ダーツ【仁王夢】
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幼馴染の特権という言葉をよく聞く。
相手がかっこよすぎて、または可愛すぎて近づけない人がいる中で、幼馴染だからといってその人の近くにいることが出来る。
亜夢もその一人。
男子テニス部の仁王雅治は学校の中でもかなりモテる。
そんな仁王の隣にはいつも亜夢がいる。
その様子を見る女子達は、二人が付き合っているんじゃないかと噂を立てた。
ある日、仁王の誕生日と言うことで、亜夢は仁王の家に来ていた。
「遅かったのぅ…。待ちくたびれたぜよ。」
玄関先で仁王が亜夢を招き入れる。
「ごめんね。ちょっと寄る所があって…。」
そう言って靴を脱いで部屋に上がる。
仁王は冷蔵庫からジュースを持って自室に入った。
「あ、ありがとう!」
仁王からジュースを受け取ると、ストローに口をつけ、ジュースを一口飲んだ。
「あ、そうだ…はい、誕生日プレゼント!」
鞄から袋を取り出す。
「おぉ。ありがとな。…開けてええか?」
「うん。」
袋を開けると、そこにはダーツの矢が入っていた。
「雅治、ダーツするでしょう?だからこれを選んだんだ。」
「まっこと嬉しいぜよ。ありがたく使わせてもらうきに。」
矢を大事そうに見つめる。
その様子を微笑ましく見ている。
「その矢ね、私と同じだよ。…私は家に飾るつもりだけど…。」
「ホンマか~!お揃いじゃのぅ!」
ニコッと笑って亜夢を見る。
「うん!」
亜夢も笑い返すと、仁王は貰った矢を持って壁にかけてあるダーツの的目掛けてシュッとなげた。
スパッ!
「うわ!すごい!!…雅治はすごいよね!絶対矢が刺さるんだもん!」
素直に感心すると、仁王は苦笑した。
「いやいや。それがそうもいかんのじゃ…。」
「え?」
意味ありげに言う仁王に、亜夢は疑問を抱く。
「確かにダーツでは外れることは少ないが、こればっかりは俺でも自信がないんじゃ…。」
「…すごく難しい的なの?」
「…難しいっちゃあ難しいのぅ…。…まぁこれは的やのぅて、心の問題ぜよ…。」
独り言のように呟く仁王。
それを亜夢は不思議に思う。
「…ねぇ、どういうこと?」
「まぁ、ちぃと賭けに出てみるか…。…亜夢。」
「え?…っ!」
亜夢を呼んだと同時に仁王は亜夢の唇に自分の唇を重ねていた。
「ちょ…雅治!?///////」
「亜夢。おまんが俺の的じゃ。俺は今おまんに矢を投げたんじゃが…その矢はおまんの心に刺さっとるか?」
真っ直ぐに亜夢を見つめる仁王の瞳に嘘偽りはなかった。
「…うん。ちゃんと刺さってるよ。…ど真ん中に!」
笑顔を向けてそう言う。
「…ほうか…。安心したぜよ。」
仁王は安堵の息を吐いてギュッと亜夢を抱きしめた。
END