雨の日の恋【不二夢】
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ザァーーーーーーー…
靴箱で靴を履き替えてると、外は雨がザァーザァーと降っていた。
午後から降る雨の日は決まってあの女の子が傘無しで帰ろうとする。
そんな彼女にいつも声を掛けるのが僕。
でも彼女はいつも“家近いから、悪いから”と言っていつも一人で走って帰る。
彼女と初めて会ったのはあの日。
その日は特別にすごく雨が降っていた日だった。
僕はカバンから折り畳み傘を取り出し、外へ出ようとした。
すると後ろの方から、女の子の声がした。
「あっちゃ~…。やっぱり傘持ってくればよかったなぁ~。」
そう言いながら靴を履き替え、外へ出ようとした女の子。
「…一緒に入らない…?」
気がつくと、僕は無意識にその子に話しかけていた。
「え?」
びっくりして僕の方をふり返った。
「…あ~…いいよ!家近いし、それに…悪いし。」
笑顔で返してくれたその子の笑顔は、まるで天使のような笑顔だった。
「ありがとう!」
それだけ言って走って帰っていった。
あれから3週間たった今、また彼女は雨の中一人で走って帰ろうとしていた。
「一緒に帰ろう。」
僕はいつものように声を掛けた。
「あっはは!いいのに!家近いから!」
そう言って、いつものように帰ろうとする。
僕はそんな彼女の腕をつかんだ。
「待って!僕、君と一緒に帰りたい。もっと君のこと知りたい。だから…ね?」
びっくりした表情の彼女はすぐに喜びの表情になった。
「…ありがとう!…じゃあ、お言葉に甘えて…。」
そう言って彼女は僕の傘に入った。
「そう言えば君、何て名前なの?」
帰り道、僕は彼女の名前を聞いた。
「名無しさん…名無しさん!3年2組!…大石くんと同じクラス!」
名無しさんは天使のような笑顔で答えてくれた。
「そうなんだ!僕は不二周助。」
お互いに自己紹介が終わった途端、名無しさんが声を出した。
「あっ!私の家、ココなの!」
家が近いのは知ってたけど、まさかこんなに近いとは…。
名無しさんの家は学校から歩いて十分くらいの所にあった。
「あ…うん。じゃあね。」
「ありがとう!不二君!じゃあね!」
「あっ!待って!名無しさん!!」
ドアを開けようとした名無しさんを呼び止めた。
「え?…何?」
不思議そうに僕を見た。
「また一緒に帰ろうね!」
「うん!」
名無しさんは最後にまた天使のような笑顔を見せた。
これは、恋なのかな…?
そう思ったのは、僕が家についた時だった。
END
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