近づく足音【不二夢】
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「ねぇ名無しさん!これ着てみて!」
そう言って昼休みに渡された文化祭の劇で着る衣装。
白いブラウスに赤色のミニスカート。
「えっ!?今!?」
「うん!今なら男子は健康診断で着替えに行ってるから!」
友達に推され、仕方なくそれに着替える。
「似合ってるじゃない!」
目を輝かせて友達がそう言う。
すると保健室の先生が教室に入り、みんなに指示した。
「3年6組、移動してください!」
それを合図にみんな一斉に教室を出て保健室に向かう。
「えっ!?ちょ…!待ってよー!」
急いで追いかけようにも、この格好では廊下に出られない。
仕方なく机の後ろに隠れて着替えることにした。
ブラウスのボタンを下から順に外していく。
2個目のボタンを外したとき、廊下から足音が聞こえた。
「…っ!」
足音が通り過ぎるまで手を止めて息を潜める。
でもその足音は最悪なことに、私のいる教室の前で止まった。
「(男子じゃありませんように!!)」
教室のドアが開き、ゆっくりと入ってくる。
机の脚の隙間から覗くと、入ってきた人物は黒いズボンをはいていた。
「(うわ!最悪!!)」
とにかくばれないように固まる。
するとその人物は私に気づき、ゆっくりと近づいてきた。
見上げると、そこには彼氏の周助がいた。
「あ…。」
あまりにもびっくりして何も言えないままでいると、周助が苦笑した。
「こんな所で着替えてたら、見えるに決まってるじゃない?」
外しかけたブラウスのボタンを留めながらそう言う。
今まで気づかなかったけど、私のスカートからは太ももが見えていた。
すると周助は少しだけ私を見つめ、そのまま押し倒されてしまった。
―と、その時…
ピピピピ…ピピピピ…ピピピピ……
「はっ!」
大きな目覚ましの音で目が覚めた。
「ゆ…夢…?」
辺りを見回し、ここが自室ということを確認する。
「……びっくりした~…。」
夢だとわかった今でも、心臓がドキドキしている。
「…準備しよう…。」
ベッドから起き上がり、準備をして学校に行った。
学校についてからも夢が頭から離れない。
「…もう!周助が見られなくなるよ…///////」
「どうして?」
「キャッ!!////////」
急に後ろから話しかけられ、びっくりした。
「な、何でもない!!/////////」
「そう?」
私がそう言うと、周助はこれ以上何も聞かず、自分の机にカバンを置いた。
―あんな夢、絶対周助に言えない!―
END