席【不二夢】
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中間試験の日がやってきた。
この日は2時間目から全校集会があるとかで、テストは1時間だけだ。
朝のHRを終え、それぞれ出席番号順に座る。
「あれ?…この席って…。」
席を移動して真っ先に気づく。
―不二くんの席だ…///////
私の片想い中の相手、不二くんの席に座っていることにかなりテンションが上がる。
フと不二くんを探していると、またびっくりした。
「(嘘!私の席に不二くんが座ってる!!//////)」
私の席に不二くんが、不二くんの席に私が座っている事実に、自分でも異常なほどに舞い上がる。
とても今から試験が始まるというテンションじゃない。
「それでは問題用紙と解答用紙を配るぞ!」
試験監督の先生がそれぞれ配りだす。
「(いけない!落ち着かなきゃ…!)」
配られた解答用紙に名前を書き、一問ずつ問題を解いた。
残り10分。
なんとか全ての問題を解き終わり、ゆっくりとシャーペンを置く。
「(…うぅ…どうしよう…!まだ心臓がドキドキしてる…!)//////」
心臓を押さえてその衝動に耐える。
「(…!そうだ!)」
私は問題用紙の余白の部分をちぎって、またシャーペンを持った。
「(………よし!)」
破った紙の切れ端を小さく折りたたんで、先生の目を盗んでその紙をそっと不二くんの机の中に入れた。
試験終了のチャイムが鳴り、みんな一斉に元の席に戻った。
ノート類を机の中に入れようと中を覗くと、1枚の紙切れが入っていた。
「あれ、私出し忘れたかな?」
そう思って何かのプリントを破ったような紙切れを開いて読んだ。
そこには信じられないことが書いてあった。
『僕、名無しさんさんのことが好きなんだ。いつでもいいから返事を聞かせてほしいな。 不二』
綺麗な字でそう書いてある。
「え…!?////////」
びっくりして不二くんの方を見ると、不二くんもびっくりして私の方を見ていた。
全校集会のために体育館に急ぐクラスメイトも見えないほど、私は不二くんを見つめた。
気がつくと周りには誰もいなくなり、教室には不二くんと私の二人だけになっていた。
先に口を開いたのは不二くんだった。
「僕たち、同じこと想ってて、同じこと考えてたんだね。」
「あ…う、うん///////」
そう。私があの時紙に書いたことは―
『突然ごめんなさい。私は不二くんのことが好きです。お返事、聞かせてください。 名無しさん』
震えながらそう書いた。
「その紙に書いてあるとおり、僕は名無しさんさんが好きだよ。だから返事は“はい”。」
ゆっくりと私の前に立ってそう言う不二くんを、私は固まったまま見上げる。
「君の返事は?」
もう答えはわかってるくせに、意地悪く聞く。
「は…はい…///////」
小さく頷いて不二くんをまた見上げる。
「ありがとう。…さぁ、体育館に行こうか。」
そう言って不二くんは私の手を取り、体育館に向かった。
END