三角関係【ユウジ、財前夢】
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~ユウジside~
…俺、どないしたらええんやろ?
俺には小春がおるくせに、気づいたらアイツまで好きになっとった…。
何で?
何でや!?
―俺は小春だけが好きなんちゃうんか!?―
大好きな小春と一緒におっても、アイツが目に入る…。
あああああ!!!
小春も好きやのに名無しさんも好きや!
気持ちが揺れ動いてまう~~~~!!!!
そんな気持ちのせいで、心が押しつぶされそうになっていた。
ある日、部活終わりに3年だけ残されて、帰るのが遅くなった。
俺は小春と一緒に帰っていると、通りがけの公園で楽しそうに話している名無しさんがいた。
その横には財前。
「あ…」
その様子を見た俺は思わず目を反らした。
「ん?どないしたん、ユウくん?」
小春が俺を覗き込んで心配そうに聞いた。
…小春の覗き込む姿、めっちゃ可愛エエ……!
「何でもあらへん!…それより小春ぅ~、俺のこと心配してくれるんか!?…俺めっちゃ嬉し……」
「くっつかんとって!気色悪いわ!」
俺の言葉を遮って、小春は俺から離れた。
「小春ぅぅぅ~」
俺は離れていく小春を追いかけてその場を離れた。
ええもん!小春のあの態度は愛情の裏返しやもん!!
そう思いながらさっき見たことを忘れようとした。
それから、俺は何度も名無しさんと財前の姿を見るようになった。
そして俺は財前に疑問に思っていることを聞いた。
「何スか?」
「お前…名無しさんのこと……好きなん?」
不満と嫉妬の混ざった声でそう聞いてみた。
「…ユウジさんには関係ないっスわ。」
そう告げた財前の口元はフッと笑っていた。
「な…!…嘘つくなや!!」
財前の態度にイラついて少し怒鳴った。
すると財前は静かな声で言った。
「俺が名無しさんのこと好きやったら何スか?」
「…え?」
不適な笑みを浮かべて財前が言う。
「ユウジさんには小春さんがいるやないですか。…俺、二人のこと応援しますわ。」
それだけ言って、財前は去っていった。
一人残された俺は、財前の言葉にただ固まっていた。
~財前side~
ユウジさんに名無しさんは絶対渡さへん。
たとえ名無しさんがユウジさんのことが好きでも…!
俺はいつものように名無しさんと二人で帰っていた。
「名無しさん…。」
「え?何?」
足を止めて名無しさんを呼ぶと、名無しさんも足を止めて俺を見上げる。
ガバッ!
「え!?…ちょ…光くん!?」
俺は名無しさんを力強く抱きしめた。
「俺、名無しさんのこと好きや。」
「えっ!?///////」
俺の腕の中で名無しさんの顔が真っ赤になっていく。
「…わ、私…ユウジ先輩が好きなん知ってるやろ…?」
名無しさんは震える声を出しながら言う。
「知っとる。…せやけどこの気持ちはどうしようもないねん。…ユウジさんにだけは渡したない!」
さっきよりも強く抱きしめて言うけど、名無しさんは放心状態でこれ以上何も言わなかった。
ただ、少しずつ名無しさんの気持ちは揺らぎ始めていた。
~ユウジside~
昨日、財前から名無しさんに告ったと聞かされた。
その時の俺は何を思ったのかは全く覚えてない。
「名無しさんちゃんのことやろ~?光きゅん二年生なのにやるわ~!」
小春が俺の隣で言い出した。
そしてまた続ける。
「ユウくん名無しさんちゃんが好きなんやろ?あたしらは元々ダブルスだけの関係なんやし、告白してみたらええんとちゃうの?」
小春のこの言葉に俺は目を見開いて小春を見た。
「そんなことできへん!!小春を捨てるやなんてありえへんわ!」
「もう!ユウくんがそなんやから光くんに先越されるんやで!?…男ならもっと行動的にならなあかんで!?」
「っ!」
小春に活を入れられて思わず身が縮こまる。
