夜道【リョーマ夢】
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日曜日の午後5時30分。
デートを終えて、暗い夜道を歩く名無しさんとリョーマがいた。
冬だから5時でも少し暗い。
街灯の灯りを頼りに、二人はゆっくりと歩いていた。
「こんなに暗くなったのに、家まで送ってくれるなんて…何だか悪いな~。」
ポツリという名無しさんにリョーマが言った。
「平気。暗いし、危ないから。」
「ありがとう。」
リョーマの気遣いに、ニコッと笑って礼を言う。
「…あ…。」
「ん?」
すると二人の目の前に、一際暗い道があった。
そこは、人が二人並んで歩けないほどの狭い道。
道の右側には、山からはみ出ている木の枝や葉っぱが、左側にある壁まで垂れ下がっており、軽くアーチになっている。
辺りの暗さと垂れ下がっている葉っぱの所為で、足下や先が見えない。
さらに道と山の間には溝があり、一歩間違えば落ちてしまう。
普段は少し明るい内に帰る名無しさんだが、流石にこんな暗い中歩くのは勇気がいる。
「…先が見えない…。」
名無しさんが怯えた声で言った。
「でもここ通らなきゃ家に着かないじゃん。」
「そ、そうだけど…。怖いよ…。」
尚も怯える名無しさんに、リョーマは溜息をつきながら名無しさんにそっと手を差し伸べた。
「…ん。」
「え…?」
「手ぇ繋いだら少しは怖くないでしょ?」
「リョーマくん…ありがとう。」
名無しさんはギュッとリョーマの手を握った。
ドキドキの方が強くて、怖さなんてすっかり忘れていた。
すると進んでいく内に、だんだん街灯の灯りで道が明るくなった。
「…リョーマくん…。」
突然名無しさんがリョーマに話しかけた。
「何?名無しさん。」
「家に着くまで…手、繋いでてもいい?」
少し恥ずかしそうに小さな声で呟く。
「いいよ。それで名無しさんが安心するなら。」
名無しさんの方を見ながらリョーマが微笑んだ。
「…ありがとう…!」
名無しさんはさっきよりも少し強く手を握った。
冬で寒いはずなのに、リョーマの手はとても温かかった。
それは、名無しさんの小さくて冷たい手に合うほど心地がいい。
名無しさんの家に着く頃には、名無しさんの手は温かくなっていた。
END
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