Sleep Love【芥川夢】
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俺が起きると机の上にいつも置いてあるノートやレポート用紙。
いったい誰が置いてくれてるんだろう…?
授業中にいつも寝ている俺は、当然ノートも書いてなければレポートも書いていない。
そんな俺を心配して、クラスの男子や女子がノートやレポート用紙を貸してくれる。
でもここ最近それは無くなり、代わりにいつも放課後になると、俺の寝ている間にそっと誰のかわからないノートやレポート用紙が、俺の机に置いてある。
ノートにはイニシャルだけで名前が書いていない。
この綺麗な字や色ペンで細かくまとめてあるのを見たら、多分女子だと思う。
それは今日も同じだった。
「グー……グー………ん…んん…」
西に傾きかけた太陽が俺の顔に差しかかった頃、ようやく目が覚めた。
「ふぁぁぁぁ…ん?」
あくびをしながらフと机の端を見た。
「あ、また置いてある~…あれ?」
机の端に置かれているノートの横に、小さなメモ用紙と、俺の好きなポッキーが一緒に置いてあった。
「あっ!!ポッキーじゃん!嬉C~!!」
喜びながらメモ用紙を見た。
『これ食べながら頑張ってね!』
丁寧な字でそう書いてあった。
「へへ!ありがと~う……あ、そうだ~!いいこと思いついた!…明日やってみよう!」
ワクワクしながら荷物をまとめて部活に行った。
次の日の放課後、俺はいつものように机に突っ伏していた。
でも、今日は寝ていない。
寝たフリをして、いつも誰がノートを置いてくれているのか確かめる作戦!
う~ん!俺って天才的~……っと!丸井君の物まねになっちゃった!
ガラガラ…!
そんな事を思っていると、誰かが教室に入ってきた。
「グー…グー……」
その人物は、寝たフリをしている俺の方へ近づいてきた。
…もしかして、この子かな…?
期待をしていると、その子が独り言を言った。
「ふふ…まだ寝てるんだ。…はい、今日の授業分のノート。それから、ポッキーね。」
彼女が机にノートとポッキーを置いて手を離したとき、俺は行動に出た。
「つっかまーえた!」
「キャッ…!」
俺が彼女の手をギュッと握ると、小さな悲鳴を漏らした。
そして、ゆっくり彼女の顔を見た。
「あ…芥川君、起きてたの!?///////」
「うん。…雪乃ちゃんだったんだね。ノート…。」
顔を真っ赤にした雪乃ちゃんは、俯いた。
「照れなくていいのに。俺、超~嬉しかったよ~!」
手を離してからイスから立ち上がって雪乃ちゃんの方へ歩み寄る。
「え…嬉しい?」
目を丸くして俺に目を向ける雪乃ちゃん。
「だって~…俺の大好きな人がこうやって俺を心配してくれるから!」
ニカッと笑ってもう一度雪乃ちゃんの手を握った。
「え…嘘……芥川くんが…?///////」
ますます顔を赤くして雪乃ちゃんは俺から目を反らす。
「うん!…雪乃ちゃんの答えは?」
顔を近づけて答えを聞き出す俺に、雪乃ちゃんは戸惑っている。
「えっと……は、はい…//////」
小さな声だったけど、確かに聞こえた二文字。
「へへ!!嬉C~!」
「え…キャッ!/////」
雪乃ちゃんの手を離し、今度は力強く雪乃ちゃんを抱きしめた。
「ちょっ…芥川くん!?/////」
「雪乃ちゃん、かわE~!!顔がすっごい真っ赤だよ~!」
耳元で囁くと、雪乃ちゃんがピクッと体を振るわせた。
「は、離してよ…芥川くんっ!」
小さな体で俺の腕の中で少し暴れる。
そんな行動も、かわいい。
「ダ~メ!慈郎って呼んでくれなきゃ離さないよ~!」
「そ、そんな…」
俺が意地悪く言うと、雪乃ちゃんは暴れるのをやめた。
「じ…慈郎…離してくれる…?////」
雪乃ちゃんは恥ずかしそうに俺にお願いをする。
「よく出来ました!」
そして、俺はさっきよりも強く抱きしめた。
「ちょっと…話が違っ…//////」
「ありかとう。雪乃。…大好きだよ。」
雪乃ちゃんの言葉を遮って、また耳元で囁いた。
すると、雪乃ちゃんの体から力が抜けたと同時に、雪乃ちゃんの腕が俺の背中に廻った。
「うん…私も、慈郎の事が大好き…。」
雪乃ちゃんの優しい声が、俺の耳に響いた。
「うん。ありがとう。」
優しく雪乃を抱きしめて、優しくキスを交わした。
END
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