チョコより甘く【跡部夢】
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「今年のバレンタインチョコの獲得ランキング、跡部が1位だってよー。」
「また!?…いいよな~モテるやつは…。」
氷帝の生徒たちの間では、今年のバレンタインチョコの獲得ランキングの話で持ちきりだ。
毎年たくさんのチョコが全国から届き、そのチョコの数をランキングにする。
その中でも特に跡部が、毎年1位でかなりの人気である。
もちろん、それはテニス部の間でも持ちきりだった。
「ほんま跡部には適わんわ~…。」
ランキング表を見ながら忍足が溜息をつく。
「当然だろ?俺様を誰だと思ってやがんだ?…アーン?」
いつもの勝ち誇った表情で跡部が返す。
「来年こそ下剋上だ…!」
陰でボソッと日吉が呟く。
「アーン?何言ってやがる。俺様はいつだって1位の座にいるんだよ。…俺様以外に1位が似合う奴なんていねぇだろう?」
軽く?ナルシストが入った口調に、みんなは苦笑で答える。
そんな中、一人だけあまり喜ばしくない表情があった。
「…。」
「どうしたさゆり。顔が暗いぞ?」
テニス部のマネージャーであり、跡部の彼女のさゆりを見て、跡部が聞いた。
「跡部が1位になって嬉しくねぇのか?」
宍戸がさゆりを覗き込みながら言う。
「う、ううん…嬉しくないわけじゃないの。…嬉しいんだけど…」
「けど…どうしたんだよ?」
詰まるさゆりに向日が聞く。
「…けど、景吾が1位ってことは、景吾のことが好きな人が全国にたくさんいるってことでしょう?私も、その中の一人に過ぎないのかな?って思っちゃって…」
俯いて少し寂しそうに言うさゆりに、跡部が答える。
「アーン?お前そんなこと気にしてたのか?」
「…だって……」
跡部の言葉に少しだけ顔を上げるが、またすぐに下を向く。
「俺様はお前だけを愛してやるって言ったろう?…さゆり、お前は俺様の側で、堂々と胸張ってればいいんだよ。…わかったか?」
跡部がさゆりの頭を撫でると、目に涙を溜めたさゆりが跡部を見上げる。
「…私、景吾にとって特別な存在の所にいる?」
か細く掠れた声で言う。
「当たり前だろう?」
それに対して跡部が優しく答える。
「私、景吾の隣にいていいの?」
「ああ。俺様の隣にいていいのは、さゆり…お前だけだ。」
周りなんて気にせず、跡部は大きな声で言った。
最後に跡部は、さゆりに小声でこう囁いた。
「…たとえお前が俺様から離れたいと言っても、離してやんねぇから、覚悟しとけよ?」
「景吾…//////…ありがとう。」
顔を真っ赤にしてさゆりが俯く。
―とそこへ…
「自分ら、俺らがおること忘れてへんか?」
忍足の声で余計に顔を赤くするさゆりだけど、跡部はフンッと笑ってさゆりに顔を近づけ、キスをした。
「あ…////////」
不意打ちをくらい、ビックリしているさゆりに、またもや勝ち誇ったような顔の跡部。
その横で、溜息をつく人物が数名いた……。
END
1/2ページ