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今日、私は山口から大阪に転校した。
親が転勤族でよく転校をする。
でも、私は転校するのが大嫌い。
人と関わることが苦手な私は、もう何度も経験している転校に未だに慣れない。
でもそうは言ってもそのときは来る。
「山口から転校してきた名無しさん名無しさんさんです。」
先生に紹介され、私はペコリとお辞儀をした。
指示された席に座ると、先生がHRのため話し出した。
HRが終わったあと、クラスの女子達が一気に私のところまで来た。
「名無しさんさん!うちと友達になろう!」
「山口ってどんなとこなん!?」
「名無しさんって呼んでエエ?」
明るい声で次々と言われる。
「あ…えっと…。」
私は何も言えなくなり、その場から逃げた。
それからしばらく話しかけられたけど、私の態度に嫌気がさしたのか、いつしか話しかけて来なくなった。
…でもあの人だけは違った。
「名無しさんちゃ~ん!一緒にご飯食べへん?」
金色くんだけは、いくら私が素っ気無くしてもいつも話しかけてくる。
「いや…私は…」
「ユウく~ん!こっちよ~!」
私の言葉を無視して、金色くんは一氏くんを呼んで私の所で弁当を広げた。
仕方なく私も弁当箱を開けた。
「名無しさんちゃんのお弁当可愛エエな~!」
私の弁当の中身を見てそう言う。
「あ、ありがとう…」
私はそれから一言も喋らないまま黙々と食べ始めた。
その日から、私たちは毎日一緒にご飯を食べ、いつの間にか私は金色くんにだけは心を開くことが出来た。
いつも明るく私に接してくれる彼が、心から好きだった。
…あれ?好き?…私、金色くんが…好き?
この時初めて自分の気持ちに気づいた。
ある日、帰るのが遅くなってようやく帰れると思い歩いていたとき、テニス部の部室から聞き覚えのある声が聞こえた。
『小春!最近名無しさんにベッタベタやん!俺もかまってーやー!』
『だって~!名無しさんちゃん可愛エエんやもん!名無しさんちゃんと一緒におると胸がドキドキするの!』
『こ…小春…!それって…まさか…アイツのこと…す…す…好きなんか!?』
『あん!ユウくん言わんといて~!//////』
「え…?」
金色くんの言葉を聞いて、一気に鼓動が速くなる。
すると部室の扉が開き、中から金色くんと一氏くんが出てきた。
「あ…///////」
「名無しさん…!今の話、聞いとったんか?」
二人がびっくりして私を見る。
「き…聞いてない!!///////何も…聞いてないよ…?」
必死に嘘をつくけど、多分気づかれてる。
すると金色くんが溜息をついて言った。
「…聞かれてもうたんやね~…。…名無しさんちゃん、あたし、名無しさんちゃんが好きやねん。」
「こ…小春!?」
「え…!?///////」
恥ずかしさと信じられなさに目を見開く。
「名無しさんちゃん、あたしと付き合って!」
「わ…私なんかでいいの?…私、人と関わることが苦手で…金色くんをいっぱい不快に思わせるよ…?」
真っ直ぐに金色くんを見つめていたのに、だんだんと俯いていく。
「そんなことあらへんよ?あたし、名無しさんちゃんと一緒におっても不快にならへんで?」
ニコッと笑って金色くんが言ってくれる。
「本当…?」
「ホンマやで!」
その言葉を聞いて安心したのか、私の目から涙が溢れてきた。
「…ありがとう。」
私も笑顔で金色くんを見つめた。
気がつくと、一氏くんがトイレに篭もったまま出てこなくなっていた。
END