に下の名前で呼ばないで!」
そう言って私は図書室に逃げた。
もう何度繰り返しただろう。
不思議なことに私は遠山君に心を開いていった。
多分、彼の優しさを知ったから…。
ある日、先生に呼ばれて遅くなって帰ろうとしたとき、急に雨が降り出した。
傘も持ってないので仕方なく教室で雨がやむまで待つことにした。
ザーッ
降りしきる雨を眺める。
「あの日もこんな雨だったな…。」
あの日も同じ突然雨が降った。
私は教室で雨がやむまで待っていた。
すると…
「何してんの?」
「っ!?」
びっくりして振り返るとそこには越前君がいた。
「え…越前君…。部活は?」
「あのさ、こんな雨であると思う?」
「あ…そうよね。ごめん。」
いつも通り素っ気無く返される。
「で、何してんの?」
「あぁ。雨がやむまでここで待ってるの。」
また窓を見て言う。
「ふ~ん。俺もここにいていい?」
「え?う、うん。」
少し驚いて越前君を見上げる。
しばらくの沈黙の後、越前君から驚きの言葉が聞こえた。
「俺さ、アンタのこと好きなんだよね。」
―リョーマのその一言で私たちの関係は始まった―
「リョーマ…」
ポロッと頬に涙が伝う。
すると…
「オヤコロ?」
びっくりして振り返るとそこには金ちゃんがいた。
「き…金ちゃん…。部活は?」
「あんな~、こない雨であるわけないやろ~…。」
「あ…そうよね。ごめん。」
あれ?この会話…
「で、何してんのん?」
「あぁ。雨がやむまでここで待ってるの。」
「そっか。ほなワイもここにいてもええ?」
「え?う、うん。」
しばらくの沈黙。
…あの時と同じ。
「何でさっき泣いとったん?」
金ちゃんが私の顔を覗いて聞く。
「辛いことを思い出して…」
「辛いこと?」
私はゆっくりあの時の事を話した。
『あんたリョーマ様に馴れ馴れしいのよ!』
『どっか行ってよ!』
浴びせられる罵声に私は耐え切れなくなり、ついに転校することにした。
『転校?』
『うん。親の転勤で…。だから別れましょう。』
『何で?別に別れなくてもいいんじゃないの?』
『私強くないから…。彼氏と離れるの耐えられない。」
『そ。じゃ仕方ないね。』
そう言って私たちは別れた。
「転勤なんて嘘。私はいじめに耐えられなくて、あの子達から…リョーマから逃げたの。」
全てを話し終えて俯く。
我慢してた涙が溢れる。
すると金ちゃんが私を抱き寄せた。
「…っ!?//////」
「わ…ワイ…好きな子ぉが泣いとったらどないしたらええんかわからんねん…!せやから泣かんとって?」
金ちゃんの想いが嬉しくてまた泣き出す。
「ありがとう。金ちゃん。」
それに答えるように金ちゃんにしがみついた。
~リョーマside~
昼休み、委員会で図書室にいた時二人の男子が話していた。
「おい。前青学にいたオヤコロって子いただろ?」
「あぁ。二組のすげぇ美人の子だろ?」
「その子、何で転校したか知ってるか?」
「え?親の転勤とかじゃねぇの?」
「いや、実はな、同じ二組の越前と付き合って、ファンクラブのやつらにいじめられたのが原因らしいぜ。」
「うっわ、かわいそ~」
俺はそれを聞いた瞬間、怒りを覚えた。
部活中、あいつらはいつものように部活を見ていた。
「キャ~!リョーマ様~!」
頭にきてわざとボールをそいつらの方に向けて打った。
バシュッ!
「キャッ!!」
フェンス越しに悲鳴が起きる。
俺はそいつらの方へ行き、冷たく言った。
「アンタ達だよね?オヤコロいじめたの。…もう俺に近づかないでくれる?」
「リ、リョーマさ…」
「練習の邪魔。」
そう言うと、泣きながら去って行った。
~オヤコロside~
それから私は金ちゃんの誘いもあり、テニス部のマネージャーになった。
少しでも辛いことを忘れるように。
今では金ちゃんの明るさに助けられ、自然と金ちゃんを好きになっていった。
END