恋叶〜コイカナ〜【不二夢】
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『不二くんと名無しさんさんってすごく仲良いよね~!』
『これで付き合ってないなんて信じられな~い!』
『えっ!?2人って付き合ってないの!?』
『うん。…でもいっそのこと付き合っちゃえばいいのに~!』
『そうよ!絶対お似合いのカップルよ~!』
教室の片隅で1人の女の子を囲んで4~5人の女の子たちが騒ぐ。
私はそれを自分の席で本を読みながら黙って聞いている。
4~5人の女の子たちに囲まれているのは、クラスメイトの名無しさんさん。
学年一美人として有名な子で、不二くんの幼馴染。
家に帰る方向も一緒みたいだから、よく2人で帰ってるみたい。
その他にも、よく学校で話をしている2人の姿を見る。
周りの人たちからはカップルと勘違いされる程仲がいい。
不二くんのことが好きな私にとって、決していい話ではなかった。
美人で頭のいい名無しさんさんになんて適うはずがない。
そう思っていた私に、ある転機が訪れた。
もうすぐテストがあるということで部活に入っていない私は、放課後1人教室に残ってテスト勉強をしていた。
すると誰かが教室に入ってきた。
「あ、ごめん。勉強中だった?」
「ふ…不二くん…!?//////」
入ってきたのは、ずっと心の中で想っている不二くんだった。
突然すぎて固まってしまう。
すると不二くんは私の席の方へゆっくり近づいてきた。
「勉強熱心なんだね。」
「え…?……あ、う、うん…」
開いていたノートをさりげなく閉じて不二くんを見上げる。
「僕、名無しさんさんのそういうトコ好きだよ。」
「えっ!?///////」
いきなりの言葉にびっくりして目を見開く。
「前から名無しさんさんの一生懸命な姿を見て、興味を持ったんだ。」
淡々と語っていく不二くんを黙ったまま見つめる。
「…あれ?もしかして気がつかなかった?僕、時々授業中に名無しさんさんの方を見て手を振ったりしてたのに…。」
「え……?」
突然の信じられない言葉に、耳を疑う。
自分の中で必死に言葉を探して不二くんに聞く。
「え…あれって、名無しさんさんに手を振ってたんじゃないの?」
「ううん。君に手を振ってたんだよ。」
あっさりと返されて唖然とする。
さらに不二くんが続ける。
「何度かアプローチかけてたんだけど…やっぱり気づかなかったんだね。」
「アプローチって……まさか……」
「そう。僕は名無しさんさんが好きなんだ。」
真剣な眼差しで言う不二くんの言葉をどう返していいのかわからない。
自然と頬を伝う涙を手で拭いながら不二くんに訴えた。
「…そんな…。だって私と不二くんじゃ…っ!…釣り合わないよ…。」
そこまで言うと、不二くんは私を抱き寄せた。
「そんなの関係ないよ。周りからどう思われようが、僕が好きなのは名無しさんさんだけだから。」
優しい声でそう言われ、さっきより涙がポロポロと零れる。
「…私…ちゃんと不二くんに相応しい人になれるかな…?」
少し落ち着いてから小さな声で不二くんに聞いた。
「大丈夫だよ。もう十分相応しいから。」
「…不二くん……」
不二くんの声に安心して体を不二くんに預けた。
END
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