「小春~」
「甘えた声出すなや!とっとと行ってき!!」
そう言われて俺は無理矢理名無しさんの所に行かされた。
俺は緊張しながら名無しさんのいる教室を覗いた。
名無しさんは一人で本を読んでいた。
「名無しさん…ちょっとええか?」
「え?ユウジ先輩!?…どないしたんですか?」
俺の存在にビックリした様子で見つめる名無しさん。
「ちょっとな…。今ええか?」
「え、ええ。大丈夫ですけど…。」
そう言って名無しさんは俺の後についてきた。
着いたのは屋上。
風が心地よく吹いていた。
「あの…何ですか?話って…。」
名無しさんは少し緊張した様子で聞いた。
「あ、ああ。あんな…俺…名無しさんのこと、好きや…。」
「え…/////////」
思い切って告ると、名無しさんの顔が真っ赤になっていた。
すると急に財前の声がした。
「ユウジさん、横取りっスか?」
「財前!?」
「光くん!?」
俺たちは同時に財前の方を見た。
「小春さんはどないしたんですか?…小春さんも好きやのに名無しさんも好きなんですか?……ユウジさん最低ですわ。」
俺を軽く睨みながら財前が言った。
「……」
俺は何も言い返せなかった。
財前の言っていることは全部図星だから…
「そないな人に…名無しさんは渡されへんわ。」
「キャ…!」
そう言って財前は名無しさんの腕をつかみ、自分の所へ引き寄せた。
それにさえも怒りを覚えてしまう。
「…俺かてお前なんかに名無しさんは渡さん!!」
つい勢いで言ってしまったけど、もう取り返しがつかない。
「ユウジ先輩…//////」
名無しさんが小さな声で呟く。
…と、その時…
「お互い譲らんのんやったら二人が名無しさんちゃんの彼氏になったらええやないの。」
出入り口から出てきたのは小春だった。
「二人の男の子が一人の女の子を取り争うってゆーのもええねんけど、二人の男の子に同時に愛される女の子……あ~ん!あたしも二人の男の子に愛されたいわ~!」
顔を赤くしながら小春が言う。
「せやかて小春さん!…」
「三角関係も、以外と悪くないと思うで!」
財前の言葉を遮って、小春がウインクをしながら言った。
「…俺は……ええで。」
小春も好きな俺にとっては反対のしようがない。
すると名無しさんも小さな声で言った。
「…あの…私も、二人さえ良ければ……////」
俯きながら言う名無しさん。
そして最後に財前が口を開いた。
「…まぁ、しゃーないっスわ。」
苦笑いを浮かべながら財前が言った。
「これでカップル成立ね~!…光くん、辛くなったらあたしの所においでね~!…あ!でもあたしには神尾きゅんが…あ!バンダナきゅんも…!」
そう言いながら小春は去っていった。
「こ…小春ぅぅぅ!まだここにおるで~!」
俺が必死に小春に呼びかけても、振り向きもせずに去っていく小春。
「は~…。」
「まぁまぁ、ええですやないの。気ぃ落とさんといてください。ユウジさん。」
溜息をつく俺に財前が苦笑しながら言う。
「ふふふ。」
その様子を見ながら微笑む名無しさん。
そんな名無しさんの右頬に財前はチュッとキスをした。
「名無しさんホンマ可愛ええわ。…大好きやで。」
不意打ちでキスされ、ビックリしている名無しさん。
「あっ!財前!後輩のくせに生意気やぞ!」
財前を指さして抗議する。
「“やったモン勝ち”…ですわ。」
ニヤリと笑いながら俺に言う財前。
それに負けじと俺も名無しさんの左頬にチュッとキスをした。
「大好きや…名無しさん。」
耳元で囁けば、耳まで真っ赤に染める名無しさん。
「…もう……////////」
名無しさんは恥ずかしさで俯いたままだったけど、確かに嬉しそうだった。
END
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