特別なBirthday【不二夢】
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受験も終わり、一段落ついた頃…
今日は何だか特別女の子がウキウキしてる。
四年に一度やってくる閏年…そう、男子テニス部の不二くんの誕生日。
去年や一昨年は2月28日や3月1日に祝っている不二くんの誕生日だけど、今年は前よりかなりの人数が不二くんに言い寄っている。
実は私も不二くんに片想いしてるけど、引っ込み思案な私はいつも不二くんを見てるだけ。
『不二くん!お誕生日おめでとう!』
『あの…不二先輩、これ受け取ってください…!』
一年生から三年生まで様々な女の子に人気の不二くんは、いつも笑って優しく接する。
私も不二くんに直接プレゼントを渡したいけど、とても恥ずかしくて渡せない…/////
だから毎年、誰もいなくなった放課後、不二くんの靴箱にそっと入れる。
私だって気づかれなくてもいい。
ただ陰で不二くんを見てるだけで幸せなんだから…
今年もそう思っていたけど、その思いは意外な展開で崩れた。
私が毎年のように不二くんの靴箱にプレゼントを入れようとしたとき、突然誰かの声がした。
「やっぱり君だったんだね。名無しさん 名無しさんちゃん。」
「えっ!?」
声のした方を向くと、そこには不二くん本人が立っていた。
「あ…あの…/////」
「君だよね?毎年僕の誕生日になると名無しでプレゼントを僕の靴箱に入れるのって。」
そう。私は名前を書かずにプレゼントを入れている。
…あれ?ならどうして不二くんは私の名前を知ってるの?
クラスも違うし、今まで一度も話したことないのに…。
頭の中で考えていると、それを察したかのように不二くんが説明してくれた。
「君の名前、元から知ってたんだ。」
「え…?」
意外な答えに一瞬驚くけど、不二くんは続ける。
「2年前、僕が一年の時に初めて青学の女の子にプレゼントを貰ってるとき、一人だけ陰に隠れてる女の子が目に入ったんだ。」
私の方に歩み寄りながら淡々と語る。
「どうして隠れてるのかな?って不思議に思ってたら、放課後になると僕の靴箱にプレゼントが入っててびっくりしたよ。そしたら次の年も同じことがあって、もしかしたら…って思って周りの女の子に君の名前を聞いたんだよ。」
不二くんの話を黙って聞いてたけど、その間にも心臓がおかしくなる程脈打つ。
「そ、そうだったんだ///////」
やっと出てきた言葉はありきたりな台詞。
「クスッ…僕ね、実は君に一目惚れしてたんだ。」
「…へ?」
急にそんなことを言われ、思わず素っ頓狂な声をあげた。
「陰に隠れてる君を初めて見たとき、可愛い子だなって思ったんだ。靴箱に入ってたプレゼントを見つけたときも、あの子だったらいいなって思ってた。」
不二くんが私の髪に手を遣わせながら言う。
その仕草と言葉に、何も言えないでただ立ちつくす。
「だからさっき君がプレゼントを入れてる姿を見たとき、すごく嬉しかったんだ。」
ニコッと笑顔で言われ、赤面したまま俯く。
すると、不二くんはいきなり私を抱き寄せた。
「え…キャ…!//////」
突然のことでバランスを崩し、あっさり不二くんの腕の中で抱きしめられた。
「ここまで言えばもうわかるよね?…僕は君のことが好きだよ。」
耳元で囁かれ、少し身を縮こませる。
心臓が破裂しそうな程私の中で鳴り響く。
「あ…えっと、不二…くん…?///////」
頭の中で必死に言葉を整理するけど、考えれば考えるほど頭がパニックになる。
「名無しさんちゃん、君の答えは?」
抱きしめられたまま問われる。
…どうしよう…何て答えればいいの?
そもそも私なんかが不二くんと付き合ってもいいの?
みんなに人気の不二くんに私なんかがつり合うの?
マイナスな考えが頭の中でグルグルする。
―私、不二くんが大好きなのに…!―
どうしても“はい”の一言が言えない。
すると、不二くんが優しく言いだした。
「周りのことなんか気にしないで、自分の気持ちを言ってよ。」
その一言に、決心がついた。
「あ、ありがとう。…私も、不二くんが…好き…///////」
小さな声で言った後、不二くんは私をさっきよりもきつく抱きしめた。
「ありがとう。大好きだよ、名無しさんちゃん。」
不二くんの奇麗な声で改めて言われ、余計に恥ずかしくなる。
すると不二くんは私を離して見つめた。
「プレゼント、直接受け取りたいな。」
「あ、うん…。はい、お誕生日おめでとう…不二くん////////」
「ありがとう。」
ニッコリ笑って不二くんはプレゼントを受け取ってくれた。
やっと手渡しが出来たという嬉しさと、想いが通じ合ったという嬉しさを噛み締めながら、私もニッコリと微笑んだ。
END
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