運命的な出会い【大石夢】
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私は今、オープンスクールに来ています。
もうすぐ受験があり、それが終われば晴れて高校生になる私。
その為に今日は一人で青春学園高等部に来ているの。
中等部を通り過ぎた所に高等部がある。
門をくぐったら高等部の生徒たちが体育館に案内をしてくれた。
簡単な説明を聞いた後、各自校内見学があった。
理科室や美術室、図書室などとにかくいろんな所を見て回った。
「やっぱり私立は違うな~…うちの学校にないものまでそろってる~。」
独り言をいいながら校舎を歩いた。
「…さて、人通り見て回ったしそろそろ帰ろう!」
下駄箱に行き、袋に入れていた靴を履いた。
『よし!10分休憩!』
「ん?」
私がちょうど中等部の所を通ろうとした時、テニスコートから声がした。
「あ…ここ、男子テニス部があるんだ~!」
…そう、私の通っている中学校には、男子テニス部が無いのです…。
小さい時からテニスをしている私は、中学校に入るとき、男の子がテニスをしているのを楽しみにしていたのに、あるのは“女子”だらけ“ソフトテニス部”。
男子は入部禁止…。
だから私にとってはあこがれの光景!
「しかも超カッコイイ人たちがいっぱい!!」
私のいる距離とテニスコートの距離は少し遠いけど、視力のいい私は顔まで見える。
『よし!練習を再開するぞ。1年は球拾い、2、3年はAコートで素振り、レギュラーはB,C,D,Eコートで練習試合だ!』
『はい!!!!!!』
優しそうな、少し変わった髪型の人がみんなに指示を出すと、残りの部員は威勢良く返事をした。
「わ~あの人、みんなに的確に指示をしてる~!カッコイイ!!」
そう思っていると、急にチャイムが鳴り出した。
「いけない!早く帰らなくちゃ!用事があったんだわ!」
少し名残り惜しいけど、急いで帰った。
家に帰ってもあの人のことが目に浮かぶ…。
気がつくと、私の頬が赤くなっていた。
「ちょ…!やだ!!私ったら…まさか…一目ぼれ?……キャーーーーー//////』
ベッドの上でゴロゴロ転がりながらキャーキャー言ってるバカってどうですか!?
心の中でそう思う私。
そしていつの間にか眠りについていた。
次の日私は、図書館に行くために電車に乗った。
『青春台~青春台~』
駅員が独特な声で言った。
「次で降りなきゃ。」
と思っていると、ななななんと!!昨日のあの人が電車に乗ってきた!!
「あっ!」
嬉しくて思わず声を出してしまった。
「ん?」
それに気づき、隣に座りながらその人は私を見た。
「え…あ、えっと…青学のテニス部の人ですよね?」
(うわ!いくら言葉が思いつかなかったからって、単刀直入すぎるでしょ!?)
心の中で後悔した。
「うん。そうだけど、君は?」
…聞いてしまったからには仕方ない…後もどりはできない…。
そう思い、緊張しながら言った。
「昨日、青学の高等部のオープンスクールの帰りに、テニスコートであなたが指示をしているのが聞こえたから…。」
すっごい心臓がドクドクしてる…
「あ~!そっか!…どうだった?うちの高等部は。」
突然話しかけた私に笑顔で接してくれた。
なんて優しいの!?
「すっごく奇麗な校舎でした。」
在り来たりな答えだった事に今更後悔する。
「そっか。…で、もう入りたい高校は決まったのかい?」
「…まだ、決めてないんです。」
内心、青学にしようか迷ってる。
「そうなんだ。まぁ、ゆっくり決めなよ。」
また笑顔で言ってくれた。
「…は、はい。」
その笑顔に見とれているのもつかの間…。
「あっ!君の名前、教えてくれないかな?」
「え?」
「い、いや…!別にやましい意味じゃなくて…その…君と同じ高校になるかもしれないから…。」
びっくりして彼を見上げると、彼はあたふたとしていた。
「…名無しさん、名無しさんです。」
「名無しさんちゃんか…。俺は大石秀一郎。」
大石さんか…。
そう心の中で思いながら下を向いた。
『◯◯~◯◯~』
「あっ!もう降りなきゃ!」
慌てて電車から降りようとすると、大石さんが私を呼び止めた。
「名無しさんちゃん!…また、会ってくれるかな?」
「……は…はい/////」
急にそんな事を言われてびっくりした。
電車から降りたと同時にドアが閉まり、電車は走り出した。
それからの私は、ウキウキ気分だった。
―これって、【運命的な出会い】ってやつ!?―
END
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