勇気【真田夢】
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「弦兄ちゃ…真田先輩、おはようございます…。」
「あ、あぁ…。おはよう。」
以前呼んでいた呼び方を止め、苗字で挨拶してくる赤リンゴ。
呼び方が変わったというだけで、俺の鼓動は音を立てて鳴る。
俺が言い出したことだというのに、どこか寂しい気持ちになった。
「…まさか俺が恋をするとはな…。」
部活を終え、着替えている最中にそう呟いた。
すると横から赤也が言った。
「ええ!?真田副部長が恋!?頭でも打ったんじゃないスか!?」
声を震わせながら俺を見る赤也を少し睨んだ。
「赤也。素振り100回やるか?」
「ひぃ~!!勘弁してくださいよぉ~!!」
苦い顔をして赤也が言う。
すると幸村が苦笑しながら俺に聞いた。
「真田、誰かに恋をしているのかい?」
「あ、あぁ。恐らくな…。」
今更隠しても遅い。
ならば正直に話したほうが良いと考えた。
「ほぉ~。で、どんな相手じゃ?」
「昔からの幼馴染だ。」
赤リンゴの顔を思い浮かべながら話す。
「ああ!いつも真田に挨拶してる子か!」
丸井が思い出したかのように言った。
「そうだ。…だが俺は恋などしたことが無い。あいつとどう接すればいいのかわからん。」
「自然でいいんじゃないでしょうか?」
「俺もそう思う。」
柳生に続いてジャッカルも頷く。
「安心しろ弦一郎。この恋が実る確立は、俺の予想では84%だ。」
「そんなに高いのか…。」
蓮二の言葉に少し安心し、俺は赤リンゴに想いを告げることにした。
その日俺は家に帰らず、向かいの赤リンゴの家のチャイムを鳴らした。
出てきたのは赤リンゴだった。
「…!ど、どうしたんですか!?」
目を丸くて赤リンゴが聞く。
「いきなりすまない…。今、いいだろうか?」
「は、はい。大丈夫です…。」
俺は率直に想いを告げた。
「赤リンゴ、俺はお前が好きだ!…付き合ってもらえないだろうか…?」
「えっ!?」
目を瞬かせながら俺を見つめる。
「突然ですまん。嫌なら断ってくれても構わん。お前の気持ちを聞かせて欲しい。」
恐らく、今までこんなに緊張したことは無いだろう。
初めての感覚に戸惑いながら返事を待った。
「い、嫌なんて思ってない!!むしろ嬉しいよ!!…あ…す、すみません…!」
「いや、いい。敬語でなくても構わん。…それより、本当か?」
「うん!私も弦兄ちゃんのことが好き!!」
勢い良くそう言われ、嬉しい反面、少し気恥ずかしい。
俺はどうしていいかわからず、とりあえず蓮二に言われたことを実行した。
『告白が成功したら、優しく抱きしめてやれ。』
俺が赤リンゴを抱きしめると、赤リンゴも俺の身体に腕を回した。
END