お兄ちゃん【手塚夢】
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私のお兄ちゃんは、この学校の生徒会長。
規律は絶対守るしっかりもので、たとえ妹の私でも容赦なく注意する。
ある日、いつも通り部活して帰ろうとしたとき、同じ部活の友達が急に言い出した。
「いいな~紅冥…。あんなイケメンなお兄さんがいて!」
「えっ!?」
友達のその言葉に、他の部活仲間も集まってきた。
「ホントよ~!テニスも上手いし、頭もいいし、おまけにあのルックスだし…。」
「うちのお兄ちゃんと交換してほしいよ~…。」
次々におにいちゃんのことを言われて、つい否定してしまう。
「そ…そんなことないよ…!あんなのただのテニス馬鹿だし…全然かっこよくなんか…!」
自分でも何でこんなに必死なのかわからないほど否定する。
「ええ~!なんでー!!羨ましいじゃん!」
私の言葉に驚く部活仲間。
「全っ然!!…あ、私もう帰るね!またあした~!」
私は半ば逃げるように部室を去った。
帰り道、さっき言われたことを思い出していた。
「…うらやましい…か……。」
あれだけ否定していたけど、気がついたら笑っていた。
家に帰って靴を脱いでいると、自室に入ろうとするお兄ちゃんがいた。
「お、お兄ちゃん…!帰ってたの?」
「ああ。…む、どうした?」
お兄ちゃんの姿を無意識で見つめてしまい、お兄ちゃんに不審に思われた。
「あ…な、なんでもない…///////」
すぐに目を反らし、自分の部屋に駆け込んだ。
人に言われて改めてお兄ちゃんを見ると、確かにかっこいい…かな…?//////
そこまで考えたとき、宿題をしなければいけないことに気がついた。
「…お兄ちゃんに教えてもらおう!」
鞄からプリントを取り出して、お兄ちゃんの部屋のドアをノックした。
「お兄ちゃん、宿題教えてくれる?」
ドア越しに声をかけると、すぐにお兄ちゃんからの返事があった。
「む、紅冥か…ああ。入れ。」
お兄ちゃんが言った後、ドアを開けて中に入り、早速プリントを机の上に広げた。
「どこがわからないんだ?」
私の隣に座り、プリントを覗き込む。
「えっと…ここ…。」
問題を指差して言う。
「ここはこの式を移項するんだ。」
お兄ちゃんは私のシャーペンで数字を○しながら説明する。
私はその様子を黙って聞く。
「お兄ちゃん、教えるの上手だよね!」
言われたとおり問題を解きながら答えると、予想していた答えが返ってきた。
「…くだらんことを言ってないで、しっかり問題を解け。」
無表情で注意され、私は素直に返事をした。
「は~~~い。」
やけに間延びした返事に少し笑った。
みんなが憧れる私のお兄ちゃん。
“いいな”って言われると少し照れるけど、嬉しさの方が強かった。
END
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