1時限目:社会(地理)
キーンコーン…ガラガラ!
きっちりチャイムと同時に入ってきたのは、社会科担当のサトツ先生。
服も皺一つなくきっちり着こなしている。
なので周りからは“学園一のきっちり者”と呼ばれている。
「姿勢!…礼!」
『お願いしまーす!』
号令係が号令を済ませると、サトツは自分の教科書をパラパラ捲った。
「はい。では今日は…教科書287ページを開いて下さい。」
相変わらずの分厚い教科書を捲る生徒たち。
「おや?キルア君。そこは288ページですよ?1ページ戻ってください。」
と、サトツはキルアに注意した。
「あ…すんません…。」
少しだけ顔を赤くして1ページ捲った。
「クスクス…」
キルアの隣の席の##NAME1##はキルアを見て可笑しそうに笑った。
「わ…笑うなよ##NAME1##!」
キルアがますます顔を赤くして言う。
「では、前回の続きでヌメーレ湿原を勉強していきましょう。」
黒板に地図や説明を書きながらサトツが説明していく。
##NAME1##は必死でノートに写す。
「ヌメーレ湿原は、通称“詐欺師のねぐら”と呼ばれ、人面猿やサイミンチョウなどの珍獣が生息しています。」
淡々と説明していくサトツに、耳を傾けながら真面目に授業を受けていく。
「さて、ヌメーレ湿原の次はルルカ遺跡です。教科書は288ページです。」
サトツに言われ、みんな一斉にページを捲った。
「ルルカ遺跡は、私の尊敬する方が発見しました。…彼は5本の指に入るくらいの素晴らしいお方で、伝説のハンターとも言われています。…しかし現在は行方が……」
「先生。話が逸れてます!」
サトツの言葉を遮って##NAME1##が手をあげて言った。
「…ゴホン……。…失礼をいたしました…。ルルカ遺跡はですね……」
キーンコーンカーンコーン……
サトツが説明をしようとすると、チャイムが鳴った。
「おや、時間のようですね。では、続きはまた明日にしましょう。…号令をお願いします。」
時計を見ながら号令を促した。
「姿勢!…礼!」
『ありがとうございました!』
みんなが一斉に礼をすると、サトツはそそくさと教室を出ていった。
続